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2012-03-31(Sat)

ユキちゃんと別れる決心

2012年03月31日(土)
お袋から電話がある。
昨日、先日の病院の事を含めて、最近の状況を説明しておいた。

もう、連れ合いと暮らしたこの広くてロケーションのいい部屋は贅沢で、住み続けていられない。
経済的な事ばかりではなく、体調的な面、精神的な面全てにおいてこのまま居られたらベストなのだが、どうやらここまで持ちこたえてきたが、これ以上無理をすると今度は体に影響が出る。
ただでさえ免疫抑制の出ている血液腫瘍患者、これ以上一般人よりも過酷な条件で仕事をしていたら、確実に死ぬ。
引越のメド…これも金銭的な面と物理的な作業の算段も含めて全くついていないが、とにかく、もう猫と暮らせない。

それで、ユキちゃんの件を話した。
この部屋に居続けることは出来ないとなれば、安い部屋へ引越しせねばならない。
するにあたって、「ペット可」物件はあっても、やはり条件が悪い。狭くなり、そうするとやまだの本や画稿類などを保管することが出来ない。一定の収納スペースを確保できて、なおかつ一人が暮らせて、その上ペット可となると、買い物にも車が必要な山の方など、そうとうな奥地に引っ込まねばならなくなる。そうなれば、自分の日々の生活に支障が出る。

…もともと、自分の身さえいつどうなるか解らない人間が、猫という「他の小さな命」を預かること自体、不遜なのかも知れない。実際に、一昨年とその前、入院した際も結局は猫の世話を明青さんご夫妻にお願いすることになってしまった。

こんな体で、猫を傍に、ぬくもりを共有して一緒に暮らす。
そんなささやかな望みさえも天は「贅沢」だと言うのか。

本当に「生きて行くこと」の意味を問わずにいられない。
本当に誰からも何の助けもない。自分のケツは自分で拭くしかないと確信している。
なぜ、ここ数年こんな拷問のような事を受けてまで俺は生かされているのか、
何の罰か?
それは知らないが、とにかく、病人であろうがなかろうが、全ては自己責任だという事なのだろう。
「因果応報」とは言わない。
因果など、知るか。
前世?そんなものは、知らない。

実家のお袋は「フクちゃん」という愛猫を亡くしてから、しばらくの落ち込みようは酷いものだった。
自分でも言っていたが、鬱に近い状態にまでなり「もう生き物はいい」と思ったと何度も何度も言っていたが、やっぱり猫のいる生活をずっと送ってきたので、猫を飼いたいと思い始めてはやめよう、という繰り返しだったそうだ。
つまり、そこにユキが行くのも、これは、縁…なのだろうか…。
何が「縁」だろう。
何が「きっと誰かが見守ってくれる」「助けてくれる」だろう?
――何が…。

連れ合いが「野良の親子がいる」と知り合いに言われ、最後までもらい手がなく残されていたユキ。
家に連れてきたら、ケージの中から大音声で鳴きっぱなしで、「とてもうちでは飼えない」と俺は言った。
連れは泣きながら「嫌だ! せっかく貰い受けた命をまた捨てるような事はできない」と言った。
ケージから出してやったら、とたんに可愛い声で「にゃーん」と鳴き、ゴロゴロと甘えてきたユキ。
薄汚いブチ模様があると思っていたが、洗ってやったら真っ白になった。
まるでシンデレラだね、と夫婦で笑った。
耳の聞こえない、尻尾の曲がった、バカで可愛い、真っ白で青い目のユキ。
壁で爪を研いで叱られても、次の瞬間抱き上げるとすぐに喉を鳴らして喜んだユキ。
こちらが寝れば布団へ、起きればずっと傍らに居てくれていたユキ。
甲斐性がないばかりに、済まない。
こんなバカな飼い主で本当に申し訳ない。
ごめんな、今までありがとう。
ユキは傍らで丸くなり、何も知らずにすやすや寝ている。

去年亡くしたシマのように、弱っていき病気で亡くなるのは、ある意味傍でずっと見ていて覚悟が徐々に形成されていく。
しかし元気で、何も知らない元気な子と、一緒に居たいのに別れなければいけない。
こんなひどい世の中に誰がしたんだろう、という恨み言は言わない。俺がしてきたことの結果だ。
力が足りなかっただけ。

あとどれくらい一緒に居られるか解らない、その間は変わらずに抱いて、一緒に寝てやる。
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はじめまして。
やまださんが生前の時から拝見させていただいてます

今回のユキちゃんの件

非常に残念です。

ユキちゃんと離れてまで京都に居なきゃならないのですか?

野良猫であったユキちゃん 耳が不自由で せっかく家族になれたのに知らない人に慣れるのでしょうか?

他人がとやかく言うのはなんですが、残念でたまりません。

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Re: No title

Re: No title

こんにちは。原画について色々アドバイスをありがとうございます。
自分もしかるべき研究機関や学術機関への「寄贈」は考えました。
まず第一に、なんといっても地元であるし、勤務先でもあり、マンガ学部のある京都精華大学。
ですが、スパッとご縁が切れたような形のようですし、管理体制もよく解らないのでやめました。
何より当時、原稿が手元にないと、連れ合いの本の復刊ができませんでした。
今も全ての復刊を諦めたわけではないので限りなく困難とはいえ、そういう意味で手元で管理しています。
おっしゃる通り、資料の整理、リストアップ等、かなりの労力が要るし寄贈先の受け入れ体制もよく
調べ、打ち合わせてからでないと心配です。
リストアップは彼女の死後から復刊前に全てを新たに袋に分け、摘要を調べ、書きまとめました。
それは「やまだ紫クロニクル」というサイトを作って公開しましたし、手元にある原稿に関しては終わっています。
しかし何と言っても受け入れ相手ですね。
お話のように、W大ですらそういうずさんな体勢があるとお聞きするとちょっと不安です。

とりあえず、自分が生きているうちは自分のところに置き、自分が死んだ後は、次女と相談し、友人の古書店主にお願いして、母の原稿を手元に置きたければ引き続き保管し、置ききれないものは古書店主が倉庫を使っていいと言ってくれています。そのあたりは実子である次女に任せる、と打ち合わせ、書面にも遺して交わしてあります。
色々とご心配いただいてありがとうございます。
日々、どうしたらいいか、自分が死んだ後のことを考え、ほとんどの事は書面に書き起こし、保険なら証券と一緒に、大家さんへの連絡方法、全て一つお大きなファイルにまとめてあります。もう2年くらい前にそれも終えました。

あとは、猫のことだけが心配だったのです。
一緒に暮らすのが最善。そうに決まってます。それが出来たら一番いいし、望んで手放すわけがない。
俺のブログをずっとご覧いただいていたとしたら、それは理解していただけると思うんですね。
こと、ここに至り、ペット可物件でできるだけ病人がなんとか暮らせる場所をどれだけ探したか。
不動産屋にも電話もしたし、知り合いにも当たりました。大家さんにも連絡しました。
結果、「うちが引き取るのが一番いい、あんたは寂しいだろうけど自分の体のことだけに全神経を使え」
と実家が言ってきました。
決心したとはいえ、今でも、この段階でも何とか猫と暮らせないかと模索してます。
京都在住のご夫婦が、自分が出る後の町屋はどうかとか、親切に声をかけて下さったり。
しかしユキの大音声は大家さんが黙認しても、周辺の住人から苦情が出るでしょう。
つまり実家という一軒家か、あるいはこちらで一緒に暮らすなら防音のしっかりした一軒家かマンション
ということになります。今の高額な家賃は、防音の面でもユキと暮らせる環境であったのです。
そこにもう、暮らせない、家賃が高くて払えない。
その先に、もっと安くて今の部屋なみに防音がしっかりしていて猫と暮らせるところがあるのか、という話なんですが、本当にここに至までどれだけ考えたか、調べたか。
理解してもらえない人もいるのが残念ですね。

承認待ちコメント

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心配しています

ユキちゃんのことは残念だけれど、致し方ないでしょう。お母様なら大切に飼ってくださるでしょうから、安心ですね。
それより白取さんのことが心配です。前にご実家にお帰りになればと書きましたが、お兄様に妥協して頂いて何とかならないのでしょうか。北海道は寒いけれど、家の中は暖かい作りになっていると聞きます。ご実家かご実家の近く、または知人がたくさんいらっしゃるであろう東京にお戻りになるとか。。。やはり何かあったら身内しかいません。ひとりは辛いし無理があります。おせっかいを申してすいませんが、このところのブログを読み心配していました。白取さんにとって、いい方向いい道が見つかりますようにいつも願っています。

No title

「察する」という事ができない人が多いね
大変ですね

No title

会いに行くという手があります。
会いに行く、という目標が、あるいは気力の源になるやもしれません。

原稿の件、安心しました。私は考えすぎていたようです。その存在が支えになっていらっしゃるのかもしれませんね。
闘病の障害になるのでは、と思ってしまった事、恥ずかしく思います。
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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