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2012-07-14(Sat)

舌炎

2012年07月14日(土)
おとついあたり、舌の表面がビリっとすると思って見たら、小さく赤く糜爛したようになっている。化膿したらまずいと思いアルコール綿で消毒、激痛。口内炎・舌炎の軟膏があったので塗るが、にちゃにちゃして気持ち悪い。
昨日になっても治らず、というよりちょっと広がっている。

免疫力が落ちている人で、俺のように抗真菌薬を服用している患者の場合、口腔内の常在菌のバランスが狂ったりして、口腔カンジダになったりすることもあるそうだ。(これは以前から医師より聞いていた)
そりゃあ、カリニ肺炎にやられるくらいなんだから、カビにやられてもおかしくはない。いずれにしても軟膏塗布で様子を見ても治る見込みはなさそうだが、あいにくと三連休になる。

前に住んでいたマンションの下には、糖尿が専門の井原先生がクリニックを開いておられる。この連休でも土曜の午前中は診療されているか電話で聞いてみると「通常通り」とのこと、土曜の朝イチで行くことにした。

さて、今朝は7時くらいに起きて、いつもより念入りに口腔ケア。赤い糜爛部分は1.5cm×1cmくらい。
病院は9時からなので、8時半ころ部屋を出る。縄手を上がって来るタクシーをつかまえて、高野まで向かってもらうが、やはり途中バス停を見ると、すでに観光客のグループがちらほら出ている。
今日から三日は祇園祭でも特に盛りあがる連休だ。こちらはとにかくまず体が第一、感染予防、というより今は舌だ。
黙っていればズキズキ痛んだり、うずいたりするわけではないが、舌の表面が完全に剥離しているので、刺激が与えられると激痛が走る。要するに真皮剥き出し、みたいなもんだ。
長くお付き合いいただいている人ならお判りだと思うけども、俺たいがいの痛みに耐性出来てますが、でも、痛いのは嫌です。嫌なものは嫌。

いはらクリニックへは9時数分前に到着したが、すでに数人の患者さんがお待ちであった。
受付の懐かしい(?)顔見知りの女性らに新しい保険証と診察券を出して、受付をしてもらう。問診用のメモに舌の糜爛と書いて待つ。
しばらくして診察室へ入り、世間話もそこそこに、舌を見ていただくが、一目見て「ああ、これは大学病院行ってもらった方がいいですよ」と言われてしまった。
まず舌の表面を検査して、何かに感染していないかどうか調べ、感染していればそれに対する薬、してない=単なる口内炎的な舌炎であればそれに対する薬になる。要するにちゃんと検査して対応せなあかんと。
で、俺のような免疫抑制患者の場合、確かに口腔カンジダに感染する人もいるのだが、抗真菌薬を飲んでいるわけだから、表面の菌をまず調べないと。(どんな処方薬を服用しているか記録してある「おくすり手帳」をちゃんと持って行きました。偉いな、俺)

となると、まずは今そこにある痛み、糜爛部分を保護してやらないといけないので、普通はステロイド軟膏を塗る。けれどもステロイドは免疫抑制患者には禁忌である。ここでうーん…とちょっと先生考えつつ、それでも
「まずこれ痛いですもんね、上皮が完全に剥離しとるもんなあ」ということでとりあえず患部を保護するような軟膏を処方していただいた。
「食後に口の中を洗って、患部に塗っといて下さい。あと寝る前も」とのこと。
口腔内に使用する薬剤だから、飲み込んでしまっても問題ないそう。

井原先生には連れ合い…三津子の生前からお世話になっていた。不思議なご縁の話(嬉しいお見舞い 2010/8/6)もあったり、引越前には奥様がわざわざ部屋まで来て下さって、スカーフと心のこもったお手紙も下さった。患者さんも待っているので、世間話もそこそこに、
「自分の状態、病気も、ここに暮らしていた時のことも含めて知って下さっているので、これからも『かかりつけ医』になってください」とお願いして出る。

会計をし、開いたばかりの調剤薬局で顔見知りの薬剤師さんに軟膏を貰い、ついでにイソジンうがい薬も買う。その時点で9時半くらいだったか。
買い物して帰ろうかと思ったが、何しろこの舌である。何が食えるかって、熱いものだめ、固いものだめ、刺激のあるものダメ。
冷や飯とか、そうめんのネギや生姜抜きとか…考えていると買い物するのもバカバカしくなり、そのまま206のバスで帰ることにした。帰りはこの辺はまだ混まない。窓際に座り、マスク装着を改めて確認。今日はさほど暑くないせいか冷房が効いていないので、マスクをすると暑い。というよりこの季節のマスクは本当に煩わしい。
案の定途中から混み出したが、無事帰宅。

さっそくイソジンで念入りにうがいをし、歯を磨き、何度も口をすすぎ、糜爛部分に軟膏を塗る。
ぬるっとしていて、ゲンタシンよりひっつきやすい。
そのまま口を閉じて、しばらく仕事をしていたら、舌の軟膏塗布部分と口蓋の上部がひっついたようになってしまった。
あれ、と思って舌をうごかしたら「べりっ」という感じで剥がれて痛い。鏡で見ると、少し血が滲んでいる。
しょうがないのでもう一度口腔ケアを繰り返し、軟膏を塗り、今回は口を閉じたまま、口の中で意識的に舌を浮かせているように努める。
するとヨダレが溜まってくる。いや汚い話ですいません。
これを出さねばならないのだが、ヨダレを出す場合、どうしても舌と歯が接触してしまうので、洗面所へ行って首を糜爛側と反対に傾け、指を突っ込んでダーッと出す。ヨダレねえ…。あ、この時「謎の彼女X」は思い出さなかった。そんな状態じゃない。
たかが舌の表面に出来た炎症…というか糜爛くらい…と思わなくもないが、病院へ行かねばならないことを考えると憂鬱だ。何しろ予約無しでの診療なら半日仕事になる。そのほとんどが待ち時間だ。
腹が減ったので何か食べたいが、この状態では食えるものは限られており、それらに今、食指が動かない。じゃあとりあえずスポーツドリンクでも飲んでおくかと思い、ちびちびと飲む。500cc飲んでしばらくすると下痢。
はいはいはい、今度は下痢ね。ヨダレだの下痢だのほんますんません。

尾籠ついでにいえば、普通の人が「きつい」という慢性的な激しい下痢など、俺にとっては長年のありふれた日課だ。何か喰えば押し出されるようにすぐに下る。
本当は晩酌、特にビールなんかいけないのはもちろん知っているが、それだけが唯一の愉しみだ。ささやかな、本当に小さな喜びじゃないか。で、飲む。翌日は必ず激しい下痢で、トイレへ数往復する事から始まる。そんなことがもうずっと普通の「日常」だ。

元もとのベースが、何しろ免疫抑制にある「癌患者」である。
元もと「こんな状態でなぜ生きてなきゃいかんのか」という疑問を日々、自問している状態である。
その、普通の人よりも遥かに極限の、生き死にの際、エッヂのところに俺は立っているんだろう。
だから、普通の人には「たかが下痢」「たかが口内炎」「たかが頭痛」「たかが目眩」などの「些末なこと」でも、もう、本当に、ほとほと、いっそ「あっち側」へ落ちてもいいんじゃないかと思えてしまうのだ。
目を瞑りエッヂを足で蹴ってしまえば、ひょっとしたら楽になれるかも知れない。
でも、やっぱり自分からはそれが怖くて出来ない。
意気地がない。
(「自殺することは<勇気>じゃないですよ」的なお叱りはもうたくさんいただきました)
意気地がない、怖いというのは「あっち側」がブラックホールみたいな漆黒の闇のようなもので、全く窺い知ることが出来ないから。

よくこういう事を言うと、俺が死んだら「奥さんが悲しみますよ」という人がいるが、本当にそうだろうか。
三津子がもし、これほどまでに苦しむ俺を見ているのだとしたら、
「もう楽になりなよ、もういいよ」と言うんじゃないか?

あの人は「苦しいだろうけど頑張って」なんて事は言わない。
本当に苦しみの中、もがき、本当に歯を食いしばって頑張っている人に
「そのセリフ」を言うこと
が、一体どれほど残酷であるか、彼女はよく知っていたからだ。
本音は死ぬのが怖いから、死にたくないというのが正直なところ。

死んだら本当に今より楽になれるのかが解らない。
生きていれば今よりマシになるのか、それも解らない。
でも死ねば今よりマシになるのか解らないから、同じことだ。
それだけの理由で、死ねない。
深刻ぶるなよ、生きてればイイ事あるかも知れないジャーン、みたいな軽薄・お気楽な性格な人が心底羨ましいし、そう考える方がたぶん楽で、実際その方が正しいだろう。

若い頃、自殺するヤツは馬鹿だ、弱いと思っていた。自分が若く健康である事に何の疑いも持っていなかった。ただの無知・想像力が不足していただけだった。
生きるのが、「生きているという事そのもの」がこれほどまでの苦行であるとは、思いもしなかった。
この先本当に何かいい事があるのかねえ…。
そうだ、明青さんのうまい飯がまた食いたい。
せっかく呼んでくれた劇画狼のイベント(「このマンガがひどい!劇盛」)もあるし、また串揚げ屋で一杯やらなきゃ。あ、次はこっちが奢る番だ。
他にも…何かあるかも知れない。

ま、うだうだ考えてもしゃあないしとりあえずビール飲むか…と思ったら舌にアルコール+炭酸は地獄のような激痛で、一口一口が拷問であった。(ていうかこういう状況でビール飲むとか我ながらキチガイ沙汰)
やっぱり苦行だ畜生。
そうか、とりあえず舌炎治してビールをゴクゴク「うまい!」というのをモチベーションにするか(笑)。
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Re:

あー舌痛いわー、ちょっとなんか触っても痛いわー、何も食われへんわー、プシュッゴクンでズキーン!
…コントか、と(笑)。
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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