2012-12-09(Sun)

白血球数700

2012年12月09日(日)
…と、いうわけで前回(薄皮人生)病身には忙しくとも充実した日々をご報告した次第ではありましたが、翌日3日は月例診察日で御座いました。

前後のもろもろは省くとして、結論から言うと白血球数は700。
また最低記録更新してしまった。ちなみに正常値は俺の年齢だと3000から9000の間くらいだろうか。
普通4000とか、俺も癌宣告を受ける前は5500とかだったと思う。
キラーT細胞も好中球もガッチリ「治安維持」をしてくれていたんだろう。

今回、最初の呼吸器内科のI先生が開口一番「白血球数が700になってますねえ」と言うので、驚いて「エッ!?」と言ったまま一瞬固まった。
いや、まあ先月800、今月700と考えれば恐ろしいが、来月普通に1000という事もあり得る状態だし、長~い目で、それこそ7年というスパンで見ると細かい上下をしつつゆるやかに下降している感じではある。

ちなみに今年5月からの推移は
1100-1300-1200-1000-900-800-700…
アレッ? これってやばくないですか?


…7年というスパンで見れば、200や300の上下で驚いたり動揺したりする事は近年あまり無かった。
しかし700は、先月に続いて最低値更新だ。この減り方はちょっとまずい…んじゃないかな、と思う…思わないでもない…かも知れない。いや俺医者じゃないし、血液の専門家でもないし。
I先生は「日和見感染とか気を付けないとあきませんねえ。とにかく血液の方(の所見は血液内科の)、K先生によく聞いて下さい」とのこと。

WBCが700って、じゃあ好中球数はなんぼだ、CD-4はいくつなんだよ…。
聞くのが怖い。(CD-4についてはググるといくらでも解説が出て来るので免疫(CD4リンパ球)ってなんですか? - 国立病院機構 九州医療センターとか見て軽くおお!とびっくりして下さい。ちなみに俺はHIV陽性患者ではなく、リンパ性白血病により正常な血球が作られず、免疫が落ちているわけですが、結果として後天的免疫不全であるということは似たようなもんです。ちなみに2年前、ニューモシスチス・カリニで入院した時のCD-4は230しかありませんでした)

肺のレントゲンの所見と呼吸音は異常無く、先生も「肺はとてもいいですね」ということ。
口腔から喉も見ていただいて、やはり日和見感染対策…口腔カンジダの薬とうがい薬も継続。
肺は恐ろしいニューモシスチス・カリニ対策は薬剤吸入という形でずっと続けているが、そこら辺に「常在」しているウィルスや原虫や菌類は無数にあるし、恐ろしいのは肺炎だけではない。代表的な真菌類対策の薬、ヘルペスウィルスへの抗ウィルス剤以外は「無防備」。
今さらながら、とにかく「防疫」に注意しつつ暮らさないと。
割合うがい手洗い、それから周辺環境の清潔には気をつけている…と共有する受話器やドアノブなどを触った後は手をアルコール消毒している事などを告げると、先生は
「とにかく手洗いですよ。それが一番早いし確実です」とのこと。
これは健康な皆さんにも言えることです。

とにかく風邪かな、と思って咳やくしゃみが出たら、まず率先してマスクをし、周囲の人に飛沫感染をさせないこと。周囲の人とドアノブや蛇口、電話機など「共有」部分を触ることがある人は、自分が風邪なりインフルなりの感染者である事を自覚して早めに周囲にそれを告げること。あとは普通に閉鎖空間のオフィスなどでも、空気清浄器や加湿器などで感染のリスクは低減できる(湿度を保つことは重要、乾燥はヤツらにとっていい環境)。

次回は仕事の都合もあり、年明けにしていただいた。
薬の中には30日分しか処方できない類もあるので、不足する分は早めに事情を知って下さっている、前のマンションでお世話になっていたI内科にお願いしないと、正月休みの間に眠れない日が出てしまう。
何度も何度も同じようなことを書いているが…
それは、自分のような状況に新たに陥った人の目に触れやすいためもあって、意識的に繰り返している部分もある。
癌告知、余命宣告を受けた人は不安でしょうがないから、当然今の時代はそれこそ寝食を忘れてネットで情報を探す、しかしそこは嘘やデタラメも混じった玉石混淆の世界。
俺が書いていることも医学的にはおかしな事もたくさんあろうが、でも、紛れもない「癌患者の日常」である。
それを続けている人間の精神状態であったり、到達した考えであったり、経験の積み重ねであり、得た知識や伝えられた情報だったりもする。
これは事実。
嘘いつわりのない、厳然とした「事実」なので、医学的根拠とかエビデンスがどうこうじゃなく、俺という人間はこうだ、こう思った、こういう経験をした…ということが何かの参考になれば…と思って記録し、残している。それだけのことで、それ以上でもそれ以下でもない。


まあ「いろいろ」」大変だよ、こんな体で生きていくのは…。

そう思ってぼーっと病院の回廊から眼下に巨大液晶のテレビ画面を眺めていると、再び睡魔が襲ってくる。
なかなか呼ばれないなあ、先に吸入行った方が良かったかな…とうとうとしながら考えていて、はっと思い出した。ああ、血内は受付に前の診療が終わったと親告しないと飛ばされるんだった…がっくり。
30分以上無駄に待ってしまった。
こういう時間の無駄って本当に無駄。何言ってるかよく解らんくらい無駄。

すぐ受付に診察票を出し、「前の診察終わりましたので(ただし30分以上前)」と告げ、K先生にお伝えしますとにこやかに応対され、外待合でぐったり待つ。幸い20分ほどで呼ばれたので、診察室入り。

K先生も開口一番、「白血球数が…」。
こちらも「はい、やっぱりこれはMARKとかでちゃんと調べる方向でしょうか…」と恐る恐る聞くと、
「いえ、でも改善されているのもあるんですよ、好中球数とか…若干ですが。あと赤血球も少ないとはいえ、それほど深刻なレベルではないですし、やはりリンパ球だけが低いと言いますか。ちゃんと血はある程度作られている様子はあります、ただそれが例えば脾臓に溜まっているとか、そういう事は考えられます」ということ。
「あとこちらの数値(前回間に合わなかった可溶性IL-2レセプター=自己免疫疾患における活動性を示す、いわゆる腫瘍マーカーみたいなもので、簡単に言うと「高いと悪い」という事)も改善されていますし…」と、別の用紙もプリントしていただいた。

もう前任のI先生時代からこのK先生も「不思議ですね」と何度も言われている容態なので、当の本人も「そうですね」としか言えない。
総合的に判断し病気が大きく動いた、動く、という事ではないそうなので、わざわざ辛い検査をするまでもないという。内心少しホッとした。
あとその他の数値についても少し説明を受け、炎症反応=CRPが0.5と少し上がっているので、もし熱が出たり、何か異常があったら様子を見ずに、すぐ来院すること、と言われる。
何しろ風邪やらノロウィルスやらインフルエンザやら、日和ってる連中よりも遥かに手強い、つまり健常な人でさえ下手をすると命を落としかねない「無法者」がのさばっている。こっちはもし感染して発症したらひとたまりもない。
「日和見感染」は健康な人なら何でもないものが原因で、それまで免疫という「警察」が機能している間は日和っていた程度の「小悪党」、つまり菌やウィルス類がのさばって悪さをするというもの。だからといって、異常を体感した時にはすぐに対処しないと、あの帯状疱疹劇症化(帯状疱疹悪化で一発入院)や、カリニ肺炎での入院に直結する。
帯状疱疹の場合はわずか1mmの疱疹が出来た段階で「これは!」と気付いた。すぐに薬を貰って対処したのに、「普通の人向けの対処」では全く「悪党」に勝ち目が無かった。薬=援軍が足りなかったのだ。
おかげで体はケロイドでズタボロである。もう銭湯や温泉には行けない。ツギハギだらけにケロイドだよ。子どもが見たら泣くと思う。

脾臓の大きさも触診していただくが、大きさに変化はなし。ただここまで巨大になると、
「支えて歩くのも大変でしょう」と言われるので「妊婦さんみたいな腹帯で支えた方がいいですかね」と半分冗談で言うと、
真顔で「あ、その方がいいですね」と言われた。
嫌だなあ、「妊夫」って…映画じゃないんだから…と思いつつ、診察室を出る。

その後処置室へ戻り、いつも猫の話をする看護婦さんに吸入の旨告げ、「電話ボックス」内で30分吸入。
いつもは涙鼻水ヨダレ吐き気地獄だが、今日はそれほどでもなかった。むしろ「悪党死ね」と思いつつ、いつもより深く意識的に薬剤交じりの霧を肺に吸い込む。

終わって会計のため、一階へ降りると長蛇の列。久しぶりにS字プラス1列に尻尾つき、という状況。
列自体はじりじり、確実に進み、テレビを見て端末が鳴るまで待ち、金を払い、処方箋を薬局に送信してもらい、電話で「明日の午前中に配達」を依頼。
レストランへ行くと8割くらいの入りだったので、すぐに入ってメニューも見ずに「醤油ラーメン」500円、を注文。
久しぶりに食えた、京大病院の醤油ラーメン。(こちら参照=京大病院の「醤油ラーメン」
本当に関東では当たり前だった、普通の醤油味スープに、かん水風味のちぢれ卵麺。麺が前と変わったか、ちょっと今一つな感じがしたものの、やっぱりうまい。具もチャーシュー一枚、海苔、シナチク、ナルトに青ネギと過不足無し。

外に出ると日射しが眩しい。暖かい。
まあ月並みですけど、生きてるってこういう事を実感することだと思う。
なんて事ぁないもんを食って「うまいなあ」とか、お日様を見て「あったかいなあ」とか。人の親切を「有り難い」とか他人にも優しくありたいとか…まあそこまで行くと「おいおいお前そんな立派な人間かよ」とツッコミが来るのでやめておこう。

格好つけようとしたって、これまで全部さらけ出して生きてきたんだから、今さらどうしようもない。
死ぬまで生きるしかないのが、人生ってもんですハイ。
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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