2013-09-18(Wed)

現実逃避

2013年9月18日(水)

依然、椅子に座ると絶妙に痛い部分に傷があるので、ほぼ寝たきり生活。
ついでに言うとオムツ生活でもある。
別にプレイとか好きこのんで、ではなく仕方なく。

ざっくり切られた傷の痕は縫合されていないので、綺麗に洗い、軟膏をたっぷりと塗り込み、滅菌ガーゼで塞いでテープでカバーするという「処置」を一日最低二度はしなければならない。
この軟膏であるが、抗生剤などが入っているちょっと最初は固めのものだが、混ぜると柔らかくなり、体温で絶妙にとろける。
そして黄土色という絶妙な色である。
それがガーゼを通り、テープにも染み出してくる。

だから普通に下着を履いていると、つまり、そういう部分にそういう色の染みが付着することになるし、大体トイレのたびにはがし、処置をし直しとなるわけで、そうなると洗濯物が溜まって仕方が無い。
ならばいっそ入院中から引き続きオムツを使い捨てた方が遥かに楽…という身も蓋もない状況です。ええ。

救急外来へ駆け込んで入院、一週間近く抗生物質の点滴を受け、その後一週間ほど経口でも飲んでいたが、まだ傷は完全に治っていない。ていうかまだ時々血が滲んだりする。ここで再び感染などしたら大変なことになる気がするのだが、いいのだろうか…。

と、いうような状況の中明日はMARK(=骨髄穿刺検査)を受けに病院へ行く。
ちなみに6年前、日大板橋病院で受けたMARK(マルク、と読みます)の模様はこちらの日記に記録してある=(MARK(骨髄穿刺)に行ってきた)。

癌の進行度、抗癌剤(新薬)が効くのかどうか、いろいろ調べるために細胞も採取する、いわゆる「痛いほうのマルク」だが、どっちも普通の人が想像する「痛み」の感覚を超えてるというか、違う種類。
細胞を取られる方は、声が出るくらいに本当に痛い。かなり、痛い。

俺も胆石発作、それの摘出手術、帯状疱疹、その劇症化、気胸、胸腔ドレーン、肺内部の組織採取と縦隔胸腺種摘出手術、このたびの外因部膿瘍などなど、まあ痛いことはたいがいやってきた。
もう筋肉注射とか、採血とか、点滴のルート取りとか、全然蚊に刺されるくらいの感覚で痛いうちに入らない。

マルクの場合の「痛み」は細胞を取られる「痛み」と、通常の検査の吸引される「嫌な感覚」の2種類あって、ひとことで「痛い」といっても色々ある。

両手の皮膚がもう薄皮一枚くらいに薄くなり、指紋がほとんど消えているが、ゆえに、コピー用紙なんかスッと障ったら切れてたりする。こないだはペットボトルのフタを開けたら、パキッと残った部分のプラの角で切れた。こらあかんわ…。
この皮膚が薄くなったのは2005年に確定診断=癌宣告という奴をされる以前からで、今にして思えば白血病あるいは何らかの血液腫瘍の疑いがあると胸部レントゲンと採血で指摘された時点で、脾臓はすでに巨大化していたのであり、とすれば、もうそれより数年前からじわじわと発病していたのだろう。

まだ専門学校でバリバリに先生として教壇に立っていた頃、明治通り・学習院下の信号を渡ろうとして、ほぼ道路の真ん中でステーン!と転んだ。前のめりだったのでかばい手をし、赤信号になりかけだったのですぐに歩道に走り込んだが、とおりがかったガイジンがもの凄い怯えた表情をして「You! allright??」みたいなことを言ってきたので「大丈夫大丈夫」と言った自分の手は、皮が一枚ペロリと剥けて垂れ下がり、真皮剥き出し血だらだら、であった。すぐ学校の事務室へ行き、これなもんで今日は休講にしますと告げ、すぐ病院へ行ったっけ。
あの処置も地獄だった。
まず真皮に刷り込まれたアスファルトやら地面の細かい土埃みたいなものを、流水で洗い流す、これだけで「うほほほほ」と声が出るほどの激痛。
さらに生理食塩水をかけつつ、ピンセットで大きな塊をつまんで取り除いていく。これも激痛。
最終的には手の皮が薄すぎて縫合出来ないので、ネットみたいなのを貼られ、軟膏とガーゼで塞がれ包帯ぐるぐる…みたいな感じだった。
実は全く同じことを別な場所、池袋東口でもやったことがあり、この時はとりあえず交番へ行ったら救急車を呼ばれた。恥ずかしかったなあ。

…と、自分が受けた数々の「痛いこと」を思い出してみるが、やっぱりどれもこれも比較できない、序列のつけられない「痛み」で、いわゆる普通の激痛度でいうと胸腔ドレーンが胸膜を突き破って入って来る時だろうか。要するに普通に肺の中まで刺されてるわけで。

それと説明し難いのだが、史上最強の痛みは帯状疱疹の劇症化時。
普通の皮膚にポチッと疱疹がいくつか出来ただけで、凄まじく痛いアレだが、自分の場合は通常の薬の量では太刀打ちできず、あっという間に水疱だらけのズルズル血だらけケロイド状態になって死にかけた。
切る、刺されるという痛みではなく、歯科医などで時たま麻酔効いてない神経をいじられて飛び上がるという経験があるだろう。要するに、神経がヘルペスウィルスに内部から食い荒らされていく筆舌に尽くしがたい痛みで、とてつもなく痛いのに、気持ち悪さやむずむずする感覚、時おり内部を鋭利な刃物で切られるような感覚などがまとまって襲ってくる感じ。
ロキソニンやボルタレンなんか当然効かず、オキノーム、オキシコンチンでも抑えられず、ソセゴンを落とさないとケロイドの洗浄すら出来なかったっけ。
その最後の最後、もう治りかけと思っていた夜、ウィルスどもの断末魔とも言える最後の激痛が凄かった。
鼠蹊部で核爆発が起こり、その爆風がじわじわと上がって来るという激痛具合で、息が止まった。
その「爆風」が心臓に達したら死ぬ、と本気で思い、震える手でナースコールを押して…というあの夜のことは、今でも思い出すだけでゾッとする。(入院5日目 夜、激痛で死を感じる
もう二度と御免だ。ていうか次は本当に死ぬと思う。

…なんでこんな「痛い話」をずらずら並べているかというと、ええ、明日のMARKが嫌で嫌でしょうがないからです。
痛いことを人の何十倍経験していても、痛いものはその都度痛い。嫌なものは嫌だ。
なのでこれまでの痛かったことを思い出して、中和させようとしたのだが、余計憂鬱になっただけであった。
(ここまで横になったままワイヤレスキーボードで打ち込んでいる自分も大概どうかと思う)

はい、明日、MARK行ってきます…。
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コメント

本当に痛そう

読んでるだけで痛みがひしひし伝わってきます(想像レベルでしかないけど)
お大事に!!!

Re: 本当に痛そう

いつもありがとうございます。
今日のMARKは、今までで一番痛くなかったです!!
先生が丁寧に麻酔の効きをみながら徐々に進めてくれて、一度固くて取れず新しいところを穿つということになりましたが、結果的にそこがベストの場所だったようで、良かったです。

しかし今日、一番痛かったのは…
帰りの会計3万円超え!!で御座いました。

はじめまして。わたしは原因不明のcfs症状が年々悪化し、体調ひどく、ただ今は検査上数値は特になにもなく、ただ子供に何か母子感染させてないか、懸念してます。
そこで、色々検索していて、闘病のブログを拝見し、思ったのですが、奥さまを珍しい病気でなくされてるようで、何かウイルスに夫婦間で感染したという可能性はないのでしょうか。抗がん剤等つかってられるか文面からわかりませんが、ウイルス感染が仮におおもとの原因としたら、グリベックとか抗hiv薬などを購入して、試してみるというのはどうでしょうか。例えば数週間とか。それくらいだったら特に害はないと思うのですが。

私はあまりにもcfsの衰弱がひどいので、海外の文献を調べたりして、何度か薬を試してきました。
次は試しにvalganciclovirという体内のヘルペスウイルスを抑える薬を飲んでみる予定です。危険ですが、数週間とか試してみる予定です。
四百四病あるといいますが、奥さまを原因不明のご病気で先立たれ、なにか互換性があるのでは、と素人から見て、思いまして。
というのも10年前に知人男性から暴行をうけ、翌日から様々な症状がでて、詳しくはかけませんが、私は子供が健康に育つか心配してます。
余計なことをすみません。検討ちがいでしたら、デリケートな話に他人がコメントし、ごめんなさい。



Re: タイトルなし

私の場合はよく読んでいただければ解りますが、白血病の症状の一つである
汎血球減少の中で、白血球の減少があり、免疫が低下し、易感染状態にあるということです。
ちなみにこの血液腫瘍に連れ合いの病気は一切無関係です。
帯状疱疹を発症したのは、私が小さい頃水疱瘡(水痘)にかかったためで、その時のヘルペスウィルスが脊髄内に潜んでいただけの話です。他の人にも水痘経験者ならいるはずです。
これが加齢時など免疫の低下した患者の体内で増長して、暴れ出すのです。
免疫力はストレスや疲労などでも低下するので、よく過労の人で中年期の人が帯状疱疹を発症するのはそのせいですね。でも普通の人なら、今はちゅっとお高いですが薬を1週間服用すれば完全に治せます。

それと私のT細胞性の癌は、九州地方に多いと言われるウィルス原発の白血病とは、全く無関係です。
ちなみにそのグリベックは全く違う薬ですので、おそらくこちらの病気には適合しないと思われます。
現段階で効く…かも?というレベルの薬にフルダラビンというのがありますが、これにしてもリツキサンにしても自分の型には未知数で、あくまで入れてみて反応みて…くらいのレベルです。

今ヘルペス自体は、通常のヴィクロックス服用などの対処では到底治らず、劇症化して入院し、一ヶ月以上入院し、脊髄から鼠蹊部にかけてひどいけケロイドが残りました。これはひとえに、白血球減少による、免疫の低下によるもので、同じように口腔カンジダを患っていますが、これも誰の口の中にも居る菌たちの常在菌バランスが、常用している抗菌剤のために崩れてしまい、ヘルペスウィルスが増長したためです。これを菌交代と言います。

それと誤解されておられるようですが、連れ合いは原因不明の病気で亡くなったのではなく、だいぶ前に膵炎を胃痛と誤診され、それが慢性膵炎となり、1型糖尿病の原因となりました。その後も誤診続きで、何度も救急搬送をしたり病院へ運んだものですが、結局玉突きで内臓が悪くなり、肝臓をいため、さらに右の腎臓摘出手術を行いました。この手術がずさんだったため切開傷の予後がひどく、痛みで七転八倒で苦しみました。
結果的にはこの1型糖尿病の結果、十数年かかって脳出血を起こして突然亡くなったのです。ここ数年はインスリン自己注射でした。

このブログを数年分全部読むのはおそらく不可能だと思われますので、断片的にこちらの情報に触れられたと思います、「何かのウィルス感染」といっても、現在は大学病院など詳細な検査が出来るところであれば、未知のものでない限りだいたい特定できます。ただ依然として「原因不明の病」も世の中にはたくさん存在するのも事実です。
私も白血病宣告を受けた直後、やはり海外文献も含め、さまざまなサイトを探し医学書も買って読んで勉強したものですが、結局、わかったことは「血液腫瘍はすさまじい型があり、しかもそれぞれ患者によっても反応、症状が異なる」厄介なものだということでした。つまり個別個別の事案に対応していく専門家にかかるのが第一条件でした。今はもう先生がたにお任せして、ネット知識でいらん事を詰め込むのは一切していません。
自分も含めて、ネットには不安になるようなウソもありますし、もちろん嬉しいニュースもあります。
一喜一憂、玉石混淆です。
でもそれはそのサイトなりその人に、「自分という患者に自分の病気を詳細に分析してもらい診断してもらった情報」ではありませんので、あまり気になさらないほうが良いと思います(自分も今はそうしています)

病気と戦うというのは、程度の差はあれ、辛いものです。
あまり過去のことでマイナスのことを考えず、どうか治療、日々もご健康にご注力ください。
寒くなって参りましたのでご自愛下さいませ。
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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