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2013-09-23(Mon)

おおかみ書房「アリスの家」

先日フィニッシュ。皆さんはやく予約してね。
と、いうわけで。

先日の骨髄検査…MARK(「現実逃避」)は、K先生の丁寧な麻酔と「なるべく痛みを軽減しつつ行う」という方針のおかげで、これまでで一番痛くない採取だった。その後皮膚科に寄り、経過は順調と見てもらって、会計受付して出たのがドン! なんと3万円超え。痛い。これが今回一番、痛い。
麻酔が切れてきたのか、腰のあたりが鈍く痛み出してきたので、地下コンビニでちゃちゃっと買いものを済ませて帰った。

あとは一日二度の股間(外陰部膿瘍切開痕)の洗浄と処置、一日一回のMARK痕の消毒と保護。
椅子に座って仕事をすると傷の方が痛い、仰向けに寝ているとMARK痕のガーゼがうざい。だが痛いのとうざいのではまあ痛くない方がいいので、要するに基本横になっていた。

土曜、21日は午後からげきがウるふ(なめくじ長屋奇考録)こと「おおかみ書房」(おおかみ書房.com)代表の千葉ちゃんが来宅。
こんな体の状態なので、うろうろ歩きまわるのは無理ゆえ、買ってきた昼飯を家で簡単に食ったあと、さあ単行本作業の大詰めだ。

おおかみ書房第一弾、三条友美先生の「寄生少女」はおかげ様でほぼ目標の一ヶ月(実際は一ヶ月半)で千部完売。
問題は常々彼も言っていたように「次」である。
二冊目も、三条先生の「ホラーM」(ぶんか社)掲載・未単行本化作品の刊行だ。
タイトルは「アリスの家」。
例によって俺は全体の編集協力とデザイン・オペレートとデータ入稿部分などという役割になるが、基本的に大筋の打合せは電話やFacebookのメッセージのやりとりなどで済んでいるし、彼と作家である三条先生の信頼関係は揺るぎないものになっている。
今日は全頁の確認と製版指定、データ入稿部分の最終確認、ツキモノ(カバーや帯など)のフィニッシュ。

今回は一冊目とがらりと雰囲気を変えつつも「二冊並べた時にいい感じにしよう」という一見アバウトながら「あ・うん」の呼吸で了解しているコンセプトで作業にかかった。
実はもう2ヶ月以上前に、三条先生からイラストはいただいていた。こちらがタイトルの書体などいくつかデザイン提示をしたが、どうにもしっくりこない。
でいっそのこと「俺レタリングしようか」と半分冗談で言ったら千葉ちゃんから「じゃあお願いします!」と言われてしまう。
もともとガロ時代、レタリングでアルバイトをしていたこともあるし、沼田元氣さんの連載タイトルや見出しなど「超ワガママな指定」などにも毎号こたえてきた経験もある。もっとも当時は手描き、今はイラレ=ベジェ曲線だが。
タイトルロゴは千葉ちゃんの「何となく黒●事ぽく、ええ感じでお願いします」というざっくりした注文があったので、それっぽく作った。
alice1.jpg

三条先生にも見ていただいて意見を取り入れつつカバーデザインを決め、基本的にはこちらに任せていただいているのであとは進めるだけ…だった。

ところがここ2ヶ月…というより今年に入ってから、たびたび感染症から高熱を出したり輸血したりこの度は膿瘍が出来て切開して入院したりという案配で、俺のところで作業がストップし、発刊が遅れていた。
千葉ちゃんは「いやでもこちらも本業が超多忙で帯文とか考えてへんかったし」と言ってくれたが、これ以上遅らせるわけにはいかないし、色々考えてこのタイミングできっちり上げないと間に合わない。

俺もこういう病気でこういう状況なので、この先どれくらい「編集の現場」に関われるか、解らない。
いつまで「編集者」でいられるか、本当にわからなくなってきた。
気持ちだけは死ぬまで編集者で…と思っていても、実際はただうわごとを言いながらベッドの上で誰にも看取られずに死ぬ、そんな事が本当にすぐそこへ「現実」として差し迫っている。

そんなわけで、いろいろ時間がないのだ。
一応痛み止めを飲んでから尻のあたりのクッションを柔らかいのにして、モニタに向かう。
版下データはちょくちょく作業をしていて、あらかた完成していたのと、本文データ部分も終わっていたので、後は一緒に見ながら最終確認と修正。

今回おおかみ書房は、直販特典=おまけに全く同じ用紙を使った4色カラーの「着せ替えカバー」をつけるという「暴挙」に出た。何考えてんねん、と思ったが面白いので収録作品の中で4本を占める『心霊術師(サイキスト)』をタイトルにしたカバーを作った。こちらも格好良く出来たと思うので、ゼヒ2冊! 買って一冊はサイキストバージョンにして本棚に収めていただきたいと思います。
alice2.jpg

帯は数日前に適当な感じで奴が送ってきたコピー、さすがに二人で改めて「ないね」「ないっすね」というわけで、改めてモニタ前でオッサン二人で思案。
一冊目の「寄生少女」は、おおかみ書房の第一弾でもあったので、やや説明的なテキストを入れた。
だが、今回は何かバーン! とひと言キャッチをでかく入れようという事で一致。
編集は理詰め、である。そして理屈がぶつかり合った時でも「感性」をぶつけ合ってから理性的に決める。
つまり「かっこいい!」「これはちょっと…」みたいな納得。

帯のコピーは「少女への暴力」という、こんなご時世に何考えてんの的なものをバカみたいに大きく載せることになった。
その上に、三条先生が考えたコピーを載せる。
実は最初に三条先生が表4用のイラストを送っていただいた際、けっこうテキストがデザイン的に散りばめて入っていた。
結局それらはせっかくのカッコイイイラストの印象が散漫になるので取らせていただいたのだが、その中の言葉に「少女への暴力」というのが印象的だったので、たまたま帯の表1へ入れてみた。すると千葉ちゃんも「それがいい」「いっそはみ出すくらいの勢いで」というので大きく敷いてみる。
ついでにノリでフィルタでぼかしを入れてみたら、それが存外格好良い。
alice3.jpg


奴がスマホでモニタを撮影してツイートすると、三条先生がさっそく「それはこだわっていた言葉なので入れてもらって嬉しい」とリツイート。
実はこのコピー(というか言葉)は、三条先生が自分の作品について端的に聞いた際、奴がいくつか語った中の一つだそう。その「少女への暴力、とか…」という言葉がいたく三条先生の琴線に触れ、先生が表4案にも入れこんだというわけ。
ただそうした「やり取り」を俺は全くこの時点では知らずに、たまたま使わなかった文字レイヤーの中から帯文にこの単語を選んだわけで、つまりは、そうした「三位一体」的な暗黙の了解がもう出来上がっていたわけ。
もうこれはお導き、である。

カバー、おまけの着せ替えカバー、そして帯。さらにカバーを取ったところの表紙まで、今回も手抜き無しのいい出来だ。
げウ…いや「おおかみ書房代表の千葉君」も、
「正直ね、一冊くらいやったら、素人のマンガ好きが金貯めてね、漫画家と知り合いの編集者に土下座でもすれば、出せると思うんですよ。でもね、クオリティを保ちつつ、すぐに二冊目をキッチリ出すというのは、けっこうハードル高い思うんですよ」
確かに、言う通り。

大手が出せない、あるいは出さない本であっても自分は世に出るべき、出すべきと思ったから、金を出して自分が出す。
出すからには同人誌レベルの本ではなく、商業誌と比べても遜色ないものを、プロの仕事として送り出す。大手と比較してもキチンと勝負になる価格で、印税もギャランティもきっちり支払い、そして少なくとも個人の労働力分の利益も出す…。
作家と原稿、そして本にするお金があれば今のオンデマンド印刷はかなりの高品質になったから、そこそこのノウハウがあれば確かにモノは出来てしまう。
だがプロの作家が商業誌に発表した作品となれば別。
作家に了解を取り、原稿を引き上げ、それなりに原稿を整理し編集者的な仕事をしなければならず、造本から営業までも考えないといけない。作って終わり、ではない。
それをほとんど宣伝もせず、全国書店に流通もさせず、ましてやコミケにも出店せずに、たった一ヶ月で千部を売り切り、さらに同じ年内に次を出す。
すごいぞおおかみ書房。

次にいよいよ最後の作業、アナログ入稿部分=つまりマンガの本文原稿を全ページ確認。
指定を入れていったり、曲がった写植を直したり、脱落していたネームを出力して貼り直したり。それが全て終わると6時前で、けっこういい時間になってしまった。
こちらはあまり動けないので、また近所(徒歩1分)の安いチェーン店でお疲れ様で乾杯。
本当~に、久しぶりに酒を飲んだ…。

この日の作業は疲労もストレスもなく、ついでに翌日の二日酔いも全く無かった。

データ入稿部分をDVDに焼き、千葉ちゃんに無事発送完了。
あとはおおかみ書房が売るだけだ。
今回もアッという間に売り切っちまえ!
Cover_CMYK4c_Fix.jpg

…というわけで、おおかみ書房はこ・ち・ら…おおかみ書房.com
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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