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2015-06-25(Thu)

経過良好なり

2015年06月23日(火)
月曜血液内科、火曜呼吸器内科と連チャンで受診日。
一ヶ月ぶりになる血液内科、採血結果が心配だったが、結果は良好だった。
というより、驚きの好結果で、触診の結果脾臓のリバウンドも見られず一安心。
数値的には

WBC白血球数:1850!!(好中球数68.7%)
RBC赤血球数:3690
PLT血小板数:81000
HGB値:12.1


という、信じられないくらいの好転。
とくに血球減少が止まったあと、順調に上向いて来ているのが有り難い。

「やっぱり脾臓に放射線あてたのが効いたんですねえ」と主治医のK先生もびっくり、という感じ。
どれだけ脾臓が機能亢進でこれまで血を壊していたのか、と…。
京都に引っ越したのを機に京大病院に転院した2007年の秋には、もう脾臓は骨盤近くまで達するほど巨大化していた。
そこからも、腹膜の中を折り返すように膨れて、腹腔の中、左半分の臓器を圧迫。画像で見ても胎児のように不気味な、しかも大きな「モノ」は明らかに異常だった。
それが放射線照射のあと縮小が続き、今では半分くらいの大きさになった。まあ、それでも通常の健康な人の脾臓よりはバカでかいのだが。
ただ胴回りはあまり変わっていない。でも前の脾臓による固い感じから、単なる運動不足による普通のメタボ腹になった感じ。いわゆる中年太り。
「ご飯を普通に食べられるようになったのでついつい…」と言うと先生にも「運動不足になりますよねえ」と苦笑される。
飯が食える有り難さ。
普通の人には当たり前のことが、病人にとっては有り難いのだ。
普通に食欲がある、普通に眠れる、普通に呼吸が出来る、普通に歩ける…。去年、白血病の進行後もっとも悪い状態に陥った時は、まともに歩くことすら出来なかった。抗がん剤では出なかった副作用が、少量だったのに放射線では宿酔(しゅくすい)で苦しんだ。
それに比べれば今どれほど楽か。
…とはいっても別にこうして数値が好転したとはいえ病気が治ったわけでは全くないし、治る方向へ向かっているわけでもない。
免疫力も依然普通の状態ではないので、「これまで通り注意してください、あと運動も急に激しい運動は危ないので」と言われる。
もっとも激しい運動、出来ないし、しないけど。
なんとかこの状態が維持できれば、輸血も不要だし食事もちゃんと採れるので、少なくとも大人しくしていればすぐ死ぬという事はなかろう。
いや冗談ではない、去年の今ごろは「来年の今ごろ生きていられるかな」と本気で心配していた。

とにかく、良かった。

採血結果では、肝臓の数値がなぜか倍くらいに上がっており、ちょっとK先生も「これは何でしょうねえ」と不思議そう。いや酒飲んでないですよ全然、と言い訳みたいに言ってしまった。いや肝臓=酒って発想がアレですが。
先生は「薬もこれまでと比べて量も種類も変わってないですし、ちょっとこれは次回まで様子を見ましょう」と。
で「また脾臓が腫れ出したら放射線を当ててみて…という感じで」ということで、次回も一ヶ月後で良いという事になりホッと一安心というわけ。

去年の入院時に同室で親しくさせていただいた、同じ慢性リンパ性白血病のKさんが、ちょっと前から骨髄移植で入院されている。
前回も様子を伺ったのだが、今回も聞いてみると、まだ個室におられるという。
移植は苛烈な治療。無菌室での「戦い」は壮絶なものだ、市川海老蔵の親父さんが生前「生き地獄でした」と言っていたのは記憶にある人も多かろう。
なので、メールなども返信の手間になるしと思い、自重している。
「夏になったら美山でバーベキューやってビールで乾杯しましょう」と約束した。実現すると良いな、と思う。

今日の呼吸器内科はレントゲンと診察、そして地獄のベナンバックス吸入で、気が重い。
予約時間は11時10分と早い。いや早くはないのだが俺の場合体が起きるまでにアイドリング時間が長いため、できれば午後の方が助かるのだが、我が儘も言ってられない。
病院へ着いて再来受付後すぐレントゲン受付、撮影終わったら11時ころ。ちょうど呼び出し機が診察室前で待てというので、そのまま中待合、10分ほど遅れて呼ばれた。

I先生は電子カルテを見て「昨日の採血でだいぶ良くなってたみたいだけど」と聞かれるので、「脾臓に放射線をあてたら半分くらいに縮小したので、結果壊される血球が減って…」というと「そうですよねえ、でもあてたのってけっこう前じゃなかったですか?」という。
「直後から、効果はしばらく続くとは聞いたし、縮小傾向もその後しばらく続いたそうですので」というと「じゃあしばらくかかって、今グッと良くなってきたという感じ?」というので「そうですねえ、溶血が収まってきて、新しい血が造られるようになってきて、それが廻って…って事なんじゃないでしょうか」というと「なるほどねえ」と言いつつ「保険の方は効かなかったの?」と聞かれてびっくり。
昨日の血液内科受診のとき世間話で、K先生に「線量が少なかったので、保険の放射線治療給付の照射量には満たなかったそうで給付は受けられませんでした」と話した事も記入されていたらしい。
I先生は「まあでも、少なくて効果があったんならいいですよ。また当てる可能性あるわけだし」とのこと。
そうだ、総量というか放射線は当てられる量が決まってるんだよな。「フクイチ」の後処理、除染作業などでもそこら辺計測し管理されている事を思い出す。
ただこれくらいの線量でここまで効果が出るとは、K先生も驚かれてました、というと「なるほどねえ」と言いつつ「でも良かったですねえ」としみじみ言われる。
いやほんまありがたいです。いろいろ。
胸部レントゲンの所見は異常ないようなので、引き続きベナンバックスの吸入をしてって下さい、という事で処方を貰って出る。

処置室へ行くと15分くらい待ってと言われ、廊下でウトウト。
この「ちょっとウトウト」が、前は汗はかくし覚めると「再起動」までが一苦労で、下手すると立ちくらみでしばらく動けなくなったりしたものだ。
それが今はちょい気怠いくらい。貧血が大幅に改善されたので、そこは体感でもかなり違う。
ただ癌細胞は相変わらず9割以上、無事でいる残った少ない造血細胞が懸命に血を造ってくれているのが、巨碑が大人しくなったおかげで流通しているだけの話。もしまた脾臓が腫れ出したら、てきめん数値は悪化する。そうしたら、また放射線だろうか。
そういえばI先生はこちらの帰り際、思いついたように「…今小さいうちに取っちゃうってことは出来ないのかなあ」と言われたので、こちらも「どうなんでしょう…」と返すと「まあでも僕は専門外だから」とそれで終わったのだった。
脾臓って取っていいもんかどうか、割合近年まで「何をしてるかよく解らない臓器」の一つだった。こういう基礎疾患を持っている場合は、取る=摘出することが吉と出るか凶と出るかは判らないし、ギャンブル的な強い治療は今はしない方が、というのが転院当初の先生の見解。実際進行は当時でもじわ~っとかなり遅かったし、まあ先生の指示に従っておけば間違いなかろう。
実際、今回の脾臓への放射線照射にしても、その前にちょっと弱い抗がん剤を使っていた事も効いているかも知れない。効いてないかも知れない。それは知らん。
でも今ちょっとずつとはいえ好転してるんだから、結果オーライ。
慢性のリンパ性白血病で、T細胞性で、これだけの巨碑で、さらにHIV感染してないのにカリニ肺炎になった。そのカリニも、肺の中が穴だらけになるという特異タイプ。正直、何度も「死ぬだろこの人」と思った。
いや、ちょっと手を切ったとか血圧高いとかくらいで大騒ぎする人いるけど、そういうことじゃなくて、「ご家族の方と」と言われて「連れ合いは亡くなったので一人です」と言い、穴だらけの肺の画像と、みかん大の腫瘍を見て手術の必要性をカンファレンス室で聞いた。後ろに立っていた看護婦さんが画像を見て息を呑んだ。説明の後表情が明らかに「お気の毒に」という感じだったっけ。
帯状疱疹でべろべろになった時も、「ああこら死ぬかもな」と思った。麻薬でも激痛で寝られなかった。そういう、まあ本当の地獄を何回も何回も味わった。そのたびに、この病院にお世話になってきた。
心から、自分のこの凄まじい経験が色々と今後の治療なりに参考になれば、お役に立てればという気持ち。

その、カリニ肺炎予防のため処置室でのベナンバックス吸入。
今日はことのほかきつかった。何しろ「煙がまずい」。
何とか月イチ30分間の「拷問」を終えてげっそりしつつ、看護婦さんたちに挨拶して処置室を出て、会計並んで、昨日K先生に薬の処方はまとめて貰ったので今日はそのまま地下のローソンで簡単な買い物。

12時半近かったので、各レジ前は行列だ。患者や家族より病院の医師看護師助手さんの方がやや多いか。
そこで朝昼兼用のおにぎりと、明日の朝のパンを買って並ぶ。
ここのレジは「お先の方どうぞ」方式じゃなく、各レジ前に客を並ばせてるだけなので、それぞれのレジで進み方が全然違うし、間違ってややこしい買い物の人の後に並ぶと、えらく時間がかかる。
ま、こういう時、俺って大概そのややこしい列に並んじゃうんだけどな。こういう昼の激混み状態の時に面倒臭くかつ点数の多い買い物をする客の列に、よりにもよって並んでしまうという。
前の体調ならしんどかったのでだいたい挫折するか、そもそも混んだ時間には来ないのだが、今は大丈夫。こういう「普通に買い物に並べる」という事も、病人には有り難いことなのだ。
実際入院中は車椅子でここに何度も買い物に来た。

その後まっすぐ帰宅。
これでまた一ヶ月、病院へ行かずに済む。これも普通の人には当たり前だろうけど、一ヶ月行かなくていいなんて、本当に信じられない。先月から一ヶ月空いたことも、正直ちょっとまだ慣れてない。
バイタル測定は習慣だし防疫体制などももちろん維持するし、そういった「がん患者」としての生活は患者歴十年にもなれば、もはや慣れてしまっていて別段苦痛でも面倒でもなくなった。
加えて去年みたいに動けなくなっても他人に迷惑をかけないように、水分やおかゆなどの「備蓄」もちゃんとしてある。

あとはストレスを受けないこと、受けないようにすること。人にもよるんだろうが、経験から確実に断言する、ストレスは確実に人を病気にする。そのストレッサーが何かとか、受ける度合いが人によって違うだけで、たぶん「病は気から」的な事はそういう意味なのだろうと解釈している。
健康な人が「普通」だと思っている事が出来ない、それは大変なストレスになる。病気の上にそういうストレスが加わるのは、文字通り「泣き面に蜂」。
生きるという事を何よりも最優先にする。自分の命をちゃんと保つ事で精一杯で、猫一匹さえ他人に面倒を見ていただいて、なんとか生きながらえている。感謝しかない。
食って眠り、普通に呼吸をして普通に立ち歩ける、この有り難さを噛みしめる。
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コメント

No title

本当に良かったです。これからもどうぞお大事にお過ごしください。

先日はご丁寧なお返事をいただいたにもかかわらず、すっかり舞い上がって頓珍漢なコメントをしてしまい、反省しております。かつての写植屋さんのこと、最近の漫画界のことなど、貴重なお話を有難うございました。白取さんの文章力には引き込まれてしまいます。これからも更新を楽しみにしております。でもご無理なさらないでくださいね。

kaoru様

ありがとうございます。

いえ、頓珍漢なのはこっちで…ついつい脱線して本線を見失うのはどうしようもないですね。
検車場なのに(笑)←もともと特急というサイトがあってそのブログ版なのでつけただけなんですが

こちらの思いつき、備忘録みたいな雑文駄文をお褒めいただき恐縮です。でも本当にクッッッソど下手なほとんど直書きの悪文なので、まあ人のメモ帳を覗き見しているような感覚でご覧ください…

漫画やアニメやラノベ以外にももちろんあれこれ、最近は昔のものを読み返したり、見たりしています。晴耕雨読というより晴読雨読ですね。
体力もまだ回復しきってないのでしょうがないです。
まあ、無理せずやります。
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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