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2016-12-28(Wed)

よいお年を!

2016年12月28日(水)


何度も書いている通り、ここしばらくは本当に酷い状況で、熱、便秘、嘔吐、痛み…という四重苦だった。
一日のうちこうしてPCに向かって普通にブラインドタッチ出来る時間が正味合計2~3時間あるかというくらい。大抵は熱でぐったりしている、ぐったりのまま看護師さんが様子を見に来てくれれば対応し、その時少し調子が良ければ話が出来るが、そうじゃない場合は必要な要件のみで後はまたぐったり。

見かねた看護師のNさんが「がんサポ呼びましょう!」とポンと手を打つ感じで提言してくれた。以前も来ていただいた事があるが、この京大病院には優秀な「がんサポート(緩和ケア)」通称「がんサポ」と呼ばれるチームがあり、末期癌や難治性の癌患者のケアをしてくれている。
医師、看護師、薬剤師、臨床心理士などそれぞれのベテランで構成されていて、患者の状況に合わせて看護師と薬剤師だったり、心証心理士が不安解消のために話を聞いたり安定剤を処方したり、いろいろチーム分けをしてあたってくれている。
もっとも患者の中には「癌サポがついたらもうその人は末期」という認識の人がおり、死に神扱いするような失礼な人もいるみたいで、ほんま失礼な話。拘置所に来る牧師かっての。

実際の彼ら彼女らは非常に高いスキルを持ったそれぞれのプロフェッショナルで、こちらとしては本当に心強かった。
俺のところには今回、悩む症状がいくつかあるという事で、前回…初回に医師と一緒にチームで来てくれたベテラン看護師Sさんと、薬剤師さんが来てくれた。もう本当に、助かった。休日を挟んで十日間、毎日、来てくれた。

この人たちは本当に優秀かつ親身になって毎日相談に乗ってくれて、薬の種類、量、組み合わせなどをこちらの体調報告と合わせて微調整をし、一つ一つ改善していってくれ。
一番重要な顔面処置中の痛み、これは麻薬系のオキノームに加えてオキシコドンという怪獣みたいな薬を足してくれたのだが、嘔吐の副作用が酷く中止。
とりあえずオキノームを飲む時間を前倒しし、一番効果が高いと(俺の体では)思える1時間半後に処置が来るくらいの、9時に毎朝飲むという事にした。

あと日中の頭部や頸部、各所の痛み対策。それと、上がったり下がったりでぐったりする原因になる微熱。
この日中高いと38℃台後半、そうかと思えば平熱に一瞬下がったり、だいたい7℃台をふらふらする状況は、病人にとっては両肩を持たれて揺さぶられるような感じで、本当にしんどい。
これらは、がんサポの人と協力し、俺は毎日1時間から2時間置きに自主的に検温し、今出ているロキソニンとジクロフェナク、カロナールの効果を確認することにした。俺のために頑張ってくれている人がいるんだから、こっちも頑張って出来る事はないか探す。両者利害は一致しているんだから、協力し合うのは当たり前だ。
一方的に「治せ」というものではない。

鎮痛解熱に関してはどれも似たり寄ったりの中、解熱についてはロキソニンが一番効果がてきめんで、ジクロフェナクが全く効かず、飲んだ後むしろ上がったこともあった。同じような成分なのにおかしいな、と言う事だが、現実に我が体で証明しているわけで、いずれにしてもこれらは自分の体では効果がないと判断。
しかしロキソニンを常用するのもちょっといい事ではないそうなので、解熱メインでナイキサンという何だか業界の人なら誰でも知ってる人の名前みたいな薬をだしてくれた。ロキソニンは頓服にしてもらう。

これが平常時の解熱に非常に効果があった。両方、何の役にも立たないのがカロナールだった。いや、これも人それぞれだろうけど。ジクロフェナクはとりあえず引き上げて貰い、タイプの違うカロナールをもし飲むなら頓服で、という事にしてもらった。
朝起きたらすでに微熱でぐったり、毎日これがしんどかったし憂鬱だったが、徐々に改善され、今ではほとんど平熱、出ても7℃台の前半までになった。

次にこれまた痩せた上に力むと顔面の創部、浮腫でがっちがちの頸部がおそろしく辛い便秘。
これも薬の種類を増やしたり、ベストの量を徐々に把握して、解決。
嘔吐も吐き気止めを頓服だったものを毎食前に増やして対応。
この嘔気だけは今も残り、どうも排便時に腸が動くと胃の内容物も動き、それに誘発されている気がしないでもないが、俺は医師ではないので推測の範囲。
にしても、ふだんから普通に立ち歩き仕事をし、腸を動かしている人とは違うので、ほぼほぼベッド上、歩いても部屋の中かたま~に病棟内ちょっと、という自分は「動かそう」としてやらないと停滞していても当たり前だ。健康な時は考えもしなかった。

こうしてがんサポや看護師さんたちの協力で、本当にここ数日でようやく、本当にようやくまともな時間がちょっとずつ増えてきた。
先日あったらしいクリスマスと呼ばれる行事の日は、チキンやケーキどころか普通のペースト食であった。それもなぜか食後、朝の処置前に全て嘔吐してしまい、最悪であった。
天気は良かったなあ。
DSC_0019.jpg
▲クリスマス? ふーん良かったですね、という感じ。
まあそれは半分やっかみの冗談だが、ともかく、本線の「癌と闘う」こと以外の日常些末な不快、痛み、さまざまな症状を見事に緩和していただいた。ありがたい。
むろんまだ細かい事を言えばガッチガチの左顔面から頸部、首が動かすのもやっとで、夜になると寝るというそれだけの動作ですら痛む。
でもこれは頸部リンパ郭清し、顔面大工事で経路や神経も寸断されているため、要するに「流れが悪い」のだろう。だから浮腫も出来る。
あと、流れやすい粘膜へ浸出してくる。
夜になるとなぜかどんどんひどくなり、消灯後は数分いや1分置きに袋へ口中の溜まった水分を吐き出す感じ。こんなん外に飲みに行けない。ていうかまあ外に行ける体じゃないけど。

そういうわけで、状況は依然苦しい。
こないだ左首中央寄り鎖骨下あたりのリンパ節、盛り上がってきた。丸く、ちょうど最初の瞼に出来たメルケル細胞癌、そして耳の裏に最初の転移をした時のとそっくりだった。
当然皮膚科の先生が部屋で局麻で生検献体を取っていただいたのだが、結果は年末年始挟むので来年年明けになる。
しかしそれから一週間経たないうちに、その時は無かった、生検取った数センチ先にポチッとまた似たような腫瘍ぽいふくらみが出来た。
ああ、これもそう(癌)だな、と直感で解る。
ていうか間違いない。患者が一番よく解る。

恐ろしいスピードだ。
何とか進行を食い止めてくれていたヴォトリエントだったが、副作用の血管生成の阻害というのが、被弁の内部に強く出て、内側から再び穴が開いてきたので、中止になった。
癌を食い止めてくれていた薬をやめれば、当然ながら癌は進行する。
あれからもう一ヶ月だ。(休薬は11/24)

毎月の入院費やもろもろも経済的にしんどいが、今後の自分に残された時間を考えるのが一番しんどい。
正直、怖いのだ。
誰でもそうだろうし、年寄りの大往生じゃねえし。
俺はまだもうちょっと生きて、もうちょっといい仕事がしたいし、出来ると思うんだよ。だから何とか治らないにしても進行を止めて貰って、社会復帰したいんだよ。だいたいこういう人を見ても「ああでもアカンやろ」と思われるのは知っているし、自分でも厳しい事は承知している。
でもやるんだよ。
じゃなかったら生にしがみつく意味がないだろう。

今ヴォトリエントという薬を使ったら、閉じていた綺麗な眼球摘出痕の被弁が剥がれて穴が開き、毎日地獄のような処置が続いている。麻薬でも入れないと激痛で悲鳴が出る。
当然ヴォトリエントは使えず休薬中。
休薬すれば当然癌細胞が動き出す。
今生検に出ている新たな左鎖骨下のリンパ節からは間違いなく癌が出る。転移だ。
進行を食い止めていた薬を中止しているんだから間違いなく進行する。
とりあえず傷の方が酷い状態なのでそれを落ち着かせるのを最優先とし、今は「次」の薬を開始する時期を模索中だが、もう新年結果出たらすぐになりそうだ。
次はエトポシドというもので、これの最大の副作用は免疫抑制だ。
つまり普通の人ならともかく、ベースに白血病がある自分だと、スタート地点が全く違う。投薬中に免疫が下がりすぎて、いわゆる日和見感染など自分の常在菌が悪さをすることもある。当然肺炎なども怖い。

ところで米国ではいま国立がん研究所(NCI:National Cancer Institute)日本人研究員小林久隆先生の頑張りもあって、近赤外線治療がフェーズ2に入り、効果が良いので数百人に対象を広げ、問題なければ3を飛ばして臨床へ…という事で話題だ。
何年か前にオバマ大統領が演説で賞賛していた治療法であり、これまでのちょっと胡散臭い(悪いけど)のとは違う。

この治験はもちろん米国民対象ですし日本で行われるとしても数年十数年後だろう。長年癌細胞にとりつく抗体を探し、見つけ、後はそれ「だけ」を癌ごと破壊する方法を試してきた。近年その「色素」が見つかり、遠赤外線で色素を癌ごと破壊するという方法。
これは皮膚の上層にある癌には効果てきめんで、その他の上皮内癌にも効くらしい。凄いな。ただ一年後でも自分には無理っぽい。

で、次の薬がもし、免疫が下がりすぎて中止だと、もうやれる事がなくなる。
「手は尽くしました、残念ですが…」であとは全身に転移し、痛みを緩和しつつ死を待つことになるのか。
そう思っていたら、皮膚科のケモ(化学療法)担当の主治医E先生が例のオプジーボ(自由診療で保険不適用ながら一時夢の万能薬と言われた)が比較的メルケル細胞癌に効くという。
ただしご存知のようにこれ、薬価が高すぎて問題になり、厚生労働省が半額に下げろと先日号令をかけたばかり。
まあ無理。
友人に大富豪でもいればいいんですが、残念ながら…。
ただ放置すればたぶん来年のクリスマスに俺はこの世にいないのは確実
なので、先生には
「死んでしまえばそれでおしまいですが、やれる事があり、もし社会に復帰できれば、返すこともできます。使える薬があるなら使いたいです」
とお伝えはしておいた。
いずれにしても、こんなに金がかかるならもういっそのこと…という人が増えるのも無理はない。
過酷なのだ、現実は。

それでもたくさんの人がファンディングに参加していただき、今も善意が集まっている。
本当に協力いただいている皆さんには心から感謝しているし、お礼の言いようもない。
コメントは都度読める時に拝見しているが、やまだのファンの方、ガロの昔読者だった方、ガロや知らないけどブログで闘病を知ってくれた方、「はじめて知ったけど応援します」という北米の方、友人や知り合い、面識はないけど同業の方…たくさんの人が応援してくれている。
メッセージを読んでいると目頭が熱くなる。だから絶対に諦めない。

「諦めたら試合終了」…どころか「死」だ。なので、諦めません。
皆さんの応援と善意のためにも。
そしてそれを仕事で返すためにも。
まずは、今年を無事に越さなきゃならない。
毎年、年末は「明青」さんのおいしい料理をいただいて、一杯やって来れた。
今年はもちろん無理だ。そもそもが帰宅すら出来ていない。去年は病棟移転もあったし、放射線治療中で、しかも両目があった。
今はもうまっすぐ歩くのも大変だし、下手をすると立っているだけで自分の体重で足の裏が痛い。
その体重も50kgだ。
一応、気持ちだけ雑煮でも出るのかと思って看護師のYさんに「元日だけ食事を常食に戻して」と頼んだ。
ま、気持ちだから…。と思ってたら、吸い物は出るけど餅の入った雑煮は出ないという。
ああ、そうか。入院患者にはお年寄りも多い。餅は凶器だったな…。我慢しよう。
今年は生き地獄、本当に無間地獄の年だった。
来年はどんな地獄が待っているのか、それとも天国に行くのか。
現世にとどまっていられて、それが「そこそこの地獄」程度だと有り難いのだけど。
こうなったら頑張るしかない。
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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