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2017-02-02(Thu)

苦痛と忍耐の日々続く

2017年02月02日(木)


今どんな状態かというと、満身創痍といった方がいいか。
元々そうだから、大げさではないと思う。
はっきり言うと、それはそれは辛い毎日を送っている。
実は今キーボード打つと痛いので、スマホから数日かけての一文である。
ある意味執念。

先日35日、抗がん剤(分子標的薬)エトポシドの投与ワンクールが終わった。といっても最初の週は1錠、次の週は2錠、翌週は3錠と採血をみながら慎重に増やして行き。新年明けから3習慣ほどかけて「8錠」飲んだことになる。
これは通常投与の3分の1とかそれくらいの量ということ。もちろん副作用の免疫抑制が怖いからで、血球…とくに白血球系が減るとそのまま感染症、そして命の問題に直結しかねないので、慎重に投与していただいている。
今はそのワンクールを終えて、インターバルの一週間様子を見て、特段大きな影響も出ていないようだし、血球減少も予想範囲内。よって血液内科のK先生とも相談していただき、明日から2クール目、週3錠からリスタートする予定。

この間、満身創痍と言ったのは、右肋骨というか脇あたり一帯に謎の痛みがあり、肺に若干の水が溜まったので心配したが、水は引き、痛みはたぶん2010年頃の「あの」気胸→胸腔ドレーン→原因解らず→肺の一部生検兼ねて胸腺腫摘出手術→生検結果はなんとカリニ肺炎! …という時の、2ヶ月もドレーンをぶっ刺していたのと手術痕の古傷が痛むのだろうという事らしい。
癌も末期になってくるとあちらこちら弱くなり、きしみ、歪みが出てくる。古傷も痛み出すってもんだ。痛み止めのロキソニンハップを貼る。

他に、首から下シャワーいいですよと許可が出たまさにその日、左足立ちでズボン履こうとしたら「ペキッ」と嫌な音が足の甲からして、以後激痛で立てなくなった。
ちょっと筋のあたりに赤みがあるような無いような、しかし熱もなく出血もない。「筋違い」じゃないかと。
ロキソニンハップを貼る。

さらに、皮膚移植をした右足(大腿部の術創~MRSA部分は依然、完治していない)、膝下のちょうど骨が突起しているところ、前からこつんとベッドテーブルにぶつけては悶絶したりしていたが、そこが押すと声が出るくらいに痛み出した。
外見はもちろん出血もなく熱感もない。
ロキソニンハップを貼る。

さらにさらに、数日前、あまりにひどい便秘のために踏ん張りながら右手を変な角度で直腸を押してたら、便は無事に出たはいいが、手首に激痛が走るようになった。一番ひどい時はティッシュを一枚ガコッと出す、それすらも「ひっ!」「いたっ!」というくらい。

これまた原因解らず、粛々とロキソニンハップを貼る。
処置が痛かったらオキノームなどの痛み止めを飲む。微熱が出たらナイキサンで抑える。
便秘がしんどかったらマグミットやセンノシド、アミティーザを使う。それでも出ない、固くて体に負担がかかるのでラグノスゼリーを食後に追加。これでようやく、普通の人がやや固いかな、くらいの便通になった。
今は癌を叩くことが最優先なので、他の事は全て出て来たら対処療法となる。
▼朝食後の薬だけでこれ
medi_20170203093129b9b.jpg


とにかく現状湿布だらけで、動かなければガチガチの首から肩の浮腫が引き攣れるように痛いし、動けば当然痛い。体を起こす、体制を変えるのも一苦労。
何しろ「歩く」という動作が、右足痛い左足痛い、ふらついて付き手庇い手しても右手が痛くて支えられない。危なくてしょうがない。
これまでは左腕に軽度の麻痺というかしびれが出て、一番頼りにならなかったのに、その左腕しか頼れるものがなくなった。

キーボードも当然右の手首の激痛で打てなくなり、記録も最低限しか取っていない。
えらいこっちゃこれほんまに。

こういう中、前回の続き! であるが、何があったかというと、
「スマホの機種変更」をした。
「なんだそんな事かよ!」とズッコケ、怒る方がおられるかも知れませんが、いいですか、携帯の機種変って、「契約者様ご本人のご来店が必要」なんですよ。
もうお分かりですね。
自分にとってはサヴァイヴァルというか、文字通り命がけ、命を削る大仕事なんです。

昨年夏頃からスマホの調子がおかしかった。
国産某機種でホッカイロと揶揄されるものだが、熱暴走まではないが、かなり熱く、そのうち「防水」が売りのくせに熱で変形したのか、裏側のアルミ蓋部分が浮いてきた。パカパカしてる、という感じ。
えいと押し込むとどっかがパカッと浮き、そっちを押すとこっちが…という。しょうがないのでそのまま使っていたが、そのうちSDカードを認識しなくなった。
アプリや写真音楽動画その他のデータは当然カードに保存してある。
ちなみに何度か書いている通り、我がノートPCはWindows7機をメンテしメモリ増やしたりしつつWin10にアップデートして使っているものだ。
ほそぼそとではあるが、「まだ仕事をしている」「まだ社会とつながっている」という事はとても大切な意識だ。
そのためにけっこうマシンパワーはあるものを購入した…がさすがにもう4年)※7年だった…)。キーボードが無反応なキーが増え、仕方なく無線キーボードにしたり苦労はあるが、まだ使えている。
問題はネット環境。
病棟にはソフトバンクのBBモバイルが来ているので売店で二週間千円のカード…というかIDを買って繋いでいる。
しかしWindows10のアプデでノートのWifiアダプタが使えなくなり(メーカーがドライバを更新しない)、しょうがなくスマホからUSBケーブル経由で「有線テザリング」でネットにつないでいる。

長期入院患者にとってネット回線は生命線に等しい。
今は幸い映画も音楽もクラウドで楽しめるし、コンビニでPDFの出力も出来る。公共料金や税金の支払いから、BD録画操作まで、病院のベッドから出来る。
しかしそれは同時に、「家で簡単にできていたこと」がいちいち自分で動くか、動けなくなったら人に頼んで、しかも金を払うという事は仕方ない。それでも便利になったし、出来ないより遙かにマシだ。
であるがゆえにその分、ネットに繋げないという事は、その重要な「ライフライン」を断たれるという事になる。
ここ、いわゆる「ネット依存でしょ」「元々自分はネットを信用していない」とか知った風なことを言う人がたまに居るけれども、外で自由を満喫していて、健康でどこでも行けて何でも出来る環境からの目線で病人を語られても、まったく頓珍漢で意味が違うという事。

その、ネットにつなぐためのスマホがおかしくなってきた。何か背中側はもう完全に本を開くみたいにパカッと開きかねないし(試したらたぶん壊れる)、火を噴かれても困る。

なので、キャリアの病院から一番近いショップに電話して聞いてみた。

あのう、機種変更はやはり本人が出向かないとダメでしょうか。
はい、ご本人様かあるいは代理人の方となっております。
今入院中で動けないし、家族は皆離れたところに住んでいるんですが。
代理人は原則ご家族の方で。
こういう事情なんで、代理人は看護師さんが申し出てくれましたがダメでしょうか。
ご本人様かあるいは代理人の方で。
いや、ですから、独り身ですし入院中ですしこれこれこういう状態で動けないんですが。
ご本人様かあるいは代理人の方で。
だめですか。
決まりですので。

ちなみにサポートのメールにも同じ質問をしてみたが返答は「決まりだからダメ」だった。

こういう絶望的なやりとりをし、さすがに十何年も使ってやってきたのにコレかいと頭に来たので、もう解約して新規の安いSIMとかデータ通信だけのを契約しようと思ったが
ご解約、MNPのお手続きも、ご本人様かあるいは代理人の方で。
だそう。
まあ、決まりだからしょうがないよ。
癌患者で身寄りがなくて動けなくてお気の毒~で対応変えてたら、世の中おかしくなるもんね。ルールは守らないとね。決まり、ですから。ここは法治国家だからね、情状で個別に対応変えてたら社会が混乱するもんね。あれっ、これ嫌味かな。

そういうわけで、諦めてしばらくだましだまし使っていたが、どうも挙動不審が目立ってきたので、もうこれは仕方ない、機種変更するしかない。本人が来いというなら、誰かに付き添って貰い、一時外出許可を取って這ってでも行くしかなさそうだ。

そういうわけで機種変更騒動と相成った。
まだエトポシドを開始する前の話で、京都市内は寒波で関東では雪で騒いでいたあたりだったと思う。
タイミングとしては、今後どんな副作用が出るか判らないし、早めに行ってくるしかない。
事情を今の化学療法の主科である皮膚科のI先生に話して了解を貰い、とにかくタクシーでサッと行って本人確認が必要なところだけ済ませ、受け取りとか他の事を代理人に頼んでサッと戻る、これで行こうという事にした。

京都市内でガタイが良くて支えてくれそうで、こういう事を頼めるとなると、まず「キッチュ」の呉君が浮かんだので、ダメ元で電話してみた。何しろ彼は大学講師、編集・出版コーディネートや取材、イベントと忙しい。
かくかくしかじかで都合のいい時にお願いできないかと電話すると、逆に今日これからならどうですか、と言われる。
なんと東京で仕事があって新幹線で京都に戻り、その足で精華大で講義をし、終わったのでこれから病院へ行けるということ。

いろいろ考えた。
自分の体調よし(実は滅多にない)。
天気…日中快晴だったため万全の防寒対策で出れば…。
そこでこれから=つまり5時半ころ来て貰うことになり、外出許可も急遽これからに変更して貰った。
心配して担当の看護師Sさんが、俺の衣服が春物というのを見て「これじゃ絶対寒いです!」と吸水シートを持って来てくれ、畳んだのをクビに襟巻き状に巻く。
あと脛にはシートを巻いてサージカルテープで旧日本兵かというくらいゲートルのようにしてからジーンズを履く。途中から呉君が到着して「今日はめっちゃ寒いですよ、それでも寒いかも」という。
Sさんも「日が落ちたら冷えますし!」と、結局シャツの下に野球のアンパイアみたいに巻き、さらに何かあったときのため、というのとショップへの「病人やけど来たで!」という嫌味もちょっと込めて、部屋着の上を着せられた。
呉君はショップの対応が「納得いかない」と憤って電話してくれたが、「決まりですから」攻撃には勝てなかった。
車椅子で正面玄関まで行き、呉君のでかい体に支えて貰いつつ病院の外へ一歩踏み出した。
顔にあたる風は確かに冷たい、だがみんなが言うほど寒くないのは、俺が道産子だからか、いや防寒対策のおかげだろう。

病院の外。何ヶ月ぶりだろうか。

前はたしか、電気止められた直後で、7月あたりだったか…。あの時はまだ両目があったし、体の状態も今より段違いに良かった。一人で軽快にアパートの階段を上り降りしたっけ。
あれ、もう二度と無理だな…。
というか、「外」が怖い。誰かの支えがないと、一人ではとても歩けない。
タクシーで百万遍のショップに行くと、ショップの灯が消えていたせいか一瞬見つからず、歩道の段差や通行人が怖かった。
何せ左側の視界が全くない。
その上、左耳も浮腫のせいでほぼ聞こえない。
肩に手を置かせてもらいつつ見つかったショップに入る。
行く前に確認した通り他に客はおらず、すぐ手続きできるというのでホッとした。

途中、変更後の機種は前のケーブルが使えないとかで、じゃあ新しいケーブル買うと言ったら在庫が無いというのでさすがに柔和で優しい人格者の俺でもキレそうになったが、そこはサッと呉君が仁王像のように立ち上がり「買って来ます」と言って近くの家電ショップを検索し、行ってくれた。
なんというか、もう本当、いろいろ申し訳ないです。
ショップのお姉さんはてきぱきと事務処理をしてくれ、何やかんやで結局1時間近くいる事になったが、「吸水シート」のおかげで寒さを感じることはほとんど無かった。
つつがなく新機種を受け取り、やれやれと道路に出て呉君にタクシーを拾って貰い、病院へ戻った。
呉君にはケーキを食べてもらい、俺は病院の夕飯、焼きそばを食いつつちょっと話して、無事機種変更大作戦は終了した。
ただそれだけの事なのに、凄まじく精神力体力生命力を消耗した。

もっとも、この後前述したように、あちらこちら満身創痍になっていったし、ここ二週間ほどはトイレ以外一歩もベッドから降りられない日すらあった。この機種変更外出作戦は、本当にこの日、このタイミングしか無かったと言える。
実際、先週日曜におおかみ書房・千葉代表が来てくれ、ライターのローリングクレイドル氏からのお見舞いや果物ジュースなども頂いた。…のに、その時は日中微熱があり、頸部の痛みもあってモルヒネを飲んで寝ていたため、会えなかった。
そういう不義理は数知れず、本当申し訳ないとしか言えない。
そしてクラウド・ファンディングに協力下さっている方々にも、ある意味全てのコメントに目を通すくらいの事しか出来ていない。
有り難くも申し訳ない、そんな日々を送っている。

体調は確実に悪化している。
確実に、嫌な方向に向かって歩いている。
道を変えなきゃ、違う方へ向かわねば。いや、道は合ってるのかも知れないが険しすぎる。
乗り越えよう、乗り越えたいと思うが障害もまた数多くありすぎる。
生きていること、普通に何かを飲み、食べ、普通に笑う、歩く、走る。動く。全ての事が苦痛を伴うか、あるいは困難になった。

そんな中、数日前に小学館クリエイティブの担当Kさんから連絡があり、やまだ紫「性悪猫」の重版が決まりましたとのこと。
「通販生活」さんに再録された事で新しいファンが増えた事はメールその他で嬉しいお知らせをいただいているが、きちんとまたこうして次代へつなげて頂ける事は本当に有り難い。
名作は色あせない。
それをつないでいく、そういう事もやり甲斐のある仕事だと思う。
かたちはどうであっても。
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No title

携帯の機種変更、大変でしたね・・大変なんて簡単に言えるような状況ではないのに、そうとしか言えなくて、なんというか・・。白取さんのブログを読んでいますと、仕事や家人のことで文句ばかり言っている自分がすごく愚かに思えます。
それはそうと、『性悪猫』重版おめでとうございます!!

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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
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