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2006-03-07(Tue)

MARK、CT検査に行く

3月7日(火)
夕べは12時過ぎに寝た。布団に入り、いつものように脇に丸くなってピタリと体をくっつけて休んでいるシマと一緒にうとうと…したと思ったら、ユキが居間でウァオンニャオンと大声で鳴き始めた。何ゆえか、どういうことなのか全く意味不明な行為だ。何せ耳が聞こえないから「うるさい」と言っても聞こえない、「こっちにいるからおいで」と言ってもダメ。眠いし面倒なので起きて諌めることもせず、それが断続的気に小一時間ほど続いたのでなかなか眠れなかった。
今朝は9時に携帯のアラームが居間で鳴ったので起きる。昨日は春一番が吹いた暖かさだったのに、今朝は曇天で気温も低い。支度をして家を出たのは9時50分過ぎ。気温は昨日よりはずいぶん下がったみたいだが、寒いというほどではなかった。いつもの診察日のような混雑する時間ではないので、タクシー代もいつもいつもじゃ勿体無いし、バスで行くことにする。バスも本当は乾燥・閉鎖空間・不特定多数の人間という風邪予防やその他の感染予防には良くない環境だが、タクシー片道3000円を考えると貧乏人には仕方がない。
バスは遅れているようで、10時ちょい前になってようやく来た池袋西口行きに乗り込む。大和町で降りて5分ほど待つと池袋東口行きが来たので乗り換え、仲町出張所で降りて、そこから歩いて川越街道を渡って日大病院へ。ついつい以前のように早足になってしまい、病院入り口まで着くと若干疲れてしまった。もう自分は健康体ではないのだなあ…とつくづく思う。

内科受付へ行くと10時40分ころ。今日はいつもより外来の患者が多いようで看護婦も急がしそうにしている。俺が診察券を出して「今日マルク(骨髄穿刺検査)と午後にCTが入ってるんですが」と言うと、「あ、ちょっと待ってくださいね。…今日は診察も入ってますか?」というので検査だけだというと、一旦外のソファで待てと言われる。廊下のソファで待っていると名前を呼ばれ、今度は処置室前で待てと言われて移動、処置室横のソファでしばらく待つ。10分ほど待ってると年配の看護婦さんに呼ばれて中に入る。ベッドは透析だか点滴だかを受けてる人やらで一杯で、カーテンが引いてあるものばかり。中にはしゃべっている人や咳き込んでいる人もいるが、概ね黙って何かが終わるのを待っている人たちがいるはずだ。その気配が処置室全体に充満している。ようやく一つ空いていたベッドに通されて、頭を廊下側にして待ってるように言われる。
服を脱いでいるとすぐにマルク担当のS先生が来る。去年の夏、抗癌剤治療が始まるという時の主治医だった先生だ。「どうもお久しぶりです」とお互いに挨拶。「お変わりないですか」というので「ええ、お腹の張りも慣れてきちゃってるせいか、あまり気にならないんですよ」と言うと「そうですか、お変わりないのはいいことですからね」と言われる。「このままほっとくとどんどん脾臓が腫れてって、機能亢進して汎血球減少が起きて…となるとまずいんですよね」と服を脱ぎながら話すと、「そうですね、もし脾臓がすごく腫れてくるようだと、すぐに治療に入らないといけませんからね。なので変化が見られないということはいいことですよ。」とのこと。
俺が上半身裸になったので「用意が出来たら声かけてください」カーテンを引いて外に出てくれた。そのまま俺が仰向けになろうとベッドに乗ると、カーテンの下にS先生がベッドを背にした形で立っている足が見えた。他のところへ行ったわけではなく、今この間を待ってくれているのだ、そう気がついたのですぐに「もう大丈夫です」と声をかける。S先生はカーテンを開けて入ってきて「前はいつでしたっけ」、「マルクは11月だったと思います」と言うと、「あ、じゃあちょっとお腹とか見せてもらいましょうか」といい、触診をしてくれることになった。
「僕が診るのはそれこそ入院されたた時以来ですから、感覚としてはあの頃の印象なんですよね」と言いつつ、腹部、顎から喉、腋、鼠蹊などのリンパ節を触診してくれる。「やっぱり変化はないように思いますね」と言うので俺は「そうですか、体重は4kgくらい太ったんですが、たぶん禁煙した後口寂しくていろいろ食べるクセがついたからだと思います」と、いつも主治医のU先生の診察時に話していることと同じことを話してみる。S先生は「そうですね。ちょっと見た印象でも体格が良くなられたような感じがしましたんで」というので、「脾臓が腫れて体重がこんなに増えたら大変ですよね」というと「そうですね、でもそういう感じじゃないですから」と言われたので内心ホッとする。「じゃあすぐ準備してきますから」と言ってS先生は道具を取りにいったん消えた。
すぐに道具類のカーゴをがらがらと押しながら戻ってきて、準備開始。さっき俺を処置室に呼び込んだ年配の看護婦さんも頭の上でS先生の準備を手伝っているようで、頭の上で二人の「あ、手伝ってくれるんだ。嬉しいなあ」「今はまだ大丈夫、今はね」みたいな軽妙なやりとりが聞こえる。看護婦さんが「どうします、目隠しはしますか」と言うので「いや、いいです…」と言いかけて「やっぱりしてください」とお願いした。畳んだガーゼが両目の上にかぶさってる方が、太い針が自分の胸に突き刺さるのを見ないで済む。目をつぶっていれば済む話だが、いや、見えても別に全然大丈夫なのだが(採血や注射や点滴の静脈注射なども、俺の場合はじっと針が突き刺さったりの一部始終を見るクセがある)、麻酔してくれてるのに目で刺さる瞬間やら骨髄が抜かれてくのが見えると、気持ち的に痛い。なので目隠しをお願いしたという次第。ガーゼが両目の上に置かれ、サージカルテープで軽く止められ、その後は頭の上で二人が検査の準備をしながら世間話をする。
S先生は色々な消毒器具や検査器具の袋を破ったりそろえたりしつつ「そういえば奥さんも大変なんですよね、お加減どうなんですか」とか聞いてくれる。
そうこうしているうちに看護婦さんの方はどこからか呼ばれて消えたので、俺が「ところで京大のウィルス研究所でT細胞性の白血病の原因ウイルスの遺伝子がわかったそうですね」と話すと、「あ、よくご存知ですね」と言われる。「自分みたいな進行の遅いタイプは治療も難しいんですよねえ」と言うと「うーん、まあそういう見方もできるかとは思いますが、でも濾胞性の、B(細胞)の方にはリツキサンができましたから、Tの方も研究が進めばいい薬が出来てくるでしょうし」とのこと。やはりこの分野は本当に日進月歩だという。俺が「何とかそれまで頑張らないと」というと「ええ、5年10年単位で長く状態が変わらない患者さんもたくさんおられますから」と言われる。自分がどういう型の何という病気なのかが不明なのは不安だが、状態は横ばいであるということは、やはり悪いことではないのだ。
そしていよいよマルク。「じゃあまず消毒しますね」と言われて先に茶色い消毒液が染み込ませてある綿棒の親玉みたいなもので胸部を念入りになでられる。そして麻酔。一度打たれたあと、「今度は骨の方に麻酔しますよ」と言われてブツリという感覚がある。しばらく患部をもまれて、「これはどうですか」と何かでつつかれたようだが、あまり感じないのでOKという。そうしていよいよ骨髄吸引、採血のものよりグンと太い針が骨まで突き刺さり、「じゃあいつものように麻酔のきかない痛みがありますが1,2,3で行きますよ」と言われて、カウントの後ぐぐぐ、と骨髄を吸引される。かなり長く吸引されていたが、とてつもない不快感は一瞬で、後は嫌な感覚にただひたすら耐えるのみ。吸引が終わり、S先生が取り出したサンプルを試験官に分けているような風情があり、さっきの看護婦さんが戻ってきて「はいお疲れ様でした、じゃあ傷口消毒しますからね」と言われて目隠しのガーゼを取ってくれて、胸部を拭かれ、ガーゼでふさがれる気配。「じゃあ重り載せますからね」と言われて、ふさがれた傷の上にズシリと止血のための重りが置かれて、布団をかけてもらい、枕元のタイマーが鳴るまで安静にと言われてカーテンが閉められる。
タイマーをそっと見ると残り26分になっていたので、目を閉じてひたすら待つ。どこかのベッドでは「ごわ、ぐぅぇえ」と痰の吸引か何かのおっさんの声が時折聞こえ、左隣のカーテンの向こうではさらに向こうの婆さん同士が二人で点滴を受けているらしく、大きな声で世間話をしているのが聞こえる。やれ年金がどうしたとか、自分はどこが悪いとかそういう話。お金の話になると声を潜めてヒソヒソ声にはなるのだが、どっこい耳が遠くなっている人同士なので、普通の人にとってはまる聞こえ。そうこうしているとようやくタイマーが鳴り、重りが取られて、釈放。看護婦さんに「今日血が止まらないとか、痛みが続くとかあるようだったらすぐ病院来てくださいね」と言われ、服を着て礼を言って処置室を出る。11時50分くらいだった。

これから午後のCTの予約時間は1時50分なので、まるまる2時間、時間を潰さねばならない。といっても検査3時間前からは食事も摂ってはいけないので、メシを食うわけにもいかず。売店で週刊誌と、入院時はまっていた「明治ミルクと珈琲」を買って、いつものソファに座る。週刊誌をなめるようにゆっくり全ページ読み終わってもまだ1時間以上ある。携帯のテレビをちょっと見て、結局MUSIC PLAYERでSDカードに保存してある音楽を聞く。そうこうしていると1時半になったので、地下に降りて放射線受付へ。
第二CT室で待てというので、トイレの奥の廊下にあるソファまで行って座って待つ。前の女の人が5分ほどで呼ばれ、さらに5分ほどして入れ違いに俺が呼ばれた。CTは脾臓の大きさの把握のため、腹部全体と骨盤の方までとU先生に言われていた。看護婦さんが台に仰向けで寝るように言い、腹から下にバスタオルをかけてくれて「ズボンはひざの辺りまで下げちゃってください」とのこと。言われた通りにして待つ。しばらくして男の技師が来てベルトで軽く台に俺を固定して、それから検査開始。検査そのものは数分で終了。終わってズボンを履いて検査室を出る。するとちょうど本来の予約時間の13時50分だった。会計に連絡票を渡して5分ほど待つと、自分の番号が出たので自動清算機に診察券を通すと、何と21000円ちょいの表示。え、ケタ1つ違うんじゃないの、と思ったが今日はマルクが高いのだろう。11月のマルク&レントゲンの時も20000円近かった。病気は金がかかるのお、と思いつつ病院を後にしたのであった。

朝出た時には少し気温が低いと思ったものの、病院を出ると明らかに冬の寒さとは違う空気だった。これから春になっていくが、こういう時期は人間にとってもいい季節だという。体の免疫力も高まっていき、自然と同様新しいサイクルに入る準備をする。今日はたまたま知っていたS先生が検査をしてくれ、お蔭でいろいろ聞くこともできたし、普段のU先生に加えて診察もしていただけたので、さらに安心度が増した。足取りは気持ち軽くなったが、無理は禁物。帰りは疲れたのでいつものようにタクシーに乗る。贅沢をしているようだが、そもそも俺の外出などほとんど診察日かこういうイレギュラーの検査日くらいしかない。よく考えたら酒もタバコもやめたし、普通の人より全然金はかかっていないのだ、そう言い聞かせて納得させる。帰りの道は混んでいた。
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コメント

MARK

記憶がない頃で何より!
あんなものガキの頃とはいえ物心ついてからやったら一生トラウマになるよ!
確かに、あの針が赤ん坊にささるのは「串刺し」以外の何ものでもないと思う…あー、なんか自分がやられるのより赤ん坊に針がささるのを想像する方が痛いわ!

記憶に無いがやったことあるらしい

千夏雄がまだ生まれていないころなのだろうか、
私も全く記憶が無いのだが、
仮性コレラと骨髄炎いうのにかかって、
私は既にMARKを経験しているらしいことが、
父の話でわかった。
ぶっとい針が、赤子に刺さるのは、
「串刺し」と表現してよいほどたったらしい。
記憶に残らない頃で良かった・・・。

どうも。

風邪ですか…。今朝はけっこう冷えましたね、目が覚めたら布団をはいで寝ていたので寒かったっす。風邪防御には欠かせない枕元の加湿器が一冬持たずにブッ壊れたんで、朝は喉が風邪っぽかったですよ、たちまち。なので起きて速攻うがいを念入りにしました。
それにしても今日はいい天気でしたねえ。ゆっくり散歩でも出来る季節に早くなるといいんですが。

おはようございます。

風邪がぶり返して大変でした。。。免疫力が落ちているのかも知れません。。。(泣)
月並みな意見ではありますけど、病気をすると、いわゆる病院での「治療費」以外にかかるお金ってけっこうバカになりませんよね。そういう部分は結局個人で民間の保険にでも入っておかないと、全部持ち出しになってしまいますんで。。。
これからいい季節になっていきます。ゆっくり、養生されてください。なるべくストレスを避けて、ゆったりと。それが似合う季節に向かいますしね。
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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