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2007-01-18(Thu)

学生運動の季節

連れ合いがかかりつけの病院へ朝早く出かけた後で、9時前に朦朧と起きる。このところ宵っ張りで、起きるのは午前中ギリギリという感じだったので、9時なんて早朝だ。朝食を食べ、パソコンでメールをチェックし仕事のデータを確認しそれらをこなした後、ソファに転がってテレビをボーッと見ているうちに寝てしまう。何度か目が覚めたりまた浅く寝たりで、体がビキビキと痛い。
昼過ぎ、「おもいッきりテレビ」の「今日は何の日」というコーナーで、今日は東大安田講堂への機動隊突入の日だというのでその様子を当時の映像で再現レポートしていた。それが朦朧として寝たり醒めたりしているこちらの頭に入ってくる。ウトウトすると夢で俺が機動隊員になり、学生らが立てこもっている安田講堂の真向かいにあるビル(実際にはもちろん、ない)の3階部分の窓をめりめりと壊している。同じ目線から攻撃を加えるためだ。学生らはアジっていて気がつかないが、さすがにまん前のビルの窓が俺の手でグワシャと割られて全開になると、ギョっとした顔をこちらへ向けてひきつっている、こちらはそれを見てヨシヨシもっと怯えろと隣の窓を壊しにかかる。学生らは俺と目が合うと「権力の犬」とか「反革命の愚か者が」などとあらん限りの罵声と、本やら石やら瓦礫やらを浴びせてくる。てめえら本当だったら拳銃でブチ殺すところだぞ、とか言いながらもう一つの窓をヨイショヨイショと外しつつ。…何なんだ俺って。目が覚めてから発作的に傍らのジャムパンを1個食う。…何だ俺って。

劇作家の鴻上尚史氏と映画監督の堤幸彦氏による舞台「『僕たちの好きだった革命』」が期待されている。されている、というのはまあ前宣伝などで『「おもしろそうだな」と思われている』ということだ。鴻上さんは48歳、堤監督は50歳だというから、お二人とも団塊世代より一回り下ということになる。話は「高校2年の時に機動隊の催涙弾で意識を失い、30年後に目を覚まし47歳で高校に再入学する」という男の話が軸となるそうだが、この設定に面白みを感じろと言われても、今の若い人には無理があるのかも知れない。まあそこはエンターテイナーの鴻上氏のこと、「世代を超えた青春学園ドラマ。笑いあり、ラップあり、アクションありの舞台に」と語っていた(昨年秋)ので、そのようになさるのであろう。
我々鴻上・堤世代よりさらにちょいと下の世代にとって、いわゆる「学生運動」世代というのは、鴻上世代にみる「冷めた視線」ともちょっと違う。どちらかというと、「ちょっと前にあった現実の熱いできごと」として充分リアリティがあり、共感でき、そしてちょっとカッコよくあこがれもあったものだ。
今の若い人で学生運動当時の話になると、全く知らないか、誤解しているか、かなり詳しく耳年増的に知っているがそれで妙に得意げに「総括」してみせたりして、どうも噛みあわない。では俺が団塊世代と噛みあうかというと何人かとお話させていただいてはいるが、やっぱり微妙ではある。まあリアルタイムで体験した人たちの中でさえ温度差があり、もっと言えば、「あの時代の若者みんなが学生運動にのめりこんでいたわけではない」とはっきり言っている人たちもいるわけだし。
自分が学生運動について憧れに近い思い入れがあるのは、俺がいた「ガロ」はそういった学生運動世代の人たちに熱烈に支持されていたという過去があったし、「ガロ」周辺には現実にそういう人たちがたくさんいて、その人たちはだいたいがカッコいい先輩であった、お話もたくさん聞かせてもらうこともできた…というのがあったからかも知れない。でも実際、俺たちはそういうありがたい経験の前から、上京してからというもの友人の汚いアパートで、あるいは自分の部屋のコタツを囲んで、酒をくらい時には貧乏で酒が買えずにシラフで、バイトが終わってから朝まで青臭い議論を戦わせたものだ。政治が悪いとか社会がどうとか、人間とは生きるとは、そして当時目指していた漫画についても漫画論や作家論で熱く語り合った。もちろん今思い出せば相当恥ずかしいことではあるが、まあ人生にはそういう季節ってあるものなのだ。

鴻上さんは『週刊文春』(1/25号)で、「今の若い人たちは大人しすぎる」と怒っている。いや、怒ってみせて、いる。こんなに大人しい国民はいないと煽っている。昔のようにデモもないし、もちろん学生運動だって無いに等しい。このことは常々俺も感じてるし発言してきているが、本当に「今どきの若者」に限らず、ニホンジンって骨抜きというか政府・官僚にすっかり飼い馴らされたというか、自分らの税金がどんだけデタラメに使われようが、自分らが地を這うような労働を強いられている反面その金で太ってる連中がいようが、ワーキングプアが増え「格差容認」という名の厳然たる差別社会の構築がなされようが、ただただ、じっと黙って我慢しているだけのようだ。ジタバタしたって世の中何も変わらない、騒げば叩かれるしそれだけ損だ…ということだろう。そしてそれは「正しい」。実際の話、世界のニュースなどでよく見られるデモや暴動の映像を見ると、やっぱり「アッチいなあコイツら」と思う自分もいるのだ。
今の、今後のニッポン国ではもう学生たちが自分たちの手で社会を変えようと立ち上がるとか、政府や官僚の腐敗・堕落に国民が鉄槌を下すとか、そんなことはもう起こらない。絶対に起こり得ない。鴻上さんらはそういう世の中に一石を投じたい…というポーズを装ってはいるが、実際は違うと思う。鴻上さんともあろう人なら、一石を投じても何ら意味のないことなど、じゅうぶんに理解のうえだろう。こんな「ノンポリ国家」ではもはや学生運動の時代なんて単なる過ぎ去った過去の一コマだ。若い世代にとっては「以後良く来る遣唐使」とか「いい国作ろう鎌倉幕府」とか明治維新とか敗戦とかそんなんと同列の「歴史上の出来事」に過ぎない。つまりは戦国自衛隊とかと同じレベルのフィクションなのである。だからこそ「世代を超えた青春学園ドラマ」たりえるわけで、「今」やるわけなんだろう。うまいな、と思う。ちょっと前だと生々し過ぎたしな、学生運動世代=団塊の世代が大量退職がいわゆる「2007年問題」とかいって、今まさしく“旬”でもあるしなあ。…ジャムパンはPASCOのつぶいちごのやつが安くて一番、美味いです。
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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