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2007-03-28(Wed)

業績の評価と伝承

3月28日(水)
テレビではニュースやワイドショーで植木等(享年80)の死亡関連の映像が流れている。新橋かどこか(笑)でサラリーマンの酔っ払いに感想を聞いていた映像があり、二人連れのオッサンがスーダラ節を歌い踊っていたが、明らかに40代、しかもスーダラ節の肝心部分を完全に間違っていた。クレイジーキャッツに思い入れがある世代って、60代以上だろう。歌や映画で大人気だったのは40年前とかで、その時代にサラリーマンとして無責任男などへ共感したとしたら、60〜70代となってしまう。俺なんか当然クレイジーには全く思い入れも思い出も、ない。もちろん、リアルタイムで見ていなくても影響を受けることはあるし、先達として偉大な足跡を残したことは否定できないことであるから、その存在の大きさと業績はキチッと評価し後世に伝えるべきではあるが。

その「存在と業績の大き」を「後世に正しく伝える」ことは、実はなかなか難しいことでもある。

俺がかつて勤務していた「ガロ」の世界は、何度も繰り返して主張してきたように、世間的にはほとんどこうした「正当な評価」の対象から外されている部分だろう。コミックやアニメがこれだけ「日本を代表する文化」であり「表現」であると官民ともに認識され評価されるようになった、けれどもコミック自体、一般には「マス」の世界に非常〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜に偏った情報しか与えられていないから…ていうかマスはだからマスなんだけど…「ガロ」系の優れた表現は時代に埋もれて消えていく運命にある。手塚作品や宮崎アニメ、ガンダムだと騒ぐのはいい。それは誰でも評価できることだろうし、だれでも簡単に作品に触れることも出来る。
版元では「ガロ」系の作品で優れたものをキチッと小部数でも残していこうと考えるところは皆無といってもいい。作家が自分で出せ、残しとけとでもいうのか? せいぜいそうやって商売商売とお励みになって、後世の人間に無能・見る目ナシであったと笑われるがいいさ。

先日、永島慎二先生のことについて触れた(名作の継承…永島慎二『黄色い涙』のこと)。その後、先生の奥様である小百合さんと、お嬢さんである史(ふみ)さんから、丁寧なお手紙や写真、さらに限定版の素晴らしいご本をいただいた。さっそくフミちゃんにお礼の電話をかけて、ほんとうに久しぶりにお話をすることができた。前に書いたように、フミちゃんと俺は十代後半に一緒に「ガロ」編集部でアルバイトをした同僚でもある。もちろん当時の話は懐かしく話題は尽きないのだけど、その時は永島先生の話題に終始した。
先生は糖尿病を患ってからも、好きなものを食べ、飲むという暮らしを頑なに続けたため、透析以外では病院へ行くことも嫌ったそうだ。俺は悲痛な闘病生活を想像したのだけど、フミちゃんによれば「それがほんとうに先生らしい最後だったんですよ〜」と明るく話せるほど、「永島慎二」らしく逝かれたという。亡くなられた当日も、お昼ごはんを普通に食べた後、ちょっと昼寝をするといって寝室へ下がり、起きてこないのを心配したご家族が様子を見に行くと、心臓が止まっていた…という状況だったそうだ。苦しみもせず、きつい延命治療も断り、生きたいように生き、暮らし、逝きたいように逝ったと…。そんな話をフミちゃんから聞いて、ほんとうに心が安らいだものだ。
限定版『ある道化師の一日』(限定五百部)は、残念ながら非売品である。それはそれは大変に凝った造本であり、内容も永島先生への愛に溢れた、素晴らしいものだ。布クロス張り上製本・二百ページ超、カラーもふんだんにあり、先生の漫画や油絵、貴重な写真や日記、篆刻などが楽しめる。改めて先生の偉大な才能に感服させられ、知遇を得ることが出来た自分の幸運に感謝した。


昼飯の後でワイドショーを見ていたら、教え子のU君から宅急便が届く。彼はコミックの編集プロダクションに勤めているので、てっきり連れ合いの大学で資料として使わせて欲しいと前にお願いしていた刷り出しの類かと思って開けてみたら、何と菜の花だった。自宅で採ったものだそうで、おひたしなどにして食べて、とある。ありがとう!
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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