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2007-06-29(Fri)

能登へ行く 3

6月29日(金)
朝は6時過ぎに目が覚めてしまう。窓の外は既に大荒れで、窓の外の木の枝が風でガンガン揺れており、雨も凄い。眼下の海も、穏やかだった昨日とは打って変わって波が「ざっぱぁん!」と打ち寄せている。よりによって旅行の時になあと思うが、こればっかりは仕方がない。この天候のお蔭で、宿泊客も少なく、よって温泉も貸切、なのである。
それにしても轟々という嵐のごとく凄いので、その様子をデジカメでビデオ撮影した。バカなのか、早朝の能登で何してんだろ俺、と思いつつ洗顔をしたあとボーッとする。
少しまたウトウトしていると、8時前に連れも起きたので、朝風呂を浴びに一緒に下へ降りた。今度は昨日の老人と違う男性客が一人入っていたが、俺が入って行くとほぼ入れ違いで出て行った。またもや貸切。
もう一度、外の露天風呂へ出て見る。雨風は早朝に比べると弱まっていたので、甕風呂へまた入る。荒波を見ながら入る露天もまた、格別だ。
風呂の後、連れと待ち合わせて部屋に戻り、9時から部屋で朝食。
昨晩食べすぎたにも関わらず、ハムサラダ以外は完食してしまった。自分の病気をしばし忘れる。免疫力向上にも、いいだろうな。

さてこんな天気だけど「今日はどうしようか」ということになるが、昼前には雨も小降りになってきたのでタクシーを呼んでもらい、能登島水族館へ行くことにした。
タクシーの運転手さんは水族館〜ガラス館などを廻ってまた旅館まで戻るコースで「13000円くらいでいいですよ」と言うのでお願いする。俺たち二人は、いやーもう500円玉貯金崩したんだからドンと来い、という気持ち。
結局ちこちで見ているがガラス館はいいので、水族館を見るのを待っててもらうことにして、一回駅前へ行って欲しいということにした。

能登島は能登半島の中ほどに切れ込んだ能登湾の真ん中に浮かぶ島で、和倉温泉からは能登島大橋という立派な橋を渡って入ることになる。昔はフェリーで渡ったそうだが、橋が出来てからは廃止されたという。もともとは有料で地元の評判は悪かったそうだが、その後島の西側に農道橋というもう一つの橋がかかると、皆無料のそちらばかり利用するようになったので、こちらも無料になったという。
雨の中、その能登島大橋を渡って能登島に入ると、道路の両側も自然が豊かで緑が多く、故郷の北海道の、市街地を出たところに似た感じだな、と思った。
運転手さんが道々、いろいろと案内をしてくれるので退屈せず、そのうち30分ちょっとして水族館へ到着。

能登島水族館の駐車場は車が5、6台ほどしか止まっていなかった。タクシーの運転手さんはここで待ってますからと言って車を停める。ここもどうやら雨も降ってるしシーズンオフゆえ、客もいないんだろうなと思いつつ入場券を買って入った。果たせるかな、俺たちのほかに客は数組しかいないようで、中はガラガラであった。夏休みなんか親子連れでうるさいんだろうなあ、と思うとやはりシーズンオフで良かったと思った。それにしても開けてるだけで経費もかかるだろうにとちょっと気の毒に思うが、こちらとしては快適でゆっくり見られるからいい。

最近流行の、水槽の下がチューブ型の通路になっていて周囲をイルカやサメなどが泳ぐ…というのを見る。ここも人がいなかったので下からじっくり見られて良かった。その後「ラッコ館」というところで3匹のラッコがプールで泳いでいるのを見るが、エサの時間が12時40分からというので、我々と別な女性3人連れの客が待つことになる。
俺の方はまだ10分以上あるしなあと思い、立ってるのもしんどいしと一旦外へ出る。出て「ラッコ館」を外から振り返ると、そこに水槽を外から見られる窓があった。つまり「ラッコ館」の入口の脇、ラッコの水槽の向かい側にあたる位置の水槽だ。つまり中へ入り、奥の壁面にある大きなラッコ水槽を見るお客の「背後」にあたるところにまた水槽があって、そこには海ガメが数匹入れられていたのだった。そしてそれが外からも見られるようになっているので、そのうちの一匹の大きな海ガメと目が合った。
俺が水槽を見ているとじっとこちらを見つめてきて、ひたすら大海を泳いでいるかのように前ヒレを動かし、目線は俺を見据えたまま、ずっと泳いでいる。体の傾きや向きが前ヒレの動きで変わるのだけど、目は合ったままなのだ。
その様子がまるで「助けてください、海へ返してください」と訴えられているような気がして、いや、確かにそう訴えていた、それが解るので辛くなってしまった。
「ラッコ館」のウミガメ。外から写す
海ガメに限らないが、水族館の生き物たちはもともと大きな海で暮らしていたものだ。中でも海ガメは長寿で、大海を悠然と泳いでいた映像をよく見るだろう。それが小さな水槽に4、5匹もいっぺんに入れられたんじゃあ辛かろう。そう思いつつじっと海ガメと見詰め合っていたが、余計に辛くなっていったんその場を離れる。
もちろんこういう施設は、施設を通じて自然の大切さ、生き物の命の尊さやその環境保護への意識を高めることが目的であり、これらの海の生物たちもその役割を担っている。コトバは悪いかも知れないが、自由を犠牲にして、その役目を負わされているという考え方もある。解るが、現実には辛い。動物園も、よほど環境がいいところと解った場合でなければ、そこにいる動物を見るのが辛いので行かないことにしている。
以前、故郷の函館に連れ合いと出かけた時に、函館山の麓にある市営動物園へ行った。当時は動物好きな俺たち夫婦だったので、俺が宿の近くにその「小ぢんまりしたミニ動物園的なひなびたところがあるよ」というと連れが「行きたい!」と言ったので、散歩がてら出かけたのだ。
ところがお世辞にも管理が良いとは言えず、シカたちの背中はカラスにつつかれ、肉が露出していて血が出ていた。痛いだろうに、それでもモノ言えぬ動物はじっと耐えたり、早足で逃げたり、首を曲げて追い払う程度しか出来ない。カラスはあざ笑うかのように逃げ、逆側から傷を嘴でつつき、血をすする。
クマの方へ行けば、ヒグマだったか、まるで何か考え事をしているかのように右へ歩いては左へすぐ引き返す、また右へ…を延々と繰り返している。運動の類ではない。痛々しい。
二人で「拘禁ノイローゼだ」と話して、とても暗い気持ちになった。
それ以来、よほどのこと…評判がいいとか動物に配慮し行動に合わせた見せ方をしているとか、そういうことでもないと動物園へは行かないことにした。

それにしても、海ガメの目が忘れられない。
しばらくして「ラッコ館」に「ゴメンね。何もしてやれないから」と海ガメを見ないようにして再び中へ入る。ちょうど飼育係がラッコたちにご飯をあげているところだった。独特の可愛いしぐさがなんとも言えず、デジカメをビデオモードにして撮影する。
その間も背後の水槽にいる海ガメが気になっていたが、あえて気にしないように努めた。何か言っても引き取れるわけじゃなし、それに「あれは普通の行動ですよ、大丈夫です」と返されるだろう。そしてそれは当たってるのだろう。連れ合いは自分が背中を向けている水槽の海ガメに俺が心を(惹かれるというより)曳かれている
のを気付かなかったそうだ。でも後で様子を話すと、そういうのって、「魂が訴えてくるから解っちゃうんだよね…」と話す。

…俺はどうやら水族館の和式便所で排便した時に膝がやられたらしく、だんだん立っているのが辛くなってきて、外に出てしまう。膝をなでると、膝蓋の両側にこぶのような腫れが触った。またか…と思ったがこうなるともう立ってるのもしんどいのだ。

よく「水が溜まる」というが、俺の場合は全身にあるリンパ節に、何かの加減で時々リンパ液が停滞するのだと思う。もちろん白血病の症状の一つだけど、両手首は仕事でキーボードを叩くので、手首の外側に瘤が出来る。外側に手を曲げるとポコッと出るから解る。あとは見えないところ…脾臓が巨大化し縦隔が大きい。
それ以外は、幸い小さなもので何も支障はない。けれど膝を長く歩いたり負荷をずっとかけたりしていると、膝蓋の手前ほどの両側にぽっこりと大きな瘤が発生する。これが出るともう正座はおろか、あぐらをかいても痛い。

どこか座るところはないかと見回すが何せ雨なので、とりあえず屋根のある通路を順路にあたる方向へと歩き出す。右手にペンギンの池があり、その先にイルカショーをやる水槽と、それを囲んでぐるりと客席のベンチが設けられているところがあり、屋根で覆われている。ベンチに腰をおろして一息ついた。
イルカショーがちょうど1時からというので、じゃあ連れ合いもそのうち来るだろうと座って待っていたが、客席には俺ともう一人の男性だけ。それでもショーはあるのかと不安。
そのうち赤いつなぎを来てキャップを被った、ショーをやる女の子とおぼしき女性が上がってきて、その男に「○○さん、おひさしぶりです〜!」とか声をかけてショーの話なんかをし始めた。つまりその男性はどうやらここのOBなのか職員なのか、とにかく客でないことだけは解った。
つまり純粋な客は俺一人というわけである。まさか俺一人に向けてショーが…と思ったら、開演時間が近くなるにつれ、三々五々少ない入場客が集まってきた。それでも10人いるかいないかという数の客が見守る中、ショーは無事開始。
最初はアシカショー、次がイルカショー。俺の携帯はもうバッテリー切れで、連れとメールで連絡が取れない。実は持ってきた充電用のケーブルだと思ったものが、なんと俺のヘマでデータ通信用。当然全く役に立たず、ホテルに聞いたら最新の3G携帯用の充電アダプタはなかったので、お手上げであった。
連れ合いがたぶんメールとか電話してるんだろうなあ、と思いつつ、でもさっきのラッコ館から歩いて1分の順路の先にあるんだしと思ってそのまま見続ける。
イルカショー
15分ほどしてようやく連れ合いが「ここにいたの?」と来たのだが、何と俺がいないので順路を逆に戻って探していたという。それでも見つからないので、さらに駐車場かとも思って一旦外へ出て、また入り口をくぐって再入園(良い子は真似しないように)したというのでビックリ。申し訳ないです。
それでも連れは何とかショーの後半に間に合ったので、並んで座って一緒に見た。間近で見るイルカショーは迫力があり、イルカは賢く可愛いかった。途中プール上まで行ってイルカにジャンプの指示を出す役を客席から募集したが、誰も手を挙げず…と思ってたら若いカップルの彼氏が勢い良く手を挙げて参加、イルカたちは見事に指示に従って華麗なジャンプと泳ぎを見せてくれた。賢いなあ。可愛いなあ。
能登島大橋その後は外に出て、食堂みたいなところでそうめんを軽く食べる。
「夕飯また豪華だろうから、あんまり入れないでおく」と連れ合いはソフトクリームとパフェの合いの子みたいなのを食べた。駐車場で待っててくれたタクシーに戻るとメーターはすでに1万円を越えていたので内心「ひえええ」と思ったが、なあに、今回は豪勢に行こうという約束だ。
とりあえず和倉温泉駅へ行ってもらう。途中ガラス館の前を通るだけ通って説明してもらい、雨の中を来た道を引き返す。能登島大橋を降りたところで、絶好の写真ポイントがあるからというので下ろしてもらい、そこから橋の写真をパチリ。実はこのときもうデジカメのメモリーカードが一杯で、この一枚を撮るために余計な写真を削って撮影した。2GbのSDカードもビデオを多用したらアッという間に一杯である。
その後駅方面へ向かう途中、コンビニへ寄ってもらって携帯に電池から充電するアダプタを買い、旅館へ戻った。

夕飯前へ風呂へ入り、また貸切露天風呂を堪能。この快適さはクセになる…が、シーズンオフじゃないと無理だろうなあ。この日の料理はカニなどやはり海のものが中心。結局肉はまた出なかった。いや、全然いいんですけど。「能登牛」というのをちょっと味見したかっただけなんですが。
…しかし鱧のしゃぶしゃぶが出たのだが、綺麗に骨を取り、薄く切って開いてあるものを、さっと湯にくぐらせて食べるようになっていてビックリ。普通は骨切りをして数センチにそれを切った状態のものをよく目にするものだが、こんなに透けて薄く一枚の状態になったのは初めて見た。
「ここの板さんはタダ者じゃないね」と二人で話す。とりわけ連れ合いは気に入った様子で、しきりに「凄い凄い」と喜んでいた。楽しいなあ。この日もビール3本…。尿酸値…。ヤバい…
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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