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2007-08-04(Sat)

「まことちゃんハウス」

…楳図かずお先生が自宅を吉祥寺市内に建設中、そにお宅が「紅白のボーダー」にペイントされる予定と聞いた近隣住民が猛反発…って例のニュースなんすが(笑)…いやあね、実は「ガロ」編集者時代、神保町でよく楳図先生をお見かけしたことがあって。その際も楳図先生はよくあのファッションだったなあ、というのを思い出します。
もう15年以上前かな、まだ青林堂が神保町の材木屋の二階にあって、俺はよく編集の合間…というより本磨きとか返本整理とか品出しの合間に編集やってたようなもんだったんだけど、とにかく書店から入った注文の本をせっせと出してヤスリがけをしたりカバーとっかえたり梱包したりしてたもんです。それらは取次さんから毎日届く「注文短冊」とかファクスで来る注文一覧表の通りに本を出して、それを添付するなり貼るなりして取次さんにまた持ってってもらうわけなんすね。
でも神保町といえば「本の街」。古書店の数はもちろん日本一ながら、新刊書店もけっこう集まっていて、そういう近隣の書店さんでお得意さんにだけは、我々はエッチラオッチラと本を直接搬入したりしてたものです。例えば書泉ブックマートさんやまんが書店さんなんかがお得意さんだったんすが、よく台車(我々は「ゴロゴロ」と呼んでいた)に注文品を乗っけて、直接本を持ってったわけです。神保町の交差点付近はそういう注文品届け以外にも、もちろん作家さんとの打ち合わせやら昼飯やら夜の酒席やらも含めて、まさに「庭」だった。
ある時ゴロゴロに本を乗せて、文字通りゴロゴロと押して交差点付近のアーケードに差し掛かった時、向かい側、ちょうど小学館と集英社の対面からホイホイッと踊るような足どりで渡ってくる人がおりました。白のTシャツに紅白のボーダーのズボン、頭はもじゃもじゃで小脇に茶封筒を抱えておられた、そう、我らが楳図かずお先生でありました。一度見たら絶対忘れられない風貌というか格好というか、まあ物凄い存在感でした。
「楳図かずお」と聞けば、世間的には恐怖漫画、まことちゃんや漂流教室という「楳図作品」を思い浮かべるかも知れませんが、ご本人を一度見てしまったら、そういった作品群よりもまず「ご本人」の風貌を一発で脳内から検索結果として表示するでしょう。そしてその際のファッションはもちろん、あの紅白のボーダーに決まってます。

今回近隣住民が楳図かずお先生のお宅が来ると知って、最初はまず喜んだと思います。なぜって、楳図かずお先生は天才、漫画界の至宝ですよ。御年70にして全くヴァイタリティも創作意欲もサービス精神も衰えぬ、「ご健在ぶり」なんて言ったらかえって失礼なほどの存在感に、まずは深い尊敬を抱くべきであります。そんな人とご近所さんになれるんだから、まずはその幸運に感謝すべきですから。
例えば我々は水木しげる先生と同時代に生きて同じ空気を吸っていられることを神に感謝すべき(水木しげると同時代にいることに感謝せよ! ---「本日の水木サン」)なのですが、その域に達するというか、そういった存在ってなかなかおりません。楳図先生は数少ない、「あちら側」におられる存在なのです。
テレビ漬けなもので(笑)、ワイドショーやニュースの類はだいたいチェックしているので、今回の「まことちゃんハウス」関連の映像もかなり、見ました。ていうか「まことちゃんハウス」って誰が言ったんだか。クレームをつけた住民は1人か2人だそうで、その他のご近所さんはだいたい全面歓迎は出来ないが、容認という雰囲気だったと聞いているが、本当のところどうなんだろう。で最も強硬な反対派と思しきご婦人のインタビューを見たが、これは失礼ながらちょっと「異常」とも言える嫌悪ぶりでした。「こういったことは精神に苦痛であり、やがて病気になってウンヌン」みたいなことを真顔で淡々と訴えていた。法的には「お前の家は気に入らないから塗り替えろ」とか「お前が隣に来るのは嫌だからよそへ行け」ということは認められないとはいえ、楳図先生側は妥協点も示しているというし、そんな生き死にを言うほどの「苦痛」かなあ、と首を傾げてしまうのが本音だ。
今日の読売新聞によると
 審尋は約1時間、非公開で行われた。住民側代理人の長谷川健弁護士によると、楳図さん側は建物の完成予想図を提出。赤と白の横じまのデザインを認めたが、屋根に設置するのは「まことちゃん」の像ではないと主張したという。長谷川弁護士は「屋根に設置されるのは別のキャラクター『マッチョメマン』を模した塔の可能性が高いが、異様な外観に変わりはない」と訴えている。
ということで、とりあえずは双方がお互いの主張を訴え、これから妥協点を探るようなことになると思うが、それにしても長谷川弁護士は「『まことちゃん』ではなく『マッチョメマン』です、そこのところお間違えなく」みたいな感じで話したのだろうか、真面目な顔で。確かに建設中の映像を見る限り、あの形状が『まことちゃん』になるとは思えないが、それにしても『マッチョメマン』って…弁護士さんが…真顔で…。ああ、腹痛え。
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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