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2007-09-05(Wed)

入院10日目・退院

9月5日(水)
夕べは9時消灯の後テレビ見てたらたらしていたが、10時半ころ消して寝に入る。ところが隣に入った新参のMさん、1時間半おきくらいにトイレに立ち、その都度ドアをバターン!&ガターン!、戻ってきてはカーテンを乱暴にシャーッ! とやる。本気で狂ってるのかと思ったほどの物凄い音である。前のKさんもうるさかったが、今度のMさんはその比ではない。向かいのOさんもさすがにその度に目を覚ましているのが気配で解る。本人は帰ってきたらベッドですぐイビキ。
これではとても寝られず、耳栓をしてもあの騒音はとても防御不能。トイレのスライド式のドアはすべりはいいのだが、ドア自体かなり重いので、閉まるたびに部屋全体振動が響く。だから閉める人は最後に手を添えるか、ゆっくりと意識的にスピードを緩めて閉めないと、必然的に大きな音と衝撃が起こる構造になっている。個室ならともかく相部屋でこれでは、夜中に人が立つたびに他の人は迷惑だろう…と思ったが、ジジィは耳が遠いので平気の平左なのであった。まあまあそんなことぐらいで…という人もまあおられようが、実際夜中に何度も何度も人を叩き起こしておいて、隣ですぐに高いびきをかかれると本気で殺意を覚えますよ、テヘッ。耳栓をしていても今度はイビキがひどいので寝られない。1時、2時、3時と起こされ、最後はもう寝られないのでパソコンからヘッドフォンで音楽をずっと聴いていたら朝になってしまった。一睡もできなかったわけだ。
6時を過ぎても採血になかなか来ないので、そのうちOさんも起きて洗顔を始めたので、俺も起きる。隣のクソジジィも起きて来るが、ケロッとした顔で「おはようございます」ときたのでブッ飛ばしてやろうかと思ったわい。しかし結局年寄り相手に、いやどんな馬鹿であっても何も言えないのだ。世の中には些細なことであっても平気ですぐに人を怒鳴りつけられる人間と、よほどのことが無い限りそんなことはできない、と思う人間がいる。これが「よほどの事」かといえばこちらが我慢すれば済む話で、本人にも悪気がない以上、もうしょうがないと諦めるしかない。
採血は夜勤のCさんが6時半ころようやく来るが、「寝られました?」と聞かれたので思わず「これこれこうでとても無理だったよ」と話すと同情してくれる。だが、だからといってジジィに「トイレに立つ時は静かに」なんて言えるはずもない。「年寄りだから耳も遠いんだろうね、しょうだないよ」と言うと「すいません、そう言っていただけると…」と済まなそう。別にナースがすまなく思う必要はないんだよな、嫌なら個室行けっちゅう話だから。それにしても入院というのはこういうストレスの何と多いことだろうか。

一昨年、癌かも知れないという時期、検査のために左腋のリンパ節を切除手術するので入院した。その時は二人部屋だったのだけど、相方は足の骨折か何かで入院している高校生の男の子だった。その子のところには毎日、殊勝にも彼女がお見舞いに来た。だがその子はパッカパッカと厚底の靴の音を高らかに、毎日病棟中に響かせては病室に入ってきた。「声をひそめる」という行為が全く出来ないらしく、いつもバカデカい声で話し、こちらの安眠を奪ってくれたものであった。
どうしてこういう人種ってみんな声がデカいんだろう、そして他人の迷惑に無頓着なんだろう。ここは病院だ、つまり患者が病気を治すための場所だ。そこでなぜ健康な人間が我が物顔で振舞うのかが理解できなかった。社会では健康な人間の多くが病人への配慮に欠けると思う。だが外の社会はまだまだ健常者が働くための社会だといってもいい。しかしここは外、つまり一般の社会ではなく「病院」だ。全ては病人のためを第一に考えるべき施設の中に入って、病人への配慮が全くないというのは、これはもう知能の問題としか思えない。要するに知能が低い=頭が悪い=簡単に言うと本物の「馬鹿」ということだろう。馬鹿には常識やルールを解いても、往々にして徒労なので時間と体力の無駄である。ならばこちらが我慢するしかない。病人が、健康な人間の愚行にひたすら耐えるしかないのが「病院」という場所なのである。ナースや医師がこういう連中に一切注意しないのも不思議だった。
例えば個室ならまだしも、相部屋の患者が部屋で携帯を使用してたり、メールにしても携帯キーの操作音を切らないとか、何で患者側が「ちょっとやめてくれる?」みたいに険悪な空気作らなきゃならんのだよ、と思う。病院側の人が「そういうのは他の患者さんに迷惑だから、やめてくださいね」と言えばいい話だ。あと見舞いに来る方も、時間外の見舞い、赤ん坊や幼児(つまり静寂を理性で守れない人間)を連れての見舞い、大きな音のする靴を履いて来る見舞い、コンコンと咳をしているくせに見舞いに来る…などなど、病院側がちゃんと理由を説明してくれればストップできる「不愉快」はいっぱいある。患者は病気と闘うのがもちろん本筋だけど、個室に入れる金持ち以外、ほとんどの人が同室の患者同士で感じるストレスとも戦わねばならない。癌のような過酷な闘病の場合、全免疫、全精力を癌に向けたいところなのに、一般人や同室の患者、ひどい病院になると看護婦や医師からさえもストレスを与えられては、まるで背中から撃たれる…どころか集中砲火を浴びている感じだと思う。

…朝食はパンだった。おかずは海老しんじょみたいなすり身のだんご2つと生野菜にドレッシング、あとぶとうと牛乳、なぜか茶。食パン2枚に小さなマーマレードが1袋しかついてないので、最初配分を考えて半分で1枚…と思ったがとても足りないので、結局1袋1枚に塗って、もう1枚は食べずに残した。食後にはストロベリーサンドクラッカーをとっておいた牛乳で数枚食べた。その後はテレビ見つつソリティア、もうすっかり飽きているがやることがないのでしょうがない。PSPとかDSなんかがあったら良かったのだが、入院のためだけに買うのは勿体無い。
その後はNHK地上波でSEA−NYY。王建民が相変わらず打たせて取る堅実なピッチング。開幕から1ヶ月出遅れたにも関わらずここまで16勝と最多勝争いをしているのは立派だ。今アジアNo.1ピッチャーといえば、松坂では決してなく、この王である。その後試合はヤンキースが終盤打線爆発で一方的な展開になってしまった。途中シーツ交換が来るが、今朝は雨のせいで湿気がすごく、蒸し風呂のようだったと交換のおばちゃんが言っていた。
その後ちょっとうとうとしかけると、Oさんへの点滴やからだ拭きだとナースの出入りで起こされる。Oさんは相変わらずまた別の看護婦に血糖値測定くらい自分でやれと言われて、痛いから嫌だとワガママを言っていた。「家じゃちょっと食いすぎたな、て時にたまに量るくらいで、やってないんだよ。痛いんだから、うちのは病院のよりさあ」と言い、看護婦も困った様子で「あ、じゃあいいですもう、OKです」とサジを投げた格好。看護婦さんたちは忙しく各病室を掛け持ちしているから、血糖値の測定だのインスリン注射だのといった自分で出来ることはやってもらいたいのが本音だろう。だがいい年した駄々っ子みたいなおっさん相手じゃ説教するわけにもいかず、諦めた様子である。
その後外は雷が鳴り、雨も凄くなってきた。若い研修医が来て、変わりないかとか型どおりの質問。その際、一応採血結果待って退院の方向でと聞いてたから、その方向でよろしくと希望しておいた。昼前に暇つぶしにソリティアをぼーっと惰性でやってると、隣のジジィが引き出しの出し入れを何度も何度も乱暴にし、挙句ピポパポと携帯いじってるのでさすがに「ボタンの音はダメだよ」とカーテン開けて注意をする。「はい、すいません」とすぐにしまったが、そのしまう際の引き出しの音も乱暴で、ケンカ打ってんのかよと思ったが単に耳が遠いだけのようだ。

「全粥」なのに?…クリックすると大きくなります
その後昼飯は「全粥」と書いてあったのでまだ粥かあとフタをポコッと開けたらミートソース。しばし呆然。おかずはサーモンのマリネ、柔らかく煮たブロッコリといんげん、にんじんをドレッシングで、あとゴーヤ薄切りの入った吸い物、そして茶。ミートソースはすこぶるまずかったが、完食した。食後テレビみてごろりとしていると、A先生の部下の医師が来て、今朝の採血の結果、まだ肝機能がGOTだけが正常値であとは戻りきってないが、順調に下がってはきており、食事も取れているし痛みも熱も吐き気も全くないということなので、午後退院でいいでしょうとのこと。こちらから仕事がたまってるから何とか、とダメ元でお願いしておいて良かった。しかし石はまだ複数胆嚢にあるので、これがまた胆嚢の出口に詰まったり、あるいは胆管で詰まったり、胆管から腸への出口で詰まったりと、厄介なことになる可能性はもちろんあると。その場合はまた激烈な痛みに襲われることになるから、すぐ病院へ行くように、と。また肝機能が正常ではないから、家に帰っても酒は厳禁、食事も油こいものや消化に悪いものは控えるように、なるべくなら安静にしているようにと言われる。うーん、退院祝の祝杯はとうぶんお預けか…。しかし良かった、ようやく退院だ。
<ここまで病院にて>

連れ合いは今日1時半にお姉さんと待ち合わせて病院へ来てくれるということになっていたのだが、さっそく退院OK出たとメールする。それからササ〜ッと荷造りをして、着替えまで全部済ませてしまう。今日はシーツ交換が来たばっかりだったが、結局退院なので無駄になってしまったようで申し訳ない。Oさんは下にタバコにでも行ったらしく居なかったので、とりあえず隣のMさんに「退院になりました、そちらもお大事に」と挨拶。向こうは笑顔で「そうですか、それはそれは」と応えてくれたから、本当に悪気があってドタバタしていた人ではないのだ。ていうかそんなの当り前で、そのことももちろん自分で解っていたのだが。
看護婦さんに会計待ってればいいんすよね、と聞くとそうだというので待ってるが、全然来ない。連れからは2時過ぎにはバスに乗ったとメールが来た。その後婦長さんが来て、「入院の時の手続きの書類で渡していないのありません? あれがないと退院手続きが取れないんですって」とのこと。俺は連れ合いについでの時に入退院受付に出しといて、と渡した書類だということに気付いたが、待ってるのもかったるいので、そのまんま地下の入退院受付へ降りて、カウンタで番号札取ってしばらく待ち、書類無くしたと伝えると、サインでいいから形通り書類をもう一回書いてくれということになる。なのでその場で書いて、その場で会計もしますかと言うのでそうすると伝える。金がファミマで下ろしておいた分と、別口座にある分で余裕で足りるだろうなと思ってたが、いくらぐらいでしょうか聞くと、22…23万までいかないくらいでしょうか、と言われてビックリ。すぐ下ろしてきますといったん入退院受付を出て、ATMでもう一つの口座を照会すると、タイミングの悪いことに何かが引き落とされており、もう金がないと言われる。ジャパンネット銀行の口座にはまだ少し残ってたと思うが、病院のATMでは下ろせない。困ったなあと思いつつ連れにどこにいるかメールするともう病室上がったというので、金足らんから地下1階まで来てとメールする。
しばらくエレベータ前で待ってると降りてきてくれたので合流し、受付で連れに2万もらって手持ちの20万と足して支払いを済ませた。やれやれ、である。領収書と会計が済んだという証明書を貰い、病棟に引き返す。いったん病室に戻り、お姉さんに挨拶して、保険給付金請求の書類で診断書がいるのでA先生に頼むために出す。荷造りはもう済ませていたので二人にも荷物を持ってもらい、退院準備完了。ちょうどそこへOさんが戻ってきたので「お先に退院します」というと「お元気で」と言ってくれたので「そちらもお大事になさってください」と挨拶を交わして病室を出る。
ナースステーションでIさんに会計済の照明書を渡して、お世話になりましたと挨拶をして、エレベータでB1へ。B1からタクシーのトランクに俺のキャスター付旅行カバン、ボストンバッグ、着替えの入った紙袋を積んでもらい、舟渡マンションまで向かう。道々台風が近づいてきているせいか、突然大雨がざあと降ってきたかと思うと、上がったりを繰り返す。舟渡に着くあたりでちょうど上がったので、ラッキーと荷物を下ろして帰宅。何だか疲れた。
一息ついて、お姉さんは5時前まで居てくれ、帰って行った。何かこういうことでいつもいつもお世話になりっぱなしのようで、申し訳ない気がする。ここ何年か、連れだったり俺だったり、いつもいつもご迷惑をおかけしてばかりだ。いつか恩返しできるといいのだが…。今日は連れ合いの誕生日だったが、お祝いどころではなかったねと話すと、俺の退院がプレゼントだと言ってくれた。
その後、夕飯はご飯だけ炊いてもらい、おかずが何もないのでいわし缶詰を開け、納豆やごまおかかふりかけなどで食べた。白飯はやはりうまい。夜はテレビ見て、10時ころには眠くなってしまったので先に休む。

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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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