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2008-01-30(Wed)

ナマモノ

ここ数日下痢が続いている。原因は不明、何か悪いものを食べたり飲んだりした覚えもない。なのでちょっと数日は軽いものを食べるだけにして、家で大人しくしている。そうしていると浮かぶのは好物で、寿司食いてぇなぁ…とか、どこそこの馬刺しが…なんてイメージが浮かんで唾液をグビリと飲んだりもする。
普通白血球数が1500を切るような状態だと、生もの…刺身、サラダなどの生野菜類、生卵などは禁じられるらしい。だがサラダはともかく、刺身は魚だろうが牛だろうが馬であろうが、大好物なのだ。ついでに卵かけご飯も(笑)。ただ本来、刺身は何のものであっても「刺身で食えるものを出すから刺身」のはずだ。じゃなかったら、鮮度が悪ければ加熱調理をして出すしかない。そんなのは常識だと思っている。だから、今のところあんまりビクビクせず、以前のようにおいしいお刺身をちょくちょくいただくようにしている。
でもまれに、「刺身で出せない鮮度のものを刺身として出す」店もある。まれに、ではないかも知れない、東京ではけっこうそういうところに当たったことがある。ギリギリ、加熱しなくてもいいかな…的な鮮度のものだったら、いい加減な店主なら出してしまうのかも知れない。こういうモノが、免疫の落ちている自分には危ないんだろう。
幸い、刺身の鮮度はだいたい一目見れば解るし、一口食えば完璧に解る。舌が肥えてるとかそういう問題じゃなくて、刺身ってそういうものだからだ。今京都で俺たち夫婦がちょくちょくお世話になっているお店は、どこも最高の鮮度のものを出してくれるし、腕も確かなところばかりだ。かといってギョッとするほど高い店ではなく、気取ってもいない。居心地が良くて料理も間違いがない、我々が望むのは別にそれほどハードルの高いことではないと思っている。実際は少ないんだけど。
俺は北海道生まれなので、普通に家庭で刺身をバクバク食っていた。多かったのはやっぱりイカで、「またイカ刺しぃ〜?」なんて今にして思えば贅沢な不満を言ったこともある。イカだけではなくもちろんマグロや鯛や平目といった高級魚の刺身も、大ぶりのぼたんエビなんかも、いつもではないが最高の鮮度のものが普通に食べられたのは、いい経験だったと思う。
近所にはリヤカーを引いたおばちゃんが「イガイガ〜」とイカを売りに来たりするし、身が透き通って箸で持ってもピンとしたものが「イカ刺し」だとずっと思っていたものだった。上京してすぐ、誰かと居酒屋に入って出てきた「イカ刺し」は「消しゴム」だった。東京では消しゴムをイカ刺しというのだな、と思い以後ずっとイカ刺しが頼めなくなったことがある。
鮮度ということで言うと、江戸前寿司というのは関西の押し寿司や巻き寿司などに対して、江戸で始まった「握り寿司」のことを指したらしい(当然東京湾のネタ)が、俺の理解では江戸で取れた地の魚を、昔は鮮度保持が難しかったので「仕事」をして食べさせる、ということだ。なので東京の人は一部の金持ちを除いては、鮮度のいい刺身を食べられないので、ヅケや〆たものを食ってるんだな、という了解をしていた。最近は鮮度保持の問題はもうないし、築地には全国から旬の魚がガンガン入ってくるから、そういう理解はもう間違いなんだろうが、消しゴムを食わされて以来、東京には、いや東京の刺身の鮮度にはずっと偏見を持っている。
もちろん金を出せば、モノはあるんだからしかるべきところで大金払えば食えるのだろう。特に芸能人御用達に多い、確かに新鮮でいいネタなんだろうが、お前らその値段法外すぎねえか?的な店は、たとえ金があったとしても絶対に行くまいと決めている。ていうかどうせ行けねえよ、ハイハイ。…って、とにかく東京は名店も数多くあれど、それに輪をかけていい加減な店も滅茶苦茶多いのも事実。京都の場合は街が狭いし、歴史ある観光都市でもあるのでいい加減な商売はなかなか出来ないせいもあるのか、比較的ちゃんとしている店が多いような気がする。
京都にももちろん、チェーンの安い居酒屋もたくさんある。学生の多い街なので、そういうところは学生さんたちでワイワイガヤガヤと賑やかだ。そういう席ってあんまり刺身なんか必要とされないんだろうし、鮮度もそれほど重視されないんだろうな、と思う。経済的な理由もあるだろうし。
関係ないが刺身(お造り)という「料理」は、鮮度が命なので鮮度さえ良ければ板さんの腕前はあまり関係ないと思われるかも知れないが、そうではない。もちろん切り方や付け合せ、他の料理との組み合わせ方などいろいろあるのだが、一番は旬の時期にいい鮮度でそれを仕入れる「目」だと思う。それはまぎれもなく板さんの腕だ。

連れ合いは以前、東京のなじみの店の一軒で生牡蠣を食べて当たったことがある。それ以来彼女は生牡蠣が怖くて食べられなくなった。別段ひどい中毒症状に苦しんだわけではないが、ツルリと食べて咀嚼した瞬間の生臭さと何ともいえぬ食感に吐き気を催したそうだが、その後悪い予感は当たってしまったというわけだ。確かに一度そういうモノを味わってしまうと、次はなかなか食べづらい。
まだまだ牡蠣のおいしい季節だが、さて京都へ来て、連れは牡蠣恐怖症をいつ克服できるだろう。
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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