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2009-04-25(Sat)

洋食店、買い物、普通の日常…

4月25日(土)のこと
朝イチゴジュース。昼は連れがインスリン注射をしている間に俺が目玉焼きとハムを二人分焼き、注射の終わった連れ(…妻のM)が参加してマフィンパンを包丁でスライス状に上下に切って、バターを塗って焼く。
軽く焼けたところで、目玉焼きとハムを挟み、テーブルへ持って行ってTVを見ながら二人でぱくついた。俺が卵の黄身を最初にカブッとやったら皿にどろっと黄身出てしまい、手も黄身だらけになる。Mに「考えて噛めよ」と突っ込まれる。
このハムは近所のHという有機野菜や自然食のスーパーで買ったやつで、うまかった。

外は雨がしとしと降り、低気圧が来ているというので、二人とも体がちょっとだるい。俺たちは低気圧が苦手だ。外の気圧が下がると、体内もほとんどが水分のせいか、あるいは自分の場合は腫脹があるせいなのか、体がきつい。血管が疼いたりするのか、Mは腎臓摘出痕の右腹が痛むというし、俺の場合は巨大にふくれた脾臓が脈打つように重苦しくなる。

夕方、作るのもしんどいし「どっか食べに行こうか」と話すとMが「ラーメン街道の洋食屋は?」というので、いつもタクシーで通りかかった時に気になっていた小さな洋食屋へ行くことにする。
降ってないのかと思って傘をたたむとけっこう霧雨っぽい面倒な雨の中、傘をさしててくてく歩く。
「思ったより遠いなあ」と話しつつ、北泉通りも越して、サークルKまで出た。その斜め向かいに「シチューの店」があったので、「ここだっけ?」というと「そうだっけ?」という。
なので店の前でメニューを見つつしばらくたたずむが、Mが「あっちにもあったよ」と言うので、数メートル上がったところにあるこぢんまりした洋食屋の前へ行く。
コースというかセットというか、手書きのメニューが貼られている。それを見て「わたしハンバーグ食べる」とMがいうので、こちらの店に入ることに。

カウンタだけしかなく詰め込んでも7〜8人までしか座れない、キチキチの小さくて古い洋食屋さん。ヒゲをたくわえたコック服の旦那と、エプロンをした奥さんの二人がカウンタ内から「いらっしゃいませ!」と元気で礼儀正しく迎えてくれた。良さそうだな、と思って手前左奥のカウンタに座る。
俺の左手にMが座り、メニューを見て、俺はビーフシチューとエビフライのセット、Mはハンバーグとエビフライのセットにした。
最初はクリームスープが小皿で出て来たが、味も良くMは「おいしいね。量もちょうどいい」と言っていた。俺も「うまい」と思い、これなら料理も期待できそうだと思った。
続いて奥さんが出してくれた野菜サラダも、何てことはない小さなガラスボールに入ったものだが、なぜかMが好きなもやしの薄い甘酢味にカレー風味をつけたのが乗っていて、Mに「ねえ、これあなたの好きなやつじゃない」と言ったら「本当だ」と言って笑う。
メインはMのハンバーグに目玉焼きとエビフライ、ほくほくのジャガイモに焦げ目が軽くつくくらい焼いたものを添えたプレート。「おいしそう」と言って食べ始める。ハンバーグの大きさは俺には小さそうだが、Mにはちょうど良さそうだ。
Mの食べる速度を考え「先に食べてていいよ」といつものように促す。まあ言わずとも、ア・ウンの呼吸だけど。
俺の方は、ハンバーグと目玉焼きがビーフシチューに置き換わったプレートが出て、その他に両方ともご飯、味噌汁、青菜の刻んだおしんこがついた。
Mは「ご飯、ほんのちょっとでいいです。3分の1くらいで」とお願いしたが、俺の方へはなぜかその分?、てんこ盛りで来た。
Mは「目玉あげる、とって」というので、目玉焼きを自分のプレートに移す。「あ、そうだ、昼エッグマフィン食べたからか」と言うとニヤリと笑った。まあ俺は食うけど。
肝心のメインの味は、ムチャクチャおいしい! というほどではないが、まあまあおいしくいただけたし、Mは味はまあまあだけど、量がちょうどいい(つまり少なめ)と言っていた。
店内は古く、お世辞にも綺麗とは言い難いが、真面目に商売をしている印象。
帰りがけ会計をしようと財布を出して立ったらちょうどガラガラ〜と二人の客が入ってきて、「どうもしばらくです!」と言うと店主夫婦が「おお!久しぶり!」と言って笑顔で迎えた。いっきに賑やかな話し声で満たされる。二人の若い男性で、20代半ばかという感じ。片方はよく見たら外人だった。
そのやりとりをバックにMは俺が誕生日にプレゼントしたアニエスb(ベー)のオレンジのバッグに、「洋食の店ますむら」と書いてある箸袋をそっと入れた。気に入ったのかな。
2200円くらいの会計をして、腹一杯で二人とも「ごちそうさまでした」と言って出た。

まだ小雨というか霧雨が待っている。んで焼き肉屋「いちなん」の左側をまっすぐ行こうとしたら、Mが「ねえ、あそこのスーパーでイチゴとか買おうよ」というので「あ、そうか」と引き返す。
朝食のエッグマフィンに使ったハムを買ったHというスーパーのことだ。値段は普通のところよりほんの少し高いが、有機野菜とか無農薬の野菜や食品が豊富である。イチゴとレモン、納豆などほんの少しだけ買い物をする。
Mは酒を(前のように)飲めなくなったので、何かおやつが欲しいな、と言ってグレープ味のゼリーの袋入りのを買った。
それらをぶら下げて、「そういえば二階のベランダのネットを吊るS字型のフック、あそこに売ってないかなあ」と俺が言うと「一応見てみようか」ということにして、曼殊院道を左折して大型店のドラッグストアへ向かう。
奥にそれらしい文具などの簡単な売り場はあったが、目当てのものは無かったので、クイックルワイパーの換えだけを買って、レジに並んだところで猛烈な差し込みがきた。「あ、ウンコしたい…」と言うと「先帰んなよ、すぐ!」と言うが、「大丈夫、波が何回か来るから。いったん収まれば家まで帰れる」と言っていったん我慢。結局二人でゆっくり歩きながら帰れた。途中にある気さくなカウンタ割烹「M」の灯りをうらめしそうに連れが見て、「明日病院だから仕方ないよ」と俺が言うと黙って頷いた。

家へ帰ってすぐトイレ。少し下痢気味、でもこれが俺のデフォルト。
Mは着替えるとソファに座り、さっそくゼリーを1個口に入れたが、瞬間「何コレ、まずい!」と言って吐き出す。「こんにゃくゼリーみたいなやつかと思ったら寒天だ〜。おいしくない」と言ってそのまま袋ごとゴミ袋へドサ! と捨てる。捨てる時に食べ物を捨てるので「ごめんなさい」と小さな声で言って手を合わせる。いつもそうするけど、まあこんなところも長年一緒にいるからか、二人ともおんなじ行動をする。
体にいいとか自然食とかそういうのって、こういうこともあるよなあ…とか話した。
それからはテレビで草○君の「全裸事件」続報などで二人で大笑いしたり。そのうちMは晩酌ができなかったのがつまらないらしく、冷凍庫からチョコ味のアイスバーを出してきて、かじり始めた。その後はソファに転がってうとうとし出す。

11時過ぎには上へ行って、ベッドに横になりながらテレビを少しだけ見て、11時半か12時前には消して、寝た。




俺の人生で最大最悪の悲劇が起きたのは、この何でもないふたりの日常から、たった2時間後のことだった。
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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