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2009-05-04(Mon)

「Only Yesterday」

20:04
その後、ももちゃんとゆうちゃんに今日の様子を報告した。ゆうちゃんは昨日の俺のパソコンからのメールが受信拒否設定で読めなかったらしい。何となく返信が無かったので今日は携帯から二人にメールをするように戻した。
その後しばらくして、ももちゃんから返信が来た。

夕べ夢の中に三津子が出て来たという。

真っ暗なトンネルを歩いていて、
「こんな不衛生なところ、早く出ましょ!」って三津子が言ったところでハッと目が覚めたのだという。「だからママのお父さんやジローたちに、早くトンネルの出口へ連れてって貰えるようにお願いする」と。
俺もすぐお線香を3本つけて、三津子のお父さんや、三津子を可愛がってくれたと話していた、おばあちゃん達に祈った。

「三津子さんは迷っているようです。早く、連れだして下さい。導き出して上げてください…。」
それから立ち上がって、部屋の中を声を出して見回しながら呼びかけた。

あなたはひょっとしたら今、迷っているのかい。
俺は全てを達観しているものと思っていたんだけど、違ったのか。
あなたの肉体はもう、戻ってはいけない体になっているんだよ。
あそこに執着していては駄目だ。早く抜け出て、自由になってくれよ。
ほら、何で君の結婚指輪がここにある? 何で俺のネックレスに通ってる?
あなたは今、どこに居る? 見てるんでしょ?
俺には残念ながら君の姿が見えないし、声も聞こえない。
あなたはそのことを知って、混乱しているのか?
自分の声が届かない、触っても解らないって、ひょっとして混乱している?
あなたの手を握ったり腕を組んだり、抱きしめたり出来なくなるのは俺も辛い。
俺だってあなたの肉体が無くなってしまうことを、完全に受け入れられていない。
でも何とか、ちょとずつ今、時間をかけ、理解しようとしているじゃないか。
あなた自身も恐らく、気が付きつつあるんじゃないか?
もう迷わなくていい。早く自由になって、本当に側に来てよ。
三津子さん。
何か解るように返事は出来ない?
壁を叩いてもいい、あの飾りを動かしてもいいよ。
とにかく、もうそのトンネルを出て、光の方へ向かって…。

知らない人が見たら芝居の稽古か、あるいは気が違ったかと思うだろう。
でもこちらは大まじめだ。真剣に話しかけている。

ももちゃんから「ジローにもお願いしてみる」とメールが来る。
たいそうなことは頼んでないが、今まで、三津子が最も愛した猫のジローへの願いは全部叶ったそうだ。そういや昨日・一昨日か、ジローの写真だけ額に入ってなかったのを可哀想に思って、綺麗に額装したばかりだ。そうちゃんやマイちゃんの額と一緒に、三津子の写真を囲むように置く。

これまで忘れ物を気付かせてくれたり沈んだ気持ちを笑いで盛り上げたり、そういうことを身の回りでやってくれたのは、「確信的に」やってくれていると思っていた。
違うのかい?
それとも自分は普段と同じように俺たちが沈んでいると、わざとふざけてくれていたのか。それでもずっと俺がふさぎこんだり写真に向かって話したりしているのがおかしいと思うようになった? なぜ自分から話しかけても答えてくれないんだろうって思った? それは…。

フと見るとPCの方に函館のお袋からメールが来ていた。
三津子さん三津子さん、悔しい悲しい、悪夢なら醒めてと彼女の魂を引き留めている。何度かのやりとりのあと、安らかに旅立つよう皆で祈る。

全てがつながっていて、動いていることが解る。
あとは、迷わないように、光の方へ進め…、そう願い、祈ろう。
不思議と涙は出ない。俺は強くなったのか、人として階段を着実に登っていられているか。

人のせいにしない。
人を呪えば自分に返る。
他人に迷惑をかけない。
悪いと思ったら謝ろう。
良くされたらお礼をその都度言おう。
人として恥ずかしくない生き方をしよう。
変な宗教みたいで何だが、当たり前のことを当たり前に実践し生きて行くことは難しい。
こんなこともキチンと出来ていなかった自分が情けなくて仕方がない。

よそ様にはそこそこいい顔をしていたくせに、最愛の「連れ合い」にはなぜおろそかになる?

看護婦さんにはしたり顔で「墓に布団はかけられませんしね…」などと言えた口か。
愛するひとにその愛を告げること、相手に愛されている、必要とされていることをちゃんと理解してもらえるようなことが、そんなに「恥ずかしい」ことか。
当たり前のこともまともに出来ない人間の方がはるかに恥ずかしい。
辛いのはみんな同じ、楽々と生きられる人間は「何か」に「気付いていない」方が多い。
誰かのせいに転嫁したり人を非難するのは、やめにしたい。そして祈りたい。

今朝…いや日中からなぜか、どうにもカーペンターズの「Only Yesterday」が頭の中で鳴り響いている。気が付いたら口ずさんでいる。
きっとこの歌詞が彼女からのメッセージだ。でも調べられないでいる。
知るのがちょっと怖いような気もする。
21:47
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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