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2009-05-16(Sat)

油彩を額装

5月16日(土)
夕べは三津子の写真に話しながらビールを飲んで、寝たのは12時ころ。今朝は7時過ぎからとろとろうとうと、起きたのは9時過ぎだったか。10時半くらいにカップの天ぷら蕎麦を食べ、それからNHKを見ていたが何となくつまらないし、民放はもっとつまらない上に下らないので、映画でも見ようかとDVDのライブラリを探す。
うちではレンタルで借りてきたり、BSや東京に居た頃に加入していたCATVなどで映画をやると、面白そうなものは録画してある。けっこうな量だ。その中から、結局2枚組という長尺ながら「シンドラーのリスト」を見ることにした。

マリア様 油彩P8号、未完1時前くらいに宅急便で注文していた額が届いたので、梱包をほどいた。
一つはP8号(455×333)という大きさで、これは三津子が描いた油彩の、マリア様が優しく手をさしのべているものを収めるため。まだ未完成の作品で厚く色を重ねていく前のものなので、色彩が水彩のように薄いのと、いつもの「紫」のサインが入っていないのが残念だ。
けれどその分、本人の性格のように優しく、慈愛に満ちたマリア様のお顔が素晴らしいと思う。額装してみて、改めていい絵だな、と感動した。ガラス額は高いのでアクリルにしたが、それでもけっこうな重さだ。どこかに飾りたいけれど、キチンとした設置をしないと落ちたら大変と思い、いったん箱に入れ、三津子の仕事机に置いた。

もう一つはF20号(727×606)と少し大きめのもの。三津子のホームページにも掲載してある「かわいいもの」というタイトルで描いた明るい油彩画だ。
ピンク地をバックに、集めていたキューピー人形のバリエーションを中心に、ぬいぐるみ、引っ張ると手足が伸びる変な宇宙人のゴム人形など、彼女のお気に入りの「かわいいもの」で埋め尽くしてある楽しい絵だ。
これを額装して、精華大に寄贈して飾ってもらおうと思っている。

F20ともなると額装を一人でやるのは結構大変な作業だったが、何とか汗だくになって完成させた。
やっぱり額にキチッと納まるとこれもいい絵だな…と思った。うちにはまだもう一つ「祭の午後」というF50号の大作もあるが、さすがに50号の額装は一人では無理。家の中に置いておくのも大変で、これもどちらかへ寄贈しようかどうか迷っている。俺は手元には未完成のマリア様があれば充分だし、子供たちの家では置けないだろう。
それにつけても、何をするにも一人なので本当に大変だ。
ここのところ日常の雑務は当たり前ながら、挨拶状作りや宛名書き、切手貼りや何やらでもうへとへとというのが正直なところ。でも誰も手伝ってくれる人はいないし、俺がやらなければ誰がやる。

「かわいいもの」2000年 油彩F20号昨日は唯一明青さんのおかあさんだけが、メールで「手紙届きましたよ」と言ってまた励ましてくれた。「ビール飲んで寝るしかないやんか!」と言ってくれて、そうだよね、三津子と一杯やろう、と思って飲んで寝たわけだ。13:45、途中だった「シンドラーのリスト」を再開する。

「シンドラーのリスト」を見終わり、特典映像の実際のホロコーストの生存者、シンドラーのリストの生き残りの人らの証言を見終わると5時近かった。今日届いた額縁を入れた巨大な段ボールと中のクッションを捨てに下へ行くと、小雨がさあさあと降っている。
その後は相撲。それから6時のNHKニュース。最近ニュースも新聞も真剣に見ていないのだけど、今日の夕方のニュースで神戸で新型インフルエンザの感染者が出たというのを聞いて驚いた。海外渡航歴のない高校生ということで、ということは、感染者が海外から持ち込み、今も知らぬ顔で菌をバラ撒き続けているということになる。
これは可能性があるとかないという問題ではなく、もう厳然とした事実だ。そして、関西圏で起きたということは、近畿一円に拡がる可能性もあるということになる。京都はただでさえ全国から不特定多数の人が出入りするところだから、マスクや手洗い、うがいなどをこれまで以上に気をつけよう。
今のところこのインフルエンザは通常の免疫力の人なら、さほど命に関わることにはならないという。なので「騒ぎすぎだ」という人やメディアもある。
冗談ではない、と思う。
確かに「発熱外来」を慌てて設けたりすることは落語のような話だと思う。なぜなら、いまだに「病院」というところは感染の最も起きやすい場所というパラドックスがあること自体が問題で、そのことが放置されたままだからだ。咳やくしゃみをしているのにマスクをせず、平気でそこらに菌をバラ撒くのを周囲が、あろうことか病院が放置している場合も多い。本人に「他人に移したらまずい」という知性がないことにも驚く。
そういう教育を周知徹底させ、病院では必ずそういう人には注意を喚起し隔離する、それを徹底させれば「発熱外来」など必要ない、通常の医療体制で十分だろうと思う。
俺は白血病で免疫力が著しく低下している。人が集まるところを避けよと言われても必ず病院へ行かねばならない。
「騒ぎすぎ」という人は、こういう人間も居るということへの思考が欠落しているのだろう。
18:16

…その後、これも録画しておいたフランスのドキュメンタリ「ヒトラーと4人の女たち」を見た。さらにはずみがついて映画「Hitler」も見る。
何か人類史上希に見る独裁者とそれに関わる悲劇…これも600万人が虐殺されたという人類史上希に見る悲劇を見ていると、あまりに浮世離れしているためか、やはり一人で現実を忘れて没入できる。
それにしてもエヴァ・ブラウンとかレニ・リーフェンシュタールとか言って「ああ、あの」とすぐ打てば響くような人って若い世代でどれくらい居るんだろうか。今は何かちょっと解らないことがあれば、すぐネットで調べたりWikipediaで調べて、「他人の主観」で書かれたことを「真実」であるかのように受け売りをすることが出来る。大学生の卒論や、博士課程の論文でさえそうしたものの切り貼りが多いと聞くが。

漫画や小説映画や音楽だけではなく、自然、動物、宇宙、人体、遺伝子や脳科学、先端医療、人類の発祥、失われた文明、深海への探査、そして不思議なことやお笑いや面白い切り口のバラエティ。
長く夫婦をやっていると、お互い打てば響くような会話が出来るようになる。好奇心や知的探求心の範囲をお互いかなり広く持っていた分、その重なりも大きかったし、長年一緒に暮らしたことでお互いの領域へとそれは拡がっていた。
そういう本当の意味での「連れ合い」である三津子を亡くしたことが、やはり寂しい。
今さら誰かと暮らすようなことが起きても(それは絶対にあり得ないが)、これらの共通の話題を普通に話せる、楽しめる相方が現れるはずもない。

20:24
たった今、三津子の旧友で長野に住む丸山節子さんから電話があった。三津子の死を俺からの挨拶状で知ったそうで、驚いて電話してきてくれた。何年か前、東京にいた頃に一度訪ねてきて下さり、わが家へ泊まっていただき、3人で飲んだことがある。その後何度か信州の採れたて野菜を送っていただいたりもした。曲がったキュウリやなすは土の匂いがして美味しかった。
丸山さんは「…でも白取さんと一緒になって良かったと思いますよ。山田さんいつもそう話してたし。私はね、彼女の前の旦那のこととか、昔からよく聞いてましたからね」と言ってくださる。古くからの親友なので、俺の知らないことも当然一杯知っていて、いつかそういう話をしたいと思っていたという。
俺もそういう話を聞くと思わず涙が出てしまう。
三津子は本当に俺と一緒で良かったんだろうか。旧友にそう言って貰えたことなど俺は知らなかったし、ひょっとしたら今の俺への慰めなのかも知れない。それでもいい、今そう言っていただけることが何よりも嬉しい。
長野とかへ寄ることがあったらぜひ連絡してください、とも言われる。恐らくはないとは思う、けれどそれでも本当に有り難い。身内でさえもう普通の日常へと戻っている。俺だけが時間が止まったかのように、いまだ三津子の死を悲しみ、乗り越えようともがいている。こういう人の言葉の何と有り難いことか。
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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