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2009-07-08(Wed)

忙しい日

7月8日(水)

夕べは「差し向かい」でビールを飲んだあと、寝たのは12時ころ。
三津子が倒れた直後からしばらくはほとんど何も食べられず飲めず、5kg以上痩せた。もちろん今は回復したが、とにかく飲めて食べられるようになったのは、彼女の写真と「差し向かい」が出来るようになってからで、それからいつの間にか、そうせずにはいられなくなった。
一日の仕事を終えて夕方になると台所へ立ち、三津子のぐいのみに冷酒を注ぎ、ウーロン茶を氷入りに差し替える。いつも彼女が飲んでいたのと同じかたちで、写真の前に置く。それから、あるものでつまみを作って、彼女の分も陰膳をし、乾杯をして、一緒に飲む。
今朝は目が醒めたら6時だった。すぐまたうとうとして、7時過ぎに起きた。今日も曇り空だが明るい。下に降りて見る吉田山のこんもりした緑が近い。

日中はやることがたくさんあって、溜息が出る。

だいたい、三津子が亡くなった後、この部屋を出るための荷物の整理や、引越の算段をするつもりだったが、そんなのは土台最初から無理な話だった。俺一人ではとてもとても、8月までになど出来る作業ではなかったのだ。遺品の整理、不要なものは処分し、原稿や原画などはキチンと整理。本棚に入れた本もある。
それらをやりながら、三津子の作品のリストを作りクロニクルを作成し、原稿を全部一度確認して封筒に摘要を書き入れて再度整理をする。誰かに聞かないと解らないものもけっこうある。
大学の研究室も手つかずのままだ。俺が行って一人でこつこつ、彼女の遺したものを整理するしかない。最終的には部屋に残すものと捨てるものを分け、何とか綺麗にしたいが、おそらく俺一人では無理。そんな中、不動産屋を廻って部屋を探して荷造りを…なんて、俺が健康な男だったとしても難しかっただろう。
もう何もかもが一人では遅々として進まず、日常のことで手一杯というのが本音だ。
パソコンに向かうが、日常の仕事のうえに作業がありすぎて、ついついぼーっとニュースを見たりAmazonを見たり、現実逃避の傾向が出る。
それでも今日は仕事のデータが来たので、それを集中して片付ける。気が付くと3時で、目はしょぼしょぼ、肩腰両腕がガチガチに疲れた。

夕方はスーパーまで行く気力がなく、コンビニで明日のおにぎりとサンドイッチ、今日の夕飯に鱒とカニ&錦糸玉子の押し寿司を買って戻る。
その後またちょっとパソコン作業をして、気が付いたら6時過ぎ。もう集中すると数時間が平気で経過する。「もうそろそろ今日はおしまいにして」と言ってくれる人がいないから、ワーカホリックにならないよう、6時以降は仕事をしないことに決める。
三津子に大根のべったら漬けとセブンイレブンで買った押し寿司を切って酒とお茶をあげて、お疲れ様で一杯。
ユキは耳が聞こえない分不安らしく、俺の側を離れない。
シマはずっと二階で寝ているようになったが、時々思い出したように降りてきては甘える。そのたびに「ちゃんと可愛がる」ようにしている。
猫はクールに見えるという人がいるが、甘えたがりで、寂しがり屋な生き物なのだ。おまけに嫉妬深い。

甘えるシマこないだ子供たちに送るために三津子のバッグを整理していたら、あの人らしくポケットティッシュ、小銭、チューインガム、インスリン注射の針などが、それぞれのバッグからわらわらと出て来た。
いつも学校で使う資料を入れて持って行った信三郎帆布のトートバッグには、その他に猫の乾燥エサ=通称「カリカリ」の試供品の袋が数個入っていた。動物病院が犬猫の療法食を通販しているサイトから、注文品と一緒に同梱されてきたサービス品だ。
うちの猫は尿路感染症や腎臓病用の乾燥餌か、そのパウチしか食べない。なので、三津子は貰った試供品の小袋を5つほどバッグに入れて、大学の野良猫にあげていた。
あの人の、ずっしりと小さな肩に重く食い込んでいたバッグには、こういうものも入っていた。帰りがけ、いつも大学の猫たちに鳴き真似で「ニャオ、ニャオ」と声をかけては、しゃがんでカリカリをあげていたのだ。

フと思ってソファに横たわるシマにその小袋の封を切り、手のひらに載せてひとかたまりやってみると、思いの他気に入った様子でアッという間に食べた。なので、いつものカリカリのボウルに誘導してそこへ残りをあけると、カリカリと嬉しそうに食べた。
シマはこのところ、ユキにマグロをやると欲しそうにするので試しにやったら食べたり、どうも以前に比べてユキへの対抗心というか嫉妬心もあるのだろう、何かと嗜好が増えた。
猫も寂しいのだろう。
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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