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2009-09-16(Wed)

夢、水引、政権交代

9月16日(水)

朝方また、夢を見た。
俺たち夫婦が暖房の効いた暖かい部屋にいた。家具もないピカピカに磨き上げられたフローリングも新しい部屋で、床に普通に座ってくつろいでいた。
俺は立ち上がってトイレに入って座り、小用を足すと、便器の内側がちょっと汚れていた。我が家ではもうここ数年来、男も座って小用を足してもらうことになっている。(男性が立って様式便器に小をした時の飛沫が便器周辺にどれだけ飛び散るか、という実験映像を見てから、自発的にそうするようにした)
「ああ、トイレ掃除しなきゃ」と思い、流した後で傍の掃除用具と洗剤で便器を掃除してから、トイレを出る。トイレを出たところの正面にある蛇口から水を出して手に受けると、それは洗濯機だった。慌てて止めて、右手に座っている三津子に向かって、照れ隠しに声に出し「間違って洗濯機で手を洗おうとしちゃったよ」と言った。
三津子はフローリングの上で横座りをして笑っていた。俺は洗濯機の左隣にある洗面台で手を洗いながら、洗濯機(なぜか蛇口と受け皿のようなものがあって、一度も見たことのないもの)もあちこちに汚れがあるので「これも後で綺麗に磨こう」と考えている。
手を洗い終えて、右手に三津子を見ながら、左手つまりトイレを背後にした壁側にある窓の方へ近付き、外を見る。
窓といっても正方形のもので、生活感のない小窓だ。季節は秋も遅いようで、木々には枯れ葉がある。街中ではないようだ。振り返ると、三津子は薄いピンクの、いつも来ていたトレーナー式のスエットの上下のパジャマ兼室内着を着て、床の上でにこにこしてこちらを見ている。
部屋の中は、東京にいる時に新築で入ったばかりの時のような、綺麗なフローリングだ。家具類は何も無く、トイレから出て来た時にあった変な洗濯機とその横の洗面所周辺は生活感があったが、それ以外の周囲は思い出せない、というより見ていない。
三津子はクッションさえ置いていない床にただ、座っていた。

俺は突然、大変なことに気が付いて、窓ぎわから彼女の元に走り寄った。フローリングがつるつるでよく滑り、ランナーがベースに滑り込みをするような格好で彼女の傍へ座り込み、それから彼女の体を思わず抱きしめた。
彼女は無言だったが、黙って俺に抱かれている。なぜ、突然そんなことをするのかという風情で一瞬キョトンとした顔をした。暖房が効きすぎるというように、俺に抱かれながら傍らの障子かスライドドアだかをすっ、とほんの少し開けた。それから、三津子も目を閉じて俺の背中に両手を回して抱き合うかたちになった。
俺は彼女を両手で抱きしめながら、
「あんた今まで何してたんだよ、どこへ行ってたの? あれからもう…何ヶ月だ? 今はもう9月、10月?」などと言いながら、ぎゅううっと抱きしめた。三津子は両手を俺の背中に回して、無言で目を閉じていた。
両手で包むように抱き、時々髪を撫でてやるが、髪は洗いたての乾きたての質感だった。間近で顔をよく見ると、化粧っ気も全くなかった。ほんのりと血の気があり、健康そうな顔色までちゃんと見てとれる。元気だった頃の、風呂上がりに髪を乾かした直後…といった風情だった。
俺は抱きしめながら「本当に今まで俺がどれだけ…。どこ行ってたんだよ…」と言葉につまり、あとは涙声になる。彼女は困惑したようなあの「困り眉」で、笑顔のまま俺に抱かれてじっとしている。

そこで目が醒めた。

俺は二階の寝室のベッドの上で、左を下にして、誰かを抱いた形で両手を交差させて寝ていた。自分の背中を抱いていたのではなく、「そこに誰かが入っていたように」、両手の中には空間があった。しばらくそのかたちのまま、じっとしていた。

以前二人は抱き枕をそれぞれ持っていたが、俺のは反対側の右側にあった。抱き枕を抱いてたのではない。
たった今まで、俺は両手で三津子を抱きしめていた。
事態が把握できた…つまり夢だと解ったので、時計を見る。まだ6時過ぎで、右隣の三津子のベッドの上ではいつものようにユキがすやすや寝ている。
俺が泣いていたのは夢の中だった。けれども、朝の柔らかい光で明るくなった部屋のベッドの上で、今の光景が全て夢だったと理解して「三津子…」と声に出すと、涙がぽろぽろ落ちた。
彼女が生きて一緒にいた、何と幸福な夢だったんだろう…というその幸福の余韻があるだけに、何と現実は残酷なんだろうと思った。
この夢と、たった今まで両手の間にあったぬくもり、体の質感を忘れたくないので、寝室から降りて、この記録をつけた。am6:45



夢の記録をつけてからすぐ、片付けものをして、三津子にいつものようにお茶とお水をあげて線香を立てて合掌。
「出て来てくれて、ありがとう」と声をかける。
それから7時過ぎ、着替えてコンビニへサンドイッチを買いに出て、すぐに戻る。
こないだここにも書いた例の「押尾事件」というより犯行現場を提供した野口社長の責任を問う声がやまない…というニュースサイトを教えてくれたTさんから謝罪のメールが届いていた。
「どうにも腹にすえかねる事件なので思わず出しゃばっちゃってすいません」とのこと。
確かにあの後すぐに妙な上げ足取りのメールが匿名で(だいたい、そういうことを言ってくる奴は顔や名前を明かさぬものだが)届いたりしたので、「俺たちのような、一応業界の人間はあんまりああいうところには出ない方がいいんじゃないか」と忠告しておいた。

外はうっすらと比叡山の中腹に霞がかかったようになっているが、日が射して過ごしやすい穏やかな天気だ。今日も合掌。
9時過ぎ、明青のおかあさんから電話。
「ちょっとお渡ししたいものがあるので、下までいいですか」というので、こちらもBunさんからいただいた梅酒を半分に小分けしたのを持って降りて待つ。しばらくすると、マンション下におかあさんが到着、何と三津子が種をあげた水引が元気に育ち、「ちょうど紅白が揃ったから」というのでわざわざ持って来ていただいた。
三津子が育てていた紅白の水引はもう、うちのは夏の間に枯れてしまった。しかし彼女が育てて取っておいた種が、渡辺さんのお宅でこんなに元気に…と思うとジンとくる。
味見程度の量ですいませんが、と「クラッシュアイスでちびちびやるといいですよ」と梅酒をおすそわけして、手を振って去るおかあさんを見送る。
水引をいただく
部屋に戻り、さっそく水を入れたちょっといいコップに生けた。遺影に「ほら、こんなに綺麗に育ったよ」と見せて写真も撮ったり、今朝の夢にも出てくれたし「朝からいい日だなあ」としみじみ思った。

その後一休みしているとお袋から電話がある。たまたま見た雑誌に「癌には青魚がいい」とか書いてあったというが、まあその類の情報ならたくさんあるし…と苦笑。向こうもそりゃそうだ、と言っていた。1時間ほど世間話。
その後も仕事をして昼飯のあと、食休みでテレビを見る。
TBS(こちらではMBS)の「ひるおび!」くらいしか新内閣誕生を伝える番組がないので眺めていると、右下に小さくワイプ画面で国会の様子が中継されている。それが突然無くなり、映画「ゴースト」でデミ・ムーアの相手役をやった俳優の死のニュースになって、話そのまま映画情報に。
パトリック・スウェイジが57歳、膵臓癌で亡くなったというニュース。癌が発覚した段階ではもう?期で化学療法を続けていたそうだが、海外のゴシップ誌では恐らくその影響でやせ細り見る影もなくなった写真が掲載されていて、辛い商売なのだなあと思った。
で、それらの一通りのお悔やみのあと、出演者の石黒賢が「この俳優はゴーストだけではなく、元々ダンサーでもあり、『ダーティ・ダンシング』というミュージカル映画でも吹き替え無しでやるほどの役者だった、ボクらの世代には溜まらない」という内容のことを悲痛な表情で言うのに頷いていると、司会の恵がウンウンと悲痛な表情で頷きながら、
「鍛え上げられた筋肉、肉体で表現するというか、そんな印象がありますよねえ」とトンチンカンな相づちをうっていた。
確かにどんなに興味範囲外・守備範囲外のネタにも瞬時に反応するこういう「瞬発力」というか、ある種の「小器用さ」がないと生放送の司会は仕切れないのだろうが、逆にそういう場合はそれなりに瞬時に的確な語彙を選択する「早押しクイズ」を続けているようなものだ。
つまり正答=コメントを誤ると、逆に「心の無さ」や「無知」が浮き彫りになることもあるので、つくづくテレビとは怖いものだと思った。思ったし、その現場で普通に働く、つまり一般の大衆の耳目に我が身を晒すということを思うと、さらに怖いと思う。
テレビ業界で長く仕事を第一線で続けるということは、つまり、そういう異常な状況下に長く置かれることになるので、そりゃあ通常の感覚が鈍麻していくのは仕方のないところだろう。だからといって麻薬や覚醒剤に逃げるのは論外だが。


その後2時から衆議院本会議の中継がNHKで始まったので、仕事の合間にチラチラ見る。例の「動議」で正副議長の選出などを終えた後、首班指名選挙へ移る。自民党の面々が議長に向かって右手、つまり画面で見ると顔の左側が映るのを見るのは、何かとても違和感があった。
左翼から席順通りに点呼が行われて投票が粛々と進む。投票が公明党から自民党に移り、新人議員から席順に投票、しばらくして麻生前首相が投票の後でいつもの「右翼」側つまり与党側へ戻りかけて「あ、違った、俺らこっちだっけな」というような感じで苦笑して、左翼席へ戻っていった。町村信孝が苦り切った表情で叩きつけるように投票箱へ用紙を突っ込んでいたのが印象的だった。
民主党側に投票が移ると、やはり新人議員から登壇し投票するが、その長いこと数の多いこと。鳩山代表は議場では終始見た感じでは普通の笑みで、そのまま投票した。しばらくすると小沢幹事長の後をヨボヨボの羽田元総理が同僚議員に支えられるようにして投票へ向かう様子が見られた。大丈夫かこの人、と思った。
30分ほどして、参議院でも議員の入場が始まり、首班指名が行われた。集計が終わり、両院一致で鳩山由紀夫新総理が誕生。
まさに歴史的な瞬間だった。これまで自民党が野党になったことはあるものの、議会での第一党の座を失ったことは一度もなく、ましてや「野党」に過半数を取られて政権与党の座を奪われるなど、保守合同以来初めてのことだ。まずは組閣、そしてお手並み拝見というところか。
ネガティブキャンペーンや上げ足取りはとりあえずやめて、本当に政策がどのように実行されるかを見たい。


午後、小包が届いたので何だろうと思ったら、北海道のマリさんからお菓子をいただきました。チョコレート好きなのをしばらく忘れていましたが、思い出しました(笑)。ありがとうございます。
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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