--------(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2009-10-02(Fri)

煮物に挑戦

10月2日(金)

夕べはちょっと飲み過ぎたようで、夜のニュースを見ているうちに眠くなってしまい、1時過ぎに寝室へ上がってすぐに寝た。今朝は6時ころから目が醒めてウトウトを繰り返し、9時近くになってようやく起きる。
昨日とうって変わってどんよりと曇り、比叡山は中腹から上は雲に覆われていた。
ユキが俺が起きたので半身を起こしてじっとこちらを見ている。階段を降りてトイレから出てくると、もう降りてきていた。夕べといい、お前は俺の女房か。猫たちのご飯と水をあげてから、朝のいつものことを済ませる。
今日は仕事が空いた日なので、とりあえず夕べ帰りがけにコンビニで買った冷やしぶっかけうどん。麺につゆをかけてほぐし、あとは上にセパレートされている具を載せて食べる。こういうのって結構安くてうまい、バカにしたもんじゃないなあ…と思いつつショッピング番組で菊田アナがめんたいこを買えとやっているのを見る。菊田さんは気のせいかどんどん肥えていくような気がするが大丈夫か。これは明らかに職業病=グルメリポート、ショッピング番組のせいだと思うが余計なお世話か。

食後、夕べ酔っぱらってポストから取ったままだった郵便物を改めて見る。
「ガロ」時代の先輩編集者、Sさん夫妻から転居のハガキが来ていた。奥さんの字で「やまださん残念でした」と書き添えてある。Sさんは俺が「ガロ」編集部に入った時はもう退社していたが、同じ北海道出身ということで、その後も可愛がって貰った。
Sさんは「ガロ」退社後編集プロダクションへ移動し、その後もやまだ紫「空におちる」(河出書房)を担当、また「ガロ」編集部にも「ガロ」の作家さんの新刊が出来るたびに持って来て下さった。酒を飲んだりソフトボールをやったりして、交友が続いた。(ちなみに河出書房の「カワデパーソナルコミックス」を立ち上げたのはこの人である。口ヒゲにメガネの柔和な笑顔で、当時の「ガロ」関係者なら「ヒゲのSさん」と言えば誰でも知っているはず)
Sさんはその後腎臓を患われ、透析が必要になったと、だいぶ前に聞いた。俺たち夫婦は「透析は大変だね、一度お見舞がてら伺おう」と話していたのに、すぐにこちらの夫婦もやれ下血だ吐血だ腎臓取った俺は白血病だ胆嚢取った…と入退院の連続で、結果的にはそのままずいぶんとご無沙汰したきりになった。
透析を続けていたSさんは2年ほど前に倒れて、今は透析とリハビリを奥さんのMさんが支えておられるという。
まだ俺たち夫婦と子どもたちが高層団地で暮らしていた頃、麻雀&飲み会だったか、Sさんたちが来られた時に同席していた蛭子さんが、その場に初参加だった人に「こちらがSさん。でこの人は奥さんのルリィさん。」と紹介して皆の大爆笑をかったのを覚えている。Sさんの奥さんはMさんといい、どういう覚え間違いかと、そしてうろ覚えなのに何で人に紹介するのか、と大笑いした。
その後、我が家では蛭子さんの口真似と共に「ルリィさん」は俺たち夫婦の定番ギャグの一つになった。そんなことも懐かしい思い出の一つである。

「例え寝たきりになろうとも、生きてさえいてくれれば、脳死にさえならなければいつか意識が戻る奇跡が信じられる」
俺たち夫婦はお互い、相手にどんなことがあっても残った方が絶対に支える、と話し合っていた。彼女は俺に「オムツ換えてあげるから」と笑っていた。俺も「口に入れるスプーンはプラスチックにしてやるよ」と言い返していた。
残念ながら、三津子の場合は倒れた後の手術も虚しく脳死状態に陥ったため、奇跡の可能性すら望むべくも無かった。ホンの少しの奇跡も望めず、希望もないという残酷で、人生で最も辛く悲しい、耐え難い日々が続いた。

けれどSさんのように、では奥さんがずっと介護をし支えて行かれるというのも、実際は並大抵のことではない。
愛していれば、その相手を生ある限り全力で支え助けていく。
俺も同じ境遇だったらそうしたと思う。
ただ、他人が「大変でしょう」と軽々しく言えることでもないと、俺は思っている。ひたすらに、Sさんのリハビリが順調に進むことと、連れ合いであるMさんの心の平穏を願う。それしか出来ない。

今日は小学館クリエイティブの川村さんから、『性悪猫』のカバーと帯のpdfをメールに添付していただいた。すぐに電話があり、確認させていただいたが、なかなかいいかたちに仕上げていただいたと思う。また1時半ころ次の復刊『しんきらり』の各回タイトルの件でも電話があって、「開放日」という回の漢字表記をどうしましょう、という相談。
確認してみると、確かに青林堂版つまり「ガロ」初出では「開放」で、文庫版では「解放」に改められている。しかし作品集2巻では再び「開放」に戻されている。
話の内容、夫と子ども三人を見送った後の団地のドアの開放。そしてその後、全ての窓と扉を閉ざし一人で酒でも飲んで自分を解放する…。こういう「ことば」の使い方、漢字の故意の入れ換えなどはよく使う人でもあるので、ここは初出時の彼女のオリジナルを尊重して「開放日」つまり「ガロ」掲載時のタイトルで行きましょう、ということになった。
川村さんは「細かいことでいちいちすみません」と言って下さるが、逆にそういう部分をしっかり考えて下さり、また確認もしていただけるのは嬉しいことだ。
俺の「連れ合い」としての三津子は失われたが、作家としてのやまだ紫の作品を後世に遺す、伝える、その役割の一端を担えることは一ファンとしても光栄だし、責任も重いと思っている。
川村さんからは帯の版下画像も送ってもらい「いいでしょう」「いいですね」というやりとり。

その後、突然外で非常ベルが鳴り響いた。
廊下へ出てみると、マンションの6階廊下にある非常ベルが赤く転倒し、けたたましいベルが響き渡っている。近くまで寄ってみるが、ざあざあとけっこうな雨が「豪雨」というレベルで降っている以外、変わったところはない。もちろん火の気などない。これは故障だな、と思っていったん引き返し、大家さんに電話すると、別な人からも連絡が入っていたようで、「ベルの件ですね、恐らく水が入ったんやと思います。メーカーの方へ連絡して、原因調べて直しますし、もうこちらも向かうところです」と言われる。
水が入っても非常ベルは鳴るのか、単なる火災警報というベルではないんだな、と変な感心をしてしまった。
そう思ってリビングからベランダを見やると、東山はおろか吉田山さえかすんで見えないほどの雨。閉めきっていたので気付かなかった。この大量の雨水がいっきに警報装置に入り込んで非常事態を知らせたのかと思い、納得。


大根、厚揚げとがんもの煮物夕方4時前、晩ご飯をどうしようか考えて、冷蔵庫を見ると厚揚げとがんもがあったので、煮物でも作ろうかと思い立つ。おろし用に買ってあった大根3分の1本もあったので、大根・厚揚げ・がんもどきの煮物に挑戦する。もちろん煮物なんか人生初めてだから、料理本を見て下ごしらえを始める。
「三津子、おっちゃんが人生初の煮物を作っちゃる!」と言って大根を一口大に面取りして切りそろえ、厚揚げとがんもは熱湯で一回油を切る。厚揚げは手で一口大にちぎって、用意しておいただし汁にそれらを投入。
あとは時々中を返しつつ煮込んで…と思ったら落とし蓋がない。ありゃと思ってとりあえず引き出しをサッと開けたら、紙で出来た使い捨ての落とし蓋がすぐに見つかった。三津子がくすくす笑いながら「ハイ」と教えてくれる顔が浮かんだ。いつもいつもおいしい料理を作ってもらったからね、これからは俺が全部作るよ。
とりあえず中火で時々加減を見て中身を転がし、また落とし蓋で塞いで煮込む。だんだんいい匂いがしてきた。そういえば今日は昼を食べそびれたのであった。
途中味を見たら、大根に汁が染みてほくほく。味が薄かったので少しだけ出汁と酒、醤油を加え合計30分ほど煮込んだ。タイマーが鳴って見に行くと、ちょうど煮汁がほぼ無くなったところで絶妙のタイミング。
三津子の写真に器に盛って添えて「どうだろう、ちょっと味見てよ」と言いつつ一口食べてみた。思わず写真に向かって「うまいねこれ!」と声が出た。ご飯や酒のつまみに合う少しだけ濃いめのいい味。しばらくそれ以外の陰膳や晩の支度をして、5時半から晩酌をする。
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

広告
アフィリエイト・SEO対策
検索フォーム
プロフィール

シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

シンプルアーカイブ
リンク
RSSリンクの表示
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。