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2009-10-23(Fri)

治りつつあります

10月23日(金)

8時ころ起床。京都は今日もスキッと青空、秋晴れ。
朝のもろもろを済ませた後、抗ウィルス剤入り軟膏を疱疹部に塗る。帯状疱疹は初期の「ツブ」一つ一つが赤く盛り上がっていたのが、だいぶ平べったくなり、全体に赤黒い色になってきている。この朝で錠剤の方は抗ウィルス剤が終了となったが、まだ疱疹部分は痛い。
しかしそろそろまた食べ物がないので、とりあえず着替えてそろそろと外へ出る。下のI先生の奥さんにちょっと挨拶をしてから、郵便物を出しにポスト経由でコンビニ、買い物してすぐ帰宅。
本当はスーパーまで何日か分の食材と花を買いに行きたいが、まだ自転車は危ないし、かといって徒歩で荷物を持って歩いて帰ってくるのは無理っぽい。コンビニで今日・明日の朝までのパンやらを買うくらい。

それにしても帯状疱疹だと早く解って良かった。
というより、知らなかったらどうせ癌だからと、我慢していたかも知れない。三津子が昔かかったのを見ていたので、すぐに自己診断出来たから、早めに病院へ行き、抗ウィルス剤も飲めた。手当が遅れると、痛みが長引き、後遺症の神経痛に長年悩むことになる例もたくさんあると聞く。

それから朝、Twitterに起きたことを書き込む。
昨日ブログにTwitterを始めたとアップしたのと、身内には無事の確認の意味でTwitter開始を知らせたので、とりあえず俺がちゃんと「生きているかどうか」はこれで知って貰えるわけだ。ただ、ということは一日最低一度は書き込まねば、逆に「とうとう死んだのか!?」と思われかねないが。
何年か前から、電気ポットと連動して、遠隔地にポットが使われたことを知らせる…というサービスのCMを見る。変な演歌・歌謡調の節回しで「東京の息子にメールが届くぅ〜♪」なんてのがおかしくて、夫婦でよく笑って見ていた。年寄りはだいたい一日に一度はお茶なりでポットを使う、というパターンを利用した「無事確認サービス」で、よく考えたなあと思う。
三津子はあれを見ては、彼女の母が高齢で一人暮らしであり、耳が遠く電話に気付かないこともあることを心配して「あれ、ばーちゃんちにつけて貰おうかな」と本気で言っていたものだった。
PCが使えれば、というかネット環境にあればモバイルでもいいが、Twitterで「起きました」のつぶやきだけでも、離れている人に「ああ、ちゃんと生きてるな」という確認を与えることができる。

その後はBSでア・リーグチャンピオンシップシリーズLAA−NYYを見つつ、仕事をする。ヤンクスは中継ぎに不安があるので、せっかく逆転した後、チェンバレンを出だねばいけない場面で継投ミスを犯し、逆転負け。

「性悪猫」はAmazonで割合にいい成績のようだ。
Amazonのランキングに一喜一憂するのはあまり賢いことではない、なぜなら毎日「新刊」はもの凄い点数出ているので、それらは当然発売日にもっとも売れる場合が多く、必然的に発売日から数日を頂点に日が経っていくにつれ、「売上げランキング」は下がっていく。これは誰かが何年か前に実証済みだったような気がする(そんなサイトを読んだ覚えがある)。
つまり、発売日から数日の間上位に居て、そこから下がっていくことは必然であり、いわゆる世間の実際の書店における「初速」とは若干意味が変わってくる。
それでも、「性悪猫」は最高で「本」全体で1,611位、「漫画」のカテゴリーランキングで694位と、これはかなりいい部類に入る。そう思っていたら、今日は「本」全体で1,453位、「漫画」では658位と上がっていた。
30年前の作品で、これまで青林堂版〜ちくま文庫版〜やまだ紫作品集版と、何度もかたちを変えて愛されてきた作品だ。やはり読み継がれるべき作品なのだなと、改めて強く思う。
そういえば昨日、以前やまだの担当だった編集者のKさんが連絡をくれた。その時、Amazonでは1000位台だったそうで、「これはかなりいい数字ですよ」とのことだった。書籍編集者としてバリバリ本を造っている人なので、きっとそうなのだろう。
いっときに売れなくてもいい、いい本は必ずずっと後の世まで残る。…そうは言っても、復刊をしていただいた小学館クリエイティブさんにとっては完全に商売抜きの慈善事業なわけではない。売れるに超したことはないし、より多くの人に作品の良さを理解して貰えることは、何より作家本人が一番嬉しいことだと思う。

そんな画面を見つつ、コンビニの帰りに取ってきた荷物を開ける。
先日ネットで古書店に注文しておいた「鈍たちとやま猫」と「はなびらながれ」、あと別々なところから「Blue Sky 2巻(中公コミックスーリ版)」を2冊。
「鈍たち…」「はなびら…」の青林堂版はとても貴重で、我が家にも2部ずつしかない。しかもそのうち「鈍たち…」の1部はカバーが校正刷り(PPがけのないもの)である。なのでネットなどで発見したら、法外に高くない限り、入手したいと思っていた。そうしたらたまたま2冊同じところに出ていたので購入。しかし「はなびら…」の方はカバーの背が完全に退色しており、地のグレー以外は白くなっていたのでガッカリ。
別の古書店から届いた「Blue Sky」は、文庫ではなくコミックスーリ版=新書版は1・2巻として出版されたもの。なぜか我が家には1巻だけが著者贈呈分(もちろんスリップ入りの新品)が10部ほどあり、2巻の方はたった1冊しかない。つまり1・2巻揃いが1セットしかないのだ。なので、これらは2部、別々に発見したところから取り寄せた。これで都合3セットになったので、これらは二階のやまだ紫著作物専用の本棚に大切に納める。

こうして彼女の貴重な作品は、いずれ継承していくであろう次女のゆうちゃんに預けるまで、キッチリ俺が保管しておくのだ。

昼過ぎ、カップラーメンを食べていると復刊担当である小学館クリエイティブの川村さんからメール。やまだ紫復刊第2弾「しんきらり」の解説は齋藤愼爾 - Wikipediaさんで、以前発見した「アサヒグラフ」の「特集:やまだ紫の世界」をベースに執筆いただいたものの校正。
今や東京と京都の間でもメールにpdf添付という形で、版下=ゲラ校正が出来る。今さらながら凄い時代になったものだ。こちらからは齋藤さんのページに入れる写真を2点すでにお送りしておいたが、新たにスキャンしたもう1枚も、pdfには入れ込まれてあった。
来月、今回の復刊のプロデュースをして下さった中野晴行さんと京都で打ち上げをしましょう、ということになる。楽しみだ。

その後このところサボっていた…というより痛くて出来なかったトイレ掃除をする。
ちょっとほっとくと黒カビのような「喫水線」が出来るので、トイレカビキラーでゴシゴシと掃除。痛み止めも飲んでいるので若干力んでも何とか大丈夫。便座を上げて洗剤を吹き付けてブラシでこすり、最後は仕上げにトイレクイックルで全てを嘗めるように拭き、磨き上げて終了。気持ちが良いが、リビングへ戻ると部屋全体がぼんやりと散らかっている。
本当は目に見えるところにごちゃごちゃしたものを置いたり、生活感丸出しの感じは嫌で、壁面全面収納なんかが夢だったのだが(閉じれば全く何も無いかのような壁面になるアレ)、もう体力的にもそんな生活は無理だ。
その上特に今は帯状疱疹罹患中なので、手の届く範囲にティッシュだのワイヤレスマウスやキーボード、週刊誌、新聞、各種リモコン、筆記用具その他がごちゃごちゃと散らばっている。こういうのは繰り返すが大嫌いなんだけど仕方が無い。

三津子は団地住まいの時代から(俺が知っている限りでは)自分の手の届く範囲に何でも積んだり置いたりするタイプで、俺と真逆だった。まあそういうことで日常細かい対立がちょろっと出たりすることはあったが、真逆なのでかえって良かったのかも知れない。同じ方向で一致しても、納得の仕方、好みが違えば対立は逆にもっと深刻化していたかも知れない。
それにしても、あの団地はごちゃごちゃだった。無理もない、離婚して二人の子を不安定な「漫画家」という「水商売」で育てていくだけでも大変なことだ。しかもその苦労の中、あれほどの名作を紡ぎ出していたのだから。

あと、もうそろそろ自分がアレした「後のこと」も考えておかねばならないと、ずっと思っている。だから先日来、ちょっとずつ思い出してはこれはこうして、あれはああして…という指示を書き記したり、算段をつけている。
だが一つ「この件はこれで大丈夫」と思って一息つくと、まだまだその何十倍も同じような作業をせねばならぬこと、さらには自分が動いてやっておかねばならないこと、つまりは肉体労働を伴うこともたくさんあることに気が付くのだ。
人が一人、その生を清算するということは、生きている間に本人がやっておくのが一番いい。
健康な人なら「縁起でもない」と笑って済ませられるだろうが、俺の場合はそれこそ笑い事ではないのだ。

夕方になり、朝に買っておいた弁当を暖め、三津子には陰膳とお酒を添えて食べていると、「明青」のおかあさんから電話。先週から調子が悪く、熱が出て日曜は休んだそうだ。月は一応出て、火曜の定休日も大人しくしていて、そのまま様子を見ていてようやく治ってきたという。咳はと聞くと出なかったというので、インフルエンザではないらしいが、原因は結局不明。
お店に置いてあって、いつも使っていたパソコンが壊れてしまい、ネットにもアクセス出来なくなったという。最後に携帯でメールがあった時にこちらは帯状疱疹になったばかりだったので、そうお伝えしてはあったのだが、その後どうかと心配してのこと。こっちはもう治り始めてるし、体が資本だし健康には気をつけて下さいよ、と話す。まあ俺が言うのも何だけど。

その後BSニュースを見ていると、東大病院の医師がネットで「肺がん」と検索し、上位50サイトを科学的に検証したところ、そのうち治療法や薬品などを紹介したサイトの4割ほどに全く科学的根拠のない情報が掲載されていた、という報告があった。
以前から何度も書いているが、癌宣告というのは人間、人生で一番受けたくないものの一つであろう。
普段から威勢のいいことを言い、今思えば精神発達異常かと思うほどタバコを吸い酒を飲みストレスの渦中にどっぷりと浸かっていた自分も、無意識に足が震えるほどのショックを受けた。そして、それを一緒に体験した連れ合い、今は亡き三津子もどれほどのストレスであったかと、思い出すのも辛い。癌患者でありその生活がもう4年も続いているのだが、その分、今の方があの時を思い出すと辛い。
いわゆるエビデンスのない、やれなんとかキノコがいいとか自己免疫療法は保険が効かなくて高額だが治るんだとか、その手のサイトは山ほどある(「癌とたたかうため?」)。「肺がん」というキーワードではなく、個別の癌、俺の白血病も含め全てのがんや重大な疾患には、「その手」のエビデンスのない情報で溢れている。
ニュースによるとその医師は「ネット上は有害な情報だけではなく、ちゃんとした正しい情報もあるので、そういうところへつなげてあげる努力をしたい」とのことだ。つまり「間違っている情報」も半分あるという了解・認識のもとにネットを利用しなければ、危険だということだろう。
何か他人の人生に重大な決定を与える場合…病気の治療などは藁にもすがる思いだろうし、人生相談でもなんでもいい。その時に、「オレはこう思う」で人助けだと悦に入るひとはたくさんいる。それでカネを取っている人もたくさんいる。だがことは病気となると、それこそ文字通り命がかかってくるし、お金もかかることは言うまでもない。命が助かるのならば、多少のお金、いや大変なお金がかかっても、健康が取り戻せれば返せる…と思う人だって多いだろう。
そこへ、詐欺師はつけ込むのだ。
前から何度も書いてきたように、こういう時代になり、勉強しようと思えばネットで極めて高度な専門知識から、それこそ迷信まで、いくらでも「情報」は集められる。そこに求められるのは「情報リテラシー」であることも言うまでもない。何が信じられ、何が信じられないか。
元々、ネットで情報をあれこれ探してまわる=その段階で「その人」はその分野の専門家ではない場合の方が多い。であれば当然、もっともらしいことをもっともらしく書いていることに目を奪われがちだ。俺もかつてそうだった。
しかし落ち着いて冷静に考えれば「ソースは?」「エビデンスは?」と問い直す余裕が生まれる。だが癌患者やその家族には、その「余裕」がないことが多い。このことを健康な人に伝えるのは難しいが、とにかくそういうところへつけ込む輩がいるのだ。
もともと「詐欺」という(誤解を恐れずに言えば)ある意味「単純な粗暴犯よりも凶悪」である場合もある犯罪を犯すような連中は、人の心の弱みに付け入ること、利用すること、押したり引いたり、善意の仮面を被ったり権威を装ったり利用したりすることは、常套手段だ。「自己責任」といって、最近はそういう詐欺に引っかかる人の側を責める風潮もあるが、冗談ではない。
犯罪は、あくまでも犯罪を犯した側がまず責められるべきという、大原則を踏みにじってはいけないと思う。
確かにマルチ商法など、手持ちのカネをもっと増やしたい、もっともっとカネ儲けをしたいと思う人がはまる詐欺事件は後をたたず、その被害者には半分「しょうがねえなこいつら」という目が向けられるのは仕方が無いが、病人や、病人を抱えた家族に、しかも癌などの重大な病気を宣告され冷静を保っていられない人を利用するのは鬼畜にもとると思う。
いや、別にこのニュースではそこまで語っていたわけではない。「科学的根拠のない治療法や薬品をすすめるサイトがあるから、気をつけてね」くらいのものだ。だが現実には、ちょっと検索を叩いてみれば、「その手」のサイトが山ほどひっかかってくるのは常識である。

いまだに思い出すのは、そういった「民間療法」を自らの癌を実験台として試し、それを「週刊文春」での連載中に綴って亡くなった、米原万里さんのことだ。
ほぼ全ての代替療法は効果が無かった、そして高価であったという。ヘタな駄洒落ではない。
その体を張った、命をかけた警告はもっと真摯に受け止められていると思っていたのだが。
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
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