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2009-12-16(Wed)

やまだ紫 復刊第三弾「ゆらりうす色」発売!

ゆらりうす色広告画像

皆さん、お待たせいたしました。10月『性悪猫』、11月『しんきらり』に続いて『ゆらりうす色』が発売されます!


ゆらりうす色
やまだ 紫
小学館クリエイティブ

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著者:やまだ紫
書名:ゆらりうす色
発行:株式会社小学館クリエイティブ 発売:小学館
定価:本体1,600 円+税
ISBN978-4-7780-3131-2 C0079 1600E

判型はA5判並製で、総ページ数は224ページ。
解説は村上知彦さんです。
村上さんは「チャンネルゼロ」以来公私ともにやまだをよく知られた方で、今回は79年ころに描かれたやまだのギャグマンガの一部も紹介されています。

収録作品は講談社「コミックモーニング」誌上に1983年12号から翌年10号まで、24回にわたって連載された表題作「ゆらりうす色」全話と、日本文芸社「季刊・コミックばく」1986年春季号から翌87年春季号まで連載された「Second Hand Love(セコハン・ラブ)」全4話となっております。

本作は、1984年6月に講談社よりA5判・KCモーニング版「ゆらりうす色」として刊行され、のちに1992年筑摩書房「やまだ紫作品集1」、さらに1995年7月には同じ構成でちくま文庫化されました。
今回はその全編を「ゆらりうす色」は初版以来の、「Second Hand Love(セコハン・ラブ)」は初の「A5版」という大きいサイズで一挙にご覧いただけるようになっております。

また復刊特典として、巻末に小説「恋する家族」(三田誠広作)の読売新聞連載時の挿画から、何点かギャラリーとして掲載しました。これらは単行本化されるにあたり全く掲載されていない貴重なものです。

さらに今回の復刊にあたり、「ゆらりうす色」の巻頭を二色で
また「Second Hand Love(セコハン・ラブ)」も「ばく」連載開始時の「カラー原画」から復刻しました。(後の版では全てモノクロに描き直したものが使われています)
これも小学館クリエイティブの担当である川村さんの、出版人としての心意気であります。ぜひ、ご覧下さい。


白取より毎度毎度僭越の極みながら。

このたび復刊される「ゆらりうす色」は、「性悪猫」「しんきらり」と立て続けに素晴らしい作品を世に送り出したやまだ紫が、「不倫」をテーマに男女の心の機微、特に女性心理を内側から鋭く描きあげた作品です。
鋭く、などという陳腐な言葉を用いるのもどうかと思いますが、主人公「笑美」の態度や言葉は凛とした「やまだ紫作品」に共通する魅力に溢れています。
笑美はクールに不倫を楽しむ女性のようでありながら、熱く、哀しく、切ない女としての感情を当然ながら持ち合わせています。そして「私マンガ」「私小説マンガ家」だのと単純なレッテルを貼られたやまだ紫の、漫画家としての「答え」ともいえる作品です。

作家研究的に述べるならば、やまだはこの作品を執筆当時、地獄の結婚生活から別居という事実上の離婚状態を経て、連載中に「協議離婚」が成立しています。
二人の子の親権を引き受けること以外、慰謝料も一切受け取らず、もっと言えば公的な扶助も全く受けずに、漫画一本という不安定な立場で立ち上がったばかりでした。けれども、彼女は幸福に溢れていたと言います。
その時期、彼女はこの作品で「不倫」というテーマを選びました。もちろん、実生活とは全くリンクしていません。「私マンガ」では全くあり得ない、しかし「やまだ紫」の凛とした女性の描き方、その研ぎ澄まされた「ことば」の鋭さは、「性悪猫」以来、いや「COM」時代から何ら変わりなく魅力に溢れています。
つまり、やまだ紫はやっぱり優れた漫画家であったという当たり前のことが、今さらながら作品の連なりを見るにつけ、確認できるでしょう。

やまだ紫はこの作品と平行し、「しんきらり」(青林堂版では「続」扱い)の連載も継続しています。さらに祥伝社「新鮮」にて「しあわせつぶて」、思潮社「ラ・メール」にて詩画「樹のうえで猫がみている」学研「ベルママン」に「陽炎もえて」…と、大変な多忙期に入りました。
余談ながら私と出会ったのもこの時期になります。
彼女は尊敬すべき素晴らしい作家であったと同時に、二人の子どもをしっかりと支える凛とした母親であり、そして可愛らしい一人の女性でもありました。
つまりは、やまだ紫が、全てにおいて頂点に達していたのが、この頃であったと思います。

彼女の理想とする男と女の関係、夫婦、家族、人間そして社会いや「せけんさま」
への確かな視線は、一貫し、ゆるぎのないものです。猫を通して描いても、ごく普通の家庭を描いても、不倫カップルを描いても…。それは1991年「BlueSky」(婦人公論)に至っても、いえ、最後の作品集となった「愛のかたち」まで終世全く変わらないものでした。


お近くの書店さんに無い場合は、上記の書名、版元名を言っていただければ注文することが出来ます。書店さんでお受け取りになれば、送料もかかりません。
皆さん、やまだ紫の素晴らしい作品を、これからもよろしくお願いいたします。
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コメント

たみ様

「ゆらりうす色」お買上いただいてありがとうございます。
旅先でとは、恐れ入ります。
いい本と一緒だと、その旅もまたいいものになりますよね。経験があります。

これからもやまだ紫の作品をよろしくご愛顧ください。

旅先の本屋さんで

「ゆらりうす色」復刊版を偶然見つけ、
買い求めました。

絵が、言葉が、
胸に迫ります。

うまく言えなかった事が、自分の中でほぐれて行くようです。

後書きのエピソードもちょっと爽快でした。
復刊により、作品に出会えた事に、
感謝致します。

ダイヤモンドダスト

ブログ拝見しました。お疲れ様でした。ヨーロッパは行ったことがないので羨ましいです。
北欧とまで言わずとも、ドイツ北部などの「空気」感は北海道ともまた違う、独特の感じだと人から聞いたことがあります、透明感というか。
「透明感」や雪の消えゆくような儚さは、彼女を想起させます。
小学館クリエイティブの復刊に関しては、色々ありがとうございました。
年明けは思潮社さんから『樹のうえで猫がみている』が新編にて刊行される予定です。
また、お祝いに一杯やりたいですね。

ダイヤモンドダスト

雪に降られっぱなしのドイツ旅行でしたが、ローテンブルグは晴れ。澄んだ空とマイナス5度の凛とした空気がやまださんの作品のようだ、とふとそんな思いが脳裏をかすめた瞬間、ダイヤモンドダストを見ました。
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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