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2010-06-18(Fri)

喧噪の病室

ゆうべはサッカーW杯アルゼンチン対韓国戦を見てから寝た。
ギリシャを圧倒した韓国がオウンゴールもあったとはいえ、アルゼンチンによって赤子が手をひねられるように負ける様子は、オランダ戦を前に日本チームにも一抹の不安を残した。というかツイッターにも書いたが、マラドーナ監督が面白すぎて、ワイプ画面でいいから終始映しておくべきだと強く思った。

今朝は5時に目が覚める。
曇り空。今日からずっと梅雨らしい雨が続くという予報。
洗顔へ行きテレビを眺めバイタルが来て朝食を食べて部屋の掃除が入り排便をし体拭きをしドレイン挿管部のガーゼ交換と一通り終わってもまだ10時半。その合間に通常は医師や研修医の来訪があるが、今日は大学の創立記念日だか病院の設立記念日だかとにかく休日扱いで、医師も看護婦も少ないと聞いた。ひょっとすると医師は来ないのかも知れない。ノートPCで音楽を聴きながらうとうとする。
隣の若い男性患者は入院日から日に日に元気になった様子で、とにかくテレビの音や携帯での会話、立ち居振る舞いから発せられる音が全てデカいという希有な迷惑ちゃんで、ヘッドフォンで音楽をかなり大きくかけても完全なる遮断は不可能であることが判明した。
眠いのだが当然眠れるわけもなく、しかしヘッドフォンから流れる大音量の音楽もそのうち子守歌状態のなるが、当然熟睡は出来ず逆に汗をかいてぐったり。ここまで無神経な人って久しぶりなので何か面白いというか、全く腹が立たないし笑ってしまう。

昼食は鶏肉のソテーに歓喜。味はもちろん薄かったが醤油を少し垂らして美味しく完食した。肉喰いてえなあ、刺身喰いたい、唐揚げとか…などと思っていたところへ出て来た鶏肉最高。
その後売店やってるか看護婦さんに聞くと、今日は休日扱いやろか、うーんと首を傾げられたので降りてみるとちゃんとやっていた。水と「ごはんですよ」の小瓶と、お菓子コーナーをじっと見つめた挙げ句、なぜかマーブルチョコを買って戻る。
ここ数年ジャンクフードやチョコの類はほとんど全くといっていいほど食べなくなっていたし、普段コンビニなどでも菓子コーナーはほとんどスルーしていた。それなのに、病院へ入ると時々こういうものが無性に食べたくなる。そういえば帯状疱疹入院の時は、小腹が空いている時に思わず売店で小さなマドレーヌを買ったが、結局食べないまま退院したっけ。
病室に戻ってからは売店で買って来た「週刊文春」を読み、2時過ぎの検温の時、看護婦さんが研修医と相談して、「酸素濃度を測ってみて、良ければもう歩行時の酸素もやめましょうか」とのこと。安静時の数値は98。ゆっくりドレーン箱とボンベを載せたカートを引きつつ、吸引は無しで詰所まで行き、再び測ると97。ちょうど詰め所には研修医が居たので看護婦さんが呼んでくれ、来てくれたところで96。それでもまあ走ったりするわけじゃないし、もう外しても大丈夫ですね、ということになった。やれやれ。

胸腔から伸びるチューブと液を溜めるチェストは外すわけにいかないので、引き続いて一緒に移動。ただボンベは不要となり、カートから普通の点滴スタンドにチェストをぶら下げた上、テープで固定してくれた。車輪付きだったとはいえ、重いカートを押したり引いたりしつつ鼻チューブとドレーン箱につながっていたのに比べれば、格段に動きやすくなった。
ちょっとずつ「不自由」や痛みが消え、快復に向かう…のだといいが。まあそうは言っても元の基礎疾患が白血病なので、健康体に戻るというわけではないのが辛いところ。

それにしても、病院が休みだと検査もないしこちらもすることがない。雨がさあさあと降る窓を眺めてPCで音楽を聴いてうとうとしたりを繰り返していると、4時半ころドレーン挿入の際、研修医を指導していた若い医師が来てくれる。
気胸の方は肺も膨らんだままで、いい経過だという。なので週明けからドレーンを一回閉じるというか、クランプした状態で様子を見て、大丈夫であれば外す方向で考え、経過が良ければ一度退院も考えましょうということ。
気胸に関してはそれでいいのだが、昨日のCTの結果はどうでしたかと聞くと、やはり縦隔の腫脹と、水玉模様の輪郭のように複数映っている袋状のものが気になるという。
袋というか嚢胞状のものは俺も解らないのだが、縦隔の腫瘍はもちろん、5年前にの健康診断時、血液疾患の疑いがあると指摘された時からある腫脹ではあるが、その後ずっと大きさはほぼ変化なく来たわけで、それがここ2年で急激に大きくなった、というのなら怖い。何といっても心臓のすぐ近くでもある。
ただ、俺としてはリンパ系の親玉的な臓器である脾臓の腫れ(巨脾)は別格としても、顎、腋、鼠蹊といった部分に散見するリンパ節の「腫れ」と同じ種類のものだという認識だった。つまり、「だったらこのままでいいじゃないか」とも思ってきたのだが、呼吸器科としては「大きくなっていることが問題」であり、何であるのか「診断をつけたい」という見解。
そして診断をつけるには縦隔リンパ部分の腫瘍を検査する必要があり、万が一のこと…つまり悪性であった場合も考えて腫瘍を丸ごと手術でごそっと取るか、あるいは針を入れて取るかになるが、「個人的には」手術で取ってしまった方がいい、という見解らしい。

こちらとしては新たな癌=悪性腫瘍が発見されたというのならすぐにでも取らないと命に関わるわけだから嫌も応もないが、元々基礎疾患である白血病によるリンパ腫であった場合はわざわざ色々な意味でリスクの大きい外科手術でごっそり摘出しなくても…という思いがある。
何しろこういう体なので、大きな手術自体が生命に関わるし、QOL的にも基礎疾患を確実に寛解させられる薬剤も治療法もないからこうして経過観察をしながら、免疫低下によって突発する事態に「対処療法」的な対応をしてきているわけだ。
なのでここで肺の手術というのはちょっと…、と正直に話す。医師もその辺はよく理解してくれており、いずれにしても週明け、カンファレンスがあるので他の先生からも意見を聞き、色々相談をした上で呼吸器科としての見解というのをキチッと決めます、という。
また当然、血液内科の先生とも話し合わねばならないし、最終的にそれらを受けて手術にしろ検査にしろ、患者さんの同意がないとできないことなので、ということ。


ああ、しかしこんなことになろうとは。
元々変な咳が出始め、風邪かと思っていたら痰が出始めた。熱もないし、普通の人なら何でもないレベルの軽いものかと思い様子を見ていたら血痰が出始めた。この段階でも熱もなくそれ以外に全く異常はなかった。次の血液内科診察日まで3週間ほどあり、様子を見るには長い。
どうしようかと思っているうちに、先週夜中にひどい咳が出た直後に呼吸困難寸前という時があった。それ以降、大きく息を吸おうとすると正中のあたりがずきんと痛み、これは本格的にまずいと思い、週明けを待って今週月曜に病院へ来たら、肺に穴が開いてると言われた。
整理するとこういうことだが、気胸=肺に穴が開いたことは恐らく先週のひどい咳の時だったとして、気胸自体は快方に向かっているのもここ数日経過を見てもらっていて、明かだ。でも、相変わらずじゃあそこに至るまでの咳や血痰は何だったのか…という疑問が残るのは事実。
今回気胸の治療をしてもらってから、ここ一ヶ月ほど続いていた細かい咳の頻度は劇的に減り、さらにここ二週間ほど悩まされていた血痰も出なくなった。どういうことなのか、俺には解らない。縦隔の腫瘍や肺の中に複数ある袋との因果関係も解らない。

若干沈んだ気持ちでいると、夕方に隣の男性の嫁はんが何と赤ん坊を連れて見舞いに来たので驚く。いやここ病院だし…赤ん坊は泣くやろ、寝てる患者さんもおるやろし…それに免疫落ちてる人もいるし…などと思ったが現実に連れてきて大声で話している。
そのうち当然赤ん坊はむずがり出し、夫婦で「あばばば」とか「でんでんでん、ばあ!」などとあやし始める。赤ちゃんの泣き声よりあんたらの方がうるさいんだが。地声が馬鹿デカいから普通に会話してるだけでも相当やかましいのに、その上赤ん坊の泣き声が混ざるので、もう吉本かと思うくらいの狂乱状態。そして全くそのことに疑問を感じない、渦中の発生源親子。
本当に腹を立てるより笑ってしまう。ただうるさくてテレビの音も聞こえないので、ヘッドフォンに切り替える音量を上げるが当然相殺されるはずもなく、単に騒々しいだけ。逆にテレビを消してこちらが静かにすれば少しは「寝てるかも知れへん」と気づくかも知れないと思って一旦消したが、そんな気遣いなど微塵もあろうはずももなく、喧噪が続く。仕方なくヘッドフォンを外し、少し大きめの音量で再びテレビをつける。
実はこういうシチュエーションだと、こういう人たちの思考パターンは
嫁「なあ、隣のテレビの音、うるさない?」→旦那「ほんまやな。俺らもうちょっと静かにせなあかんな」
ではなく、
嫁「なあ、隣のテレビの音、うるさない?」→旦那「ほんまやな。ならこっちももうちょっと大きくしよか」となるに違いなく、果たせるかな、隣のテレビと声の音量がさらに上がった。もう苦笑するしかなかった。

6時の夕飯が来て、こちらが食べ終わってもそんな状態が続いているのでテレビをつけたままネットでニュースなどを見て気を紛らわせていたら、夜勤の看護婦さんが来て検温とバイタル。
そのときテレビがうるさかったらしく「さっきヘッドフォンしてられましたよね、テレビもそれにしていただけますか」と言われたので、声をひそめて「隣がうるさくて聞こえないんですよ…」と言うと、看護婦さんも「解ってます」という風情で声をひそめて「ええ、そうだろうと思っていました、いくら何でも…。先ほど注意しておきましたし、そういうわけですのでこちらのテレビも今後…」というのでそういう事ならと了解する。
この看護婦さんはこういう気遣いが出来るだけあって(?)よく勉強している様子で、その後世間話で気胸のことになると、治療法は手術で穴をふさぐ、薬剤でくっつける以外に、例えば自分の血液を胸腔と肺の間にわざと流し込んで、それを揺らしながら凝固させて癒着させるという方法もある、と教えてくれた。俺の場合それは血小板の関係でどうなんだろうと思ったが、まあ気胸そのものより縦隔の腫瘍や肺のデキモノを取る・取らないの方が今は心配なわけだが。

そんな話をしていると、携帯が看護婦さんの前で突然メール着信で鳴りだしたのでビックリ。ここ数年マナーを解除したことなど一度もないというのに、どういうわけだか解除されていて、隣が無神経だうるさいと話し合っていたばかりだったので、面目ない限り。
看護婦さんが去った後メールを確かめると明青のおかあさんからで、昨日猫の様子見に行ってくれた時、水とエサが空っぽだったのでビックリしたという。昨日まで2日ほど真夏のように熱かったから、猫も水分補給大変だったんだろうか。おかあさんはそれで昨日はリビングを網戸にして出てってくれたそうで、今日様子を見に行ったら水もご飯も普通だったとのこと。何だか色々配慮いただいて、本当に申し訳ないです…。

その後はお隣さんは赤ちゃんを連れて夫婦でどこかへ出かけてしまい、しばらくすると旦那だけ戻ってきた。時折携帯で大きな声で話したりはあるものの、概ね静かになったので、やれやれといった感じ。
8時過ぎには病室の蛍光灯を消してベッドサイドの灯りだけにして、トイレ歯磨きも終え、テレビをヘッドフォンをしながら見ていた。W杯ドイツ対セルビア戦は前半からドイツにバシバシイエローカードが出て大丈夫かよと思っていたら、何とクローゼが2枚目貰って退場、直後にセルビアが先制点を決め、結局そのままドイツは敗戦。今大会は強豪国が(アルゼンチン以外)苦戦する試合がけっこうあって、それが逆に面白い。
試合の途中、10時半には眠剤とロキソニンも飲み、試合を見届けてから寝る。
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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