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2010-07-24(Sat)

村崎百郎さん自宅で刺され死亡

朝7時、まだまとまらない中で。

★5時過ぎに起きてネットでニュース探訪、村崎百郎刺殺事件著書で恨まれ?村崎百郎さん自宅で刺され死亡 社会 YOMIURI ONLINE(読売新聞))を知った。

もちろん驚いたが、記事を読む限りでは、村崎さんのあのスタイル・スタンスに対する「いわゆる言論テロ」的な犯行ではないような気がする。むしろ著書を読んだ「電波系」による事故的な事件だったと思うと、変な言い方だが、理解できそうな気がする。もちろん理解、というのは肯定ではない。

村崎さんのことは「ガロ」時代、特殊漫画家・根本敬さんの担当をしていた頃に「面白いヤツがいるんですよ」と紹介されたのが始まりだった。その後もだいたい根本さんがらみのお付き合いで、個人的な接点はあまり無かった。お二人が大好きだったのがまさしく「電波系」の人たちの奇行、言動であるのは言うまでもない。

ホンモノの狂気と薄皮一枚の境界線で、いや境界は互いに浸潤してボーダーレスになっているが世間で社会生活を営んでいる、おかしな人たち。
何度も書いているけれど、極限は時に滑稽さを産む。
「普通の人の極限」つまり「狂気の一歩手前」は、時としてとても見ている側には滑稽で、楽しい状況に映ることもある。これを面白がることは通常子どもくらいにしか許されず、普通はオトナに「しっ! 見てはいけません。笑っちゃダメ」と注意されることになるが。
まあ、こういうことを書くこと自体ヤボなのは承知しているが、「普通の感覚の人」はもやもやっとしつつこれ以上深入りしない方がいい。自分も今では足を洗った(つもり)。

村崎さんご本人は(変な言い方だが)普段、もっと豪快な方かと思っていたら意外と「ちゃんとした方」で(よく考えたら当然だ)、色んな意味で「ケンカの強そうな人だなー」という印象だったと記憶している。目が笑っていないというか。

その後「ガロ」は消滅し、村崎さんの名前はサブカル系の雑誌やネットで見かける程度で、直接のお付き合いは無くなった。順調に鬼畜なスタイルを貫いているなあ、とお見かけしていた。
唐沢俊一さんと組んだ「社会派くんがゆく!」が始まった時は少し驚いた。村崎さんに、ではなく村崎さんと唐沢さんが組んだことに、である。

ああいった「毒」を吐く論調、敢えて確信的に繰り出される反モラル的な言動は、おそらく世間一般の「普通の人」たちの反感をたいそう買ってるのだろうなあ、と思って見ていた。
先ほど書いたように、「電波系」の人たちが生み出す様々な「面白さ」(これも単に面白さと一言で説明するのは難しいが)を、根本さんたちは時に傍観者として、あるいは直接濃密な関わりをもって接し、絶妙な観察報告をする…というスタイルは長く、「幻の名盤解放同盟」の活動から本格化したと思う。
その発表の場の多くは当然ながらマイナーな媒体=エロ本やサブカル系マガジンでしかなく、あるいは「ガロ」であったりして、とにかく「世間の普通の人」の目には触れない世界のものであった。近年はそれがネットで「普通」に拡散していった。

つまり、以前、紙媒体でこういった人物たちの「監察報告」がなされていた時代は、それが「被観察者」の目に触れることはほぼ、あり得なかった。イイ顔のおっさんが「ガロ」を買い求めるということは100%あり得なかった、と言えば解りやすいか。
だが今ではネットがあり、「報告」の場も増え、当然「被観察者」の目に触れる機会も格段に増えた。確かにそれは観察者にとっては危険な状況と言えなくもない。

我々は当時よく自分たちが居る世界を「因果世界」とか「磁場」と呼んでいた。
「ガロ的因果世界」に足どころか全身をどっぷりと漬けてしまった自分は、「イイ顔」と言われればイケメンではなく即座に「幻の名盤解放同盟」の爆笑韓国ルポ「ディープ・コリア」の表紙のオヤジを思い浮かべ、大阪取材といったら普通の観光客が絶対に足を踏み入れないところばかりを巡ったり、まあそういうことになってしまった。
「ガロ者」だからしょうがない。

この「世界」を「普通」とは違うんだよヘヘンみたいに高みに立って「ちょっと違う視点の俺」みたいに斜に構えて露悪的なことを吐くのがたまに居たりするが、あんまり軽く考えないほうがいいと思う。俺なんかこんな因果な病気になっちまったほどだから(そりゃ関係ないよ、と思えば無関係。これこそ因果世界と思えばそう)。
根本さんがどこかで『「良い鬼畜」と「悪い鬼畜」がある』と語っていた気がするが、因果者の覚悟のない、あるいは自覚のない「悪い鬼畜」=単なる露悪趣味やイジメ、つまりオトナに「だめ!」と言われるとかえってツケ上がるガキのような「未熟な観察者」が増えたのも実情ではないか。ネットはそれを拡大、拡散してハードルを下げている。(だから昔の方が良かった、と言うのではない、もちろん読む側にとっては選択肢は多くても構わないが、こちらから選ぶという時にフィルタがかかるし、リテラシーがなければレベルも推し量れない。そういう部分を担っていたのが紙媒体なら編集だったりしたわけだという話)
先日の首都大東京の学生らが起こした「ドブスを守る会」事件なども、未熟な観察者=単なるガキの露悪趣味、悪ふざけの典型だろう。これは普通周りの「オトナ」が「しっ。ダメでしょ!」と止めてやるべきところだが、教員がアートだと称して煽っていたというのだから、ホトホト呆れる。


今回の事件の犯人は「著書を読んで恨みをもった」という供述をしたらしいが、「普通の人」はだからといって刺殺しに行こうとは思わない。たとえ考えても行動には移さない。
いわゆる言論テロ的なものと関連付けて報道されかかっているが、実際は彼や根本さんが大好きだった「電波系」人間にやられた、ということだろうか…。

とにかくいずれにしても一人の知り合いが亡くなった。ご冥福をお祈りする、合掌。



★追記(16時ころ)
『鬼畜な行為を奨励するような人間がいい人なわけない』というご意見もあるようだけど、俺はあくまで自分の印象を述べているわけで「ホ、ホントはいい人なんだからねっ!」などとかばい立てしているわけではない。
鬼畜な行為を奨励するような役柄を演じた俳優が実はいい人、あるいは善人役をやることもある…ということに似ているか。違うか。
ともかく因果世界に自ら進んで飛び込んだ以上、ケツは自分で拭く覚悟がいるし、リスクだって承知の上だろうし、そもそもご本人はそういうことも含めて全て「解っていた」はず。
また、『自ら進んで鬼畜系を演じていたんだから「いい人」などと追悼するな』というご意見もまっとうだと思う。読者やファン、面識の無い人なら。
実際に会った印象で「何だコイツ、鬼畜そのものだな」と思ったのならそう書くまでだし「あ、ちゃんとしたいい人なんだな」と思ったのでそう書いたまで。深読みや斜め上から見なくても、それ以上でも以下でもない。

他人をつかまえて「殺されて当然の人間」という判定が出来るような高い位置にいるわけでなし、面識のある人が刺されて殺されたら、まず哀悼の意を表するのが「普通」だと思う。

★追々記
根本敬さんが村崎を追悼するな、「頑張れ」だ、と語っていた。根本さんがそう言うのなら、そうだろう。そういえば自分は黒田さんと根本さんを通じてお会いしただけで、村崎さんのことは読者として見ていたのだから、黒田さんは「普通のいい人」、村崎さんは「鬼畜らしい最後」と言えば良いのか。
いずれにせよ自分は「ガロ」あるいはガロの因果世界から離れたから、記事を読んだ驚きだけで追悼などすべきではない、反省。
自分の背負った因果のツケを自分で払うことに精一杯だし。
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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