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2010-07-26(Mon)

ミステリーサークル

7月26日(月) 入院43日目★手術21日目

夜中の3時前に目が覚め、トイレに立つと下剤効果か、ようやく出た。すっきり、というよりホッとした。普通に便が出たぐらいでホッとしなきゃいけないのが情けない。でも「普通」が有り難い。
その後は寝たり醒めたりで6時前に起床。採血待ちの間、仕事のデータをDL。
洗顔の時あまり痰が出なかったと思っていたら、ベッドに戻り7時前のバイタルで看護士が来た時にごろごろして古い血の茶色い血痰が出た。しかしまあよくいつまでも出ること。ただ回数、量は確実に減ってきている。

朝食前採血。
8時朝食はほぼ完食。
睡眠が取れ便通があり吐き気がなく食事が普通に摂れる、これも「普通」の素晴らしさだ…としみぢみしていたらN先生が様子を見に来てくれる。

熱もないし発疹も出ていない、吐き気も止まったということを報告すると「咳が始まってから来院されて今まで、咳の感じってどうですか」と言われて「ええと5月の頭くらいから…」と説明しかけるとN先生はポケットから紙とボールペンを取り出し、線を2本クロスさせるように引いた。
「x軸を時間、y軸を症状の強弱とするとどんな感じですか」と聞きながら書こうという様子、こちらが書きましょうということで、グラフを咳、痰、血痰と順に書き込んでいく。

咳は5月あたまにはすでにあった。徐々に頻発するようになり、ピークは手術直前。まさしく手術室に入る直前は、歩きながらひっきりなしに咳が出て会話もままならなかった。
痰は5月中旬から出始めて、末には血痰になった。普通ならこの時点で病院へ行くだろうが、熱が無いので「喉風邪」が続いてどっか切れたのだろうぐらいに思っていた。

6月中旬、夜中に激しく咳き込んで肺が破れた。即入院。
胸腔ドレーンで気胸状態からは回復したものの、咳と同様血痰も手術直前まで続いた。

7月7日の手術後が当然血痰のピークで、なだらかに下がって来ている。
特に肺炎治療薬を飲み出して以降、今現在は回数も激減し、色も古い血が排出されている茶色いものがほとんど。咳の回数も同様に激減。3つのグラフはいずれも入院前よりも低いところに向かって下がるカーブが収束するかたち。

「薬にも体が慣れてきたようで、順調ですね」とのこと。
その説明のあと、投薬が始まってからしばらく続いた副作用の「吐き気」は収まり食事が摂れるようになったら、今度は動かないことで便通が悪くなった…と話す。
心配されていた副作用は発熱や発疹や肝機能障害なのだが、それらが出る兆候は今のところ全くない。「このまま行けそうですね」とのこと。週一でレントゲンと採血をし、その間薬を飲むだけなら家でも出来るので、帰り際に「退院も視野に入れてちょっと考えてみますわ」と言われた。実際は「退院」という言葉がよく聞き取れなかったのだが、そう聞こえた。

家に居れば今度は食事の支度やらネコの世話やら、家の中だけとはいえ立ち歩く回数は格段に増える。マスクをしてそろりそろりと買い物にも行かねばならないが、そのことが逆に腸の動きを正常化させるだろうから、便通にもいい。かえって治る近道になるかも知れない。
昨日夜勤の看護婦さんが「入院も40日超えると精神的にねえ」という愚痴を聞いてくれたが、その時に「自分は『とにかく帰りたい』『早く退院させろ』的なことは逆に言うつもりもないし、そんな我が儘を言える状態じゃないと思ってます」と話した。
ひょっとしたらそういうことも実は医師にちゃんと伝えられているのだろうか、それでN先生が今日のレントゲンと採血の結果を見て、もう少し様子を見て良ければ…と判断されたのかも知れない。

とにかく医師のお墨付きが出なければ退院できないし、それを我が儘言って早めるつもりはない。無理を言って退院させて貰い、結果すぐ舞い戻るのではいつもネコの世話をして下さっている「明青」の渡辺さんに申し訳がなさすぎる。
食って、出して、歩いて、治す。白血病はちょっと静かにしといてくれ。ていうかこの免疫力低下がおまえの仕業か。

その後胸部レントゲン。ついでに下の売店でメントスとお茶を買う。
ぜいぜい言いながら片肺潰れた状態で入院支度してドレーンぶすりとやられてから今日で43日目…。色々とイタい。イタすぎる。実際あちこち痛かったし…。
黙々と仕事をしていると目、肩、腰がシバシバビキバキになってきたので昼前に休憩。

昼食は12時きっかりに来た。
今日は土用の丑の日で、メニューの紙には「ひつまぶし」と書いてある。フタを開けると刻んだうなぎの身があるが、これを全体に「まぶす」とうなぎの味が絶対に無くなると思うので、混ぜずにうなぎ&ご飯で食べてあとは「ごはんですよ」の登場。
「揚げだし豆腐」のフタを開けたら揚げた豆腐が2片並んでいる。ダシ汁は…? まさかのかけ忘れ? 試しにかじってみると無味。よく見ると醤油の小袋がついている。そういうことか。でもこれじゃ揚げ醤油豆腐だな…と思いつつ醤油をかけたが今一つ。

にしても、嘔吐感も便秘による不快感もなく、普通にメシが食えるというのは有り難いことだと思い直して完食。厳密には「大根とにんじんの紅白なます」は連れ合いの好物だったので食事中は写真の前に供えたあと、一口だけ食べた。

その後は定期とは別件の仕事をしていると看護婦さんがバイタルに来る。
「お風呂入られました?」と言われて「忘れてた!」と時計を見たらあと15分で3時。3時からは掃除になってしまう。ベッドから降りて「今からで大丈夫ですかね」と聞くと「5分くらい伸びても…」と答えられたが、大丈夫かどうかは俺次第で、それを聞かれても困るだろうな、と思った。さらにその場でパジャマの結び目をほどこうとして「あっここで脱いでどうする」と自分で突っ込んで笑われる。いかん、アタフタしている。
替えのパジャマが無いと言うと「すぐ持って来ます、その間に支度しておいて下さいね」と言われて準備をし、風呂場へ。
何とか急いで洗髪、全身洗って部屋に戻ると3時ちょうどだった。
その後しばらく掃除が来る気配がなく、あんなにアタフタせんでも良かったようだ。


夕飯を挟んでずっと仕事。
ただでさえ全く出来ない日もあった上、定期でないものが重なって立て込んでいるが、これはやらねばならないこと。
夕飯は青梗菜のおひたしを半分とご飯を3割ほど残した。(ここはおひたしの量がいつも異常に多いと思う)
バイタルで担当のOさんが「先生来られました? 何か退院のこと言わはりましたか」と聞かれたので、はっきりとは言われなかったけど、考える…みたいなニュアンスだったと答える。
「じゃあ明日先生に会ったら何日くらいか、目安ぐらい聞いときましょか?」と言われたので、「いや急かすようなことを言うつもりはないので、世間話くらいで軽く聞いてください」とお願いすると笑われた。

この間別な看護婦さんにも「ほんまに気ぃ使わはる人ですね」と言われたが、前はそうでもなかったと話す。「怒らはるんですか、想像つきませんね」と言われて5月までの自分を思い出すと少し恥ずかしい。人生って恥を重ねて重ねて、後悔して後悔しての繰り返し。ただもう、これからは体と精神の安寧だけが願いだけど。

食休みの後もずっとPCに向かっていたら、8時過ぎになってN先生とKさんが入ってきた。研修医のK先生の手には注射針とアルコール綿。
「免疫の状態を調べるために、ツベルクリン反応を見ます」とのこと。
皮下注射といって、皮膚の下に少量の液を入れて48時間後にその反応を見るということだが、全部入ったら直径8mmくらいの「円墳」が出来上がった。N先生が「かゆくなるかも知れませんが、なるべく掻かないようにしてください」と言って油性マジックでその円墳の東西南北にチョンチョン、とマーキングをしていった。
ミステリーサークルみたい。

ひょっとしたら「退院させてもいい状態かどうか」の判断基準の一つかも知れない。だといいのだが。
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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