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2010-10-03(Sun)

平穏な日

10月3日(日)

特筆すべきことなど何もない、言い替えれば平穏無事で変化のない普通の一日。
この「普通」がどれだけ有り難いかはもうさんざん味わい、ここでも書いてきたので今さらくどくど述べる気はないと言いつつも、ベランダに出て歩く人を眺めていると、やはり「普通」っていいな、と思わざるを得ない。
自転車でスイーッと軽やかに、買い物か、あるいは知り合いのところへ向かうのか、ペダルを漕いでいく人。反対側、東の方向へ詩仙堂にでも散歩がてら向かうのか、地図を見ながら連れだって歩く三人ほどのご婦人がた。くわえ煙草でゆっくりと歩くおっさん。ビニール袋を片手に、リードの先の犬が街路樹に小便をかけるのを待っているおばはん。学生らはその間を忙しく自転車や徒歩で行き交っている。
今日は午後から雨になるという予報の京都、午前中はまだ晴れ間もあって湿度もそれほど高くはない感じではあるが、盆地は天気が急変しやすい。すぐそこの山から突然黒雲がにゅうっ、と出て来て街を覆い尽くすなんてこともしょっちゅうである。
仕事を一段落させて、ふと見ると前回の血液内科とその前の呼吸器内科の診察日に採血をした結果のプリントが窓からの風でひらひらしていた。ああ、入力しとかんとな、と思いエクセルを開いてそれらの数値を機械的に入力していく。
5年前の白血病を告知される直前の、夫婦で何の気なしに出かけた無料の健康診断での採血結果。その後の急転直下、癌告知と余命宣告を受け、入院〜抗癌剤投与と言われたあたりのそれ、そこからずっとこれまでの、結果をいただいた全ての採血結果は手元のファイルに記録してある。
健康な人から見たらギョッとするような数値が並んでいても、この5年、しかも無治療での5年生存率が半分程度という病気で考えたら、この程度なら変化無し、つまり有り難いことだ。

この間、業界の後輩が電話をしてきてくれた。
後輩というよりはまあ教え子といった方がいい相手なのだが、まあ就職し社会人になってしまえば同じ出版・編集業界の後輩である。
彼は色々とこちらの知らない萌え系(笑)やらオタク系から、最新の2ちゃんねる系まで幅広くネタを教えてくれる、貴重な存在だ。彼自身、自分の仕事がらネットの情報は必要不可欠で、常にチェックを欠かさず、その過程で「あ、これシラトリさんに教えてあげなきゃ」と思ったらすぐにポストしてくれる。実に有り難いし、実際的確なので面白い。
彼はツイッターをやっていない。
やっていないというか、やっていたがやめたという。フォロワさんはそれなりに増え、仕事でも重宝した部分があったことは否定しないけれど、逆に、四六時中彼の場合はiPhoneから何かしらつぶやかねばならないという強迫観念にも似た「義務感」に耐えきれず、結局仕事の話ならメールや携帯でこれまで通り済ませればいいや、と思い立ってやめたという。
「ツイッターを一日じゅうやってられる人って、実は凄く時間に余裕のあるうらやましい人か、あるいはツイッター依存症の残念な人か、どっちかじゃないでしょうか」
と彼は言う。
いや世の中そんなに簡単にどっちか、に二極化できないしするもんじゃないよと説教をしたが(笑)、ツイッターは気軽に自由に「つぶやく」もんでね、あんまりそれに過大な期待をしたり、重大な意味を見出したり見出そうとしたりしない方がいいんじゃないかね、とも言っておいた。
ネットがこれだけ普及し身近になり簡単になり、そうして全ての人が「等価」になるって、実は「ガロ」時代、「これからはネット社会になる」と解っていた俺(というか解っていた仲間たち)でさえ、ここまでは予想していなかったのではないか。
尊敬されるアーティストも学者も漫画家も作家も声優も詩人も、一般の引きこもりもアニヲタも小学生も評論家気取りの厨房も、全てネット上では「等価」だ。本当は等価じゃないんだけど(例えば培ってきたその分野での経験に基づいているか否かとか、長く討論をしたりすれば解るような明らかな差異とかがある)、モニタ上に表示される無機質な活字、フォントで見る分には「等価」に見えてしまう。
この「等価さ」というのは、ちょっと記憶にあるな、と考えてみると、もう何十年も前にテレビで「バラエティ」をみるようになった頃にもあった。
ドリフの番組でアイドルが「了解の上」でボケたりコントを演じている分には良かったが、生放送でのワイドショーやトーク番組、果てはクイズ番組に映画だけでは食えなくなった「俳優」が進出してきたあたりで、おかしくなってきたというか。
銀幕でいくら格好いいヒーロー、完全無欠の主人公、医師や正義の味方、悪を追い詰める探偵や刑事を演じていても、その俳優の化けの皮がボロボロとはげ落ちていく様を、当たり前だがそれらは作られた虚像であったことを、改めて何だか呆然と我々は見せられてきた、もう、幻滅という単語では表せないほど、酷い裏切りにあったような感覚を数十年の間に普通に見せられてきた。
ここ最近、特にバラエティ全盛、ワイドショー当たり前、そしてネット世代になったらもう俳優というか役者はもの凄く難しい職業になっちまったなあ、という気の毒な存在でしか見られなくなった。
しかし最近ではその当たりを「狙う」、演出として利用するということもあって一筋縄ではいかない、もう誰も信用できない!というか(笑)。
「リテラシー」とよく言うが、本当にこれからはネット上でもそれがもの凄く重要になる、いやもうなっているのだなあ、と認識を新たにする。
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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