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2011-04-29(Fri)

辛い日々

4月29日(金)

夕べは寝る前にシマの様子を見ると、仕事部屋のつづらで目を閉じ弱々しい呼吸をしていたので、後ろ髪をひかれる思いで寝室へ上がった。
早朝4時ころ、ガタン…ガタンという断続的な音で目が醒めた。何だろうと思っていたら、音は階段からだ。まさか…。

シマだ! と飛び起きて階段へ行くと、ちょうど最後の段をよじ上って、部屋の入口にたどり着いたとろだった。正直、もう自分の周囲1mくらいがやっとで、トイレまでの2m半くらいも休み休みという衰弱状態だったので、階段を上がることは二度とないと思っていた。いったいどこにこれほどの体力が…。いや、気力なんだろう。
猫は自分の死期を悟ると、ひっそりと何処かへ姿を消す…という話はよく聞く。しかし、そもそも野良なら人間側で行動テリトリー全てを把握しているわけではなく、半野良なら複数いる「別の飼い主」もしくは「お立ち寄り所」へ行ったのかも知れない。
だが家猫の場合は、間違いなく飼い主の傍に来たがる。よほどのことがない限り、経験上間違いなく住み慣れた家で、愛する家族・飼い主と一緒に居たいと思う。不安だからなのか、あるいは死期を悟ったから余計になのか、それは話を聞けないので分からない。
でも昔から実家の猫からここ最近の猫たち、マル、マイちゃん、そう太、みんなそうだった。マルは病院へ連れてったが「原因不明」で衰弱するばかり。ジローという愛猫を病院で孤独の中死なせてしまってから、治らないんなら最後は家で看取るというのが我が家の方針。マルは最後、連れ合いのひざの上に抱かれて息を引き取った。
その前は17歳だったマイちゃん。元気だったのが突然弱り始め、最後は動けなくなったのに、死の直前それまでほとんど入って来ることのなかった夫婦の寝室へ来た。夜中に気付いたら枕元に蹲っていた。
その前年、やはり17歳だったそう太も同様、ちょっとボケ入り始めたか…くらいで笑いを提供してくれてたと思ったら、急に食欲が無くなり、最後はやはり歩けなくなった。それでも今のシマのように「排泄は這ってでもトイレでする」という気概を見せた。亡くなる直前はやはり一度も来たことがなかったのに、夫婦の間に来ようとして、枕元にいた。

シマはいつものように、俺に体を密着させて寝たかったのだろう。
それにしてもあの体力で、休み休みだろう、どれくらいの時間をかけて階段を上がったのか。うちの階段はけっこう段差がある。だいたい、つづらの置いてある仕事部屋から階段の下までも歩けるかどうか…という体力だったと思う。
寂しい、不安、そういう気持ちが動かしたんだろうか。
その前だろう、シマは夜中にまた尿を座り小便したらしく、トイレのシートと外れたところに水溜まりがあった。お湯でタオルを暖めて下半身を拭いてやり、それからタオルにくるんで、ソファで前によくそうしてたように、腕まくら状態で抱いてやった。シマは喉こそ鳴らさないが、満足したようでじっと目を細めていた。

しばらくすると満足した様子で、立とうともがいたので、つづらに戻りたいのかと思ったら、俺の枕代わりのソファの方へ行こうとする。ああ、このまま傍に居たいのか…と思い、そこにタオルを敷いてやると大人しく収まった。
猫にも当然感情はあり、こうして寂しい、不安、甘えたい…という気持ちを、言葉が話せないから必死で体を動かして伝えようとしてくる。

シマがソファの上にいる間にトイレ掃除をし、床を雑巾で満遍なく拭いて、トイレ前には尿取りシートを配置。もし自発的にちょっとでも…と思って置いた水と、生餌を潰してお湯でゆるくしたものも取り替えておく。無理だと知っていても、やらざるを得ない。
だが結局シマはソファの上で何度か体勢は変えるが、つづらの方へ戻ろうとはせず、水も餌も食べない。

夕方、夜になっても状態は変わらず。ユキはいつものように空気を読まずに大声を出して時々甘えに来ていたが、午後からはなぜか地味に落ち着いて一人で丸くなって大人しくしている。ユキなりに何か感じ取っているのか…と思いがちだが、恐らく単に気分だと思う。こちらの沈んだ気持ち・態度が何となく伝染している。

人間はいつもこちらの勝手な思いを物言わぬ動物に投影しがちだ。同じ事は神仏にも言えるのかも知れないな、と少し不遜な考えがよぎった。辛い日々が続く。
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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