--------(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2011-06-21(Tue)

変化なし

6月21日(火)

血液内科、呼吸器内科受診日。
朝は割合早く目が醒めたが、傍らの椅子の上でユキがすやすやと寝ているのを見ながらウトウト。結局起床8時半。変な夢をたくさん見た。
慌ただしくいつもの朝のもろもろをしつつ、待ち時間に読む本にコピー用紙でカバーを作ったりしているとアッという間に9時。9時までには採血受付、を目論んでいたが無理だった。
出かける前にリビングと廊下の中扉を閉める時、ユキと目が合った。眉間に皺を寄せてじっとこちらを見ている。数分待って戻って来なければ、また大声で鳴きながらうろうろし、尻尾を噛んでくるくる廻るんだろうなあ…と思いつつ扉を閉める。

雨は上がっていた。気温はまだそれほど高くなかったが、湿度が高そう。
朝は自転車がけっこうなスピードで走っていて、車よりもかえって危険だ。何しろ車は歩道にいる限りほぼ向かってくることはないが、自転車はどこにいようと、それも前後左右どこからでも容赦なくぶつかってくる。自分の場合、肥大した脾臓が破裂すれば、イコール死亡となりかねないから、正味「命がけ」である。

タクシーで病院、採血受付へ向かうと出遅れたせいで20人くらいの列。十数分待って受付、さらに十五分ほど待って採血室へ、そこで数分待って採血完了。次は胸部レントゲン。毎月恒例の「被曝」もつつがなく終えると、9時40分くらいだったか。
それからは2階の外待合でずっと読書。空調はあるものの、元々暑がりの上にマスクをしている自分にはちょっと暑い。PPのかかっていない本の場合、ブックカバーをしておかないと手汗でごわごわになる。とはいえブックカバーを判型ごとに揃えるほど優雅でもないので、朝コピー用紙でちゃっちゃと自作したわけ。
たっぷり2時間近く待たされたので、読書は進んだ。ただ集中すると呼び出しアナウンスを聞き逃す恐れもあり、聞き逃すまいとしていると物語に入り込めない。なのでこういう場合は読み物でも軽いものか、創作ではないものがいい。まあ何を読んでいたかは置いておく。ここ2年ほどの読書量は尋常じゃないので、いちいち書いてたらキリがないし。

さて呼吸器内科、肺の方は異常なし。ただ採血でCRPがほんの少し高めだったのと、入院から一年になるので、念のために肺炎や結核、細菌感染などを調べるため、もう一回採血することになった。肺炎の吸入薬の処方と併せて処置室へ持って行くように言われて退室。
処置室でいつもの吸入と、特殊な採血がある旨告げる。そこで通常の採血用のとはフタ部分がちょっとだけ違う試験管が3本入った袋を受け取り、いったん受付書類と一緒に持って行くように言われ、そのまま採血受付へ。さすがに列はなく、すぐに待合へ入るよう言われた。

採血室内の待合には小さい男の子の大音声が響いていた。幼稚園児くらいの男児とその若い母に、祖母らしき女性。男児は椅子の上で寝転んでぐずり、大声をあげている。要するに退屈なのだ。母親の方が採血を受けるらしいので、祖母は孫を連れて外に居ればいいのに、どうやら母親と一瞬でもひきはがすと猛烈に泣きわめくらしい。
祖母らしい初老の女性は「○くぅん、ダメよぅ」とか言いつつ全く叱るという素振りはない。もちろん母親も一切叱らない。「ダメよぉ」「静かにね」とか、要するに甘やかしている。もはや周囲が「うるせえ!」「静かにしろ!」と言っても無駄だし下手すると通報される時代。ほっとくしかない。というより俺の場合は他人を気にしている場合ではないので、逆に周囲の反応を観察。周囲の患者は皆「死ねばいいのに」という目線である。
母親が採血台に呼ばれてカウンタで腕を捲っていると、男児が後を追って走って行く。祖母は「あかんよぅ、こっち居り」と言いつつ全く止めようとしない。採血は当然ながら腕に針を刺すんだから危ないし、子供はそんなこと知らないんだから何とかしろよ…とさすがに思った。が、よく考えたら仮にそういう事態になっても痛い思いをするのは当の「注意をしない母親」だから問題ねえか、と思って見ていると、祖母がここに来てようやく孫を抱え上げて強制的に退出しようとした。
するとクソガキもとい男児が祖母の肩越しに両手を拡げ、芝居っ気たっぷりに「ママァ、うぎゃあああああ!!!」とすさまじい大声で泣きわめいた。
――瞬間、俺は椅子からジャンプしガキの顔面にフライングニーパッドを叩き込…めるわけもなく、一同仰天していると、祖母はそのまま連れ去るどころか「あらあら」と言いつつ孫を開放。孫は泣きわめきながら採血台へ走り寄る。カウンタに座って採血を受けている母親は、半笑いでそれを迎えている。あんた自分が採血中だし、ここ病院だし、てか他の患者いっぱいなんやけど…という周囲の視線にも全く無頓着。俺の隣に座っていた老夫婦の旦那がぽつりと「…阿呆や」とつぶやいた。
こういう光景、そういえば何年も前に見たことがあったな、いつだっけか、自分が病気になるもっと前、連れの病院の付き添いの時だっけかなあ…なんて思っていると自分の番になった。

通常の採血3本に加え、処置室で受け取った特殊な試験管3本の合計6本血を抜かれた。そのうちの1本はクラッシュアイスのようなものを入れた紙コップに挿された。さらに、最後に小型のピストンで直接血を抜かれる。やれやれ。
そのまま血液内科の外来へ行き、診察票を出して「呼吸器終わりました」と報告して椅子に座る。外来受付は5〜6人ほどしか患者がおらず、すぐ呼ばれるだろうかと思っていたら、ふらりと来たオッサンが「N先生の予約入ってたんやけど、まだ?」という声が聞こえた。N先生というのは俺の主治医でもある。
受付の女性は端末を調べ「ええと、はいまだです。今日ちょっと遅れてまして…」と済まなそうに返し、おっさんは「ああ、ほならええんですわ。前がちょっと長引いたもんやから、ひょっとしたら飛ばされたんと違うか思て」と言って帰りかけ、「で、あと何人やろ?」と聞く。「…ええと、四人ですね」という声を聞き、その中に自分が居るのか、あるいは四人の後このオッサンで俺なのか思案。
さっき前の科が終わった旨告げたんだから、すぐ呼ばれることはない。つまり四人目か六人目か、いずれにしてもあと三十分ほどはかかると判断、先ほどの処置室へ向かう。
処置室で吸入の旨告げると、もう支度は出来ていて、すぐに「電話ボックス」に入れた。看護婦さんが「これまでちょっと勢いが強かったみたいで」と言いつつ、吸入器のメモリを噴霧量、強さともに「1」という最少にして20分、とセットしていった。確か最初の頃そうやっていてうまく行かず、何度もフタを外してまたセットし直す…を繰り返していたと記憶しているが…。途中両方とも強くしたり色々試している風情。
薬剤の吸入は何度やってもしんどい。涎がダラダラ出る。慣れもあって吐き気は無くなったものの、気持ちいいものではない。まあこんな免疫力でも人並みに近い生活をするためには仕方のない苦行だ。
強く出すよりも確かに持ちは良かったが、結局数分で霧が出なくなり、いったんドーム部分を外して再セット…をいつものように繰り返しつつ終了。やれやれ。

終わって看護婦さんにアイサツをし、血液内科の外待合に戻る。やはり待ち時間は適切だったようで、数分で端末が震えて「診察室へお入り下さい」と表示された。
N先生は「すみません、今日も本当にお待たせしちゃって」と恐縮されるので、こちらは全然構いませんし、吸入とかも済ませて来ましたし、とかえって恐縮。
N先生はこれまで接してきて、あるいは中待合で漏れ聞こえてくる対応を聞いたりしていると、基本的に質問にはキチンと誠意を持って答えてくれるし、患者の話をまず聞くという姿勢が伺われる方なので、どうしても受け持ちの患者さんへの対応が長くなりがちだろうと思う。丁寧だが、丁寧に対応すればどうしても後の患者が玉突きに遅れていく…というパターンだが、こちらがそれを理解していればどうということはない。むしろ安心感を憶える先生だ。
採血の結果を丁寧に解説していただき、こちらも解らないことや些細な素人の疑問があれば遠慮無く聞ける、それにもちゃんと答えていただける。当たり前の事かも知れないが、嫌な顔一つ見せず、常に笑顔で丁寧に話して下さるので、きっとお年寄りの患者なんかは長くなるだろうな、と想像出来る。

こちらの採決結果、数値は低めながら相変わらず「安定」している。とにかく俺の場合病気のタイプが非常に珍しい。この元の病気=白血病というかリンパ腫との中間みたいなものに大きな動きがないというのが一番で、免疫力の低下は注意深く経過を観察し、用心していく…という基本方針に変化なし。
変化がない、これは今の俺にとって一番有り難いことだ。
免疫力を細かく見るための特殊な項目は間に合わなかったそうで、次の診察日にご説明します、ということで来月は19日。もう次回には46歳になっているわけだ。

会計は1万円超え。特殊な検査項目が増えると高くなる。本当に健康に越したことはない。
病院を出ると雲が切れてぱあっと陽射しが明るかった。何か久しぶりのような気がした。そのままいつもの調剤薬局、混んでおり30分くらい待たされる。2時近かったし、さすがに腹が減ったので何か食べようかと思いつつ、決め手のないままスーパーで買い物をしてしまった。それも切れた調味料と野菜などが重い。タクシーでマンションへ戻り、いったん荷物をしまってから食いに出よう。
そう思って部屋に戻るとどっと疲れた。汗が吹き出る。当然、二度と外出する気力なし。

ユキはソファの上で丸くなって寝ていた。曲がった尻尾のカギ部分に濡れたあとがあった。こちらの気配ではっと目を醒まし、人の顔を見るなり「にゃああ!」と鳴いた。「どこ行ってたの!?」という調子。病院で大暴れしていた子を一瞬思い出してちょっとおかしくなった。
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

カレンダー
03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

広告
アフィリエイト・SEO対策
検索フォーム
プロフィール

シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

シンプルアーカイブ
リンク
RSSリンクの表示
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。