2011-08-16(Tue)

診察日、送り火

8月16日(火)

ダブル受診日。
夕べは万全を期して(?)休肝日にした。風呂上がりにキュ〜ッとやりたいのを堪え、スプライトで我慢。夜も11時就寝。子供か。
そのせいで朝は5時過ぎに目が醒めてしまった。いつもなら丸椅子の上かタンスの上で寝ているはずのユキが、なぜかベッドの足元にいて、寝返りの時無意識に蹴飛ばしてしまったらしい。「にゃん!」とあからさまに不愉快な顔でギュッ、とこちらを睨むので「ごめんごめん」と手招きをすると寄って来る。そのまま暑いけど腕枕みたいにしてウトウト。結局7時前に起床。

外は曇天、うすぼんやりとした陽射し。今日は五山送り火、病院が混むのか空くのかよく解らないので、早く出ることにした。8時過ぎに支度をして出ると、さほど蒸し暑くなく風がちょっとそよいだ。車も少なく道も空いている感じで、タクシーもすぐにつかまり、病院へもスイスイ。
受付に着くと8時20分ころだったか、中央ロビーの椅子はほぼ満席状態。「常連客」のお年寄りが圧倒的な数。8時半の受け付け開始5分前になると、ぞろぞろと自動再来受付機の前に行列が出来はじめ、並ぼうとしたら皆さん手にカードを持っている。見ると、受付開始時間前に来た人は「並ぶ受付機の番号」が書かれた札を持って、時間が来たらそこへ並べというシステムらしい。通って4年になるが、初めて知った…。
しょうがなく最後尾に並び直し、2階の採血受付へ行くと、当たり前だが既に長蛇の列。十分ほど並んで受付すると177番、意外と少なかった。待ち時間も十分弱で、試験管3本。今日はちょっとだけ右手の手首あたりがじりじりと感じた。こういう事は滅多にない。
地下に降りて放射線受付、待合に腰を下ろしたかと思ったらすぐに「4番へお入り下さい」とアナウンス。レントゲンもつつがなく終了。ここまでで9時15分くらいだったか。

あとは診察待ちなので、呼吸器内科の外待合へ移動して椅子に座り、30分ほどスマホで音楽を聴く。一応予約時間は9時40分なので、アナウンス待ちのため音楽を終了、急激に眠気が来てウトウト。
見た感じ、いつもよりは患者の数は少ないという印象だ。外来の外待合も椅子に空きがあるし、回廊から見下ろすホールを行き交う人もこの時間にしては多くない。これなら今日はサクサク行きそうだな、と思っていると、10時過ぎに呼ばれた。

吸入器I先生は「様子はどうですか」と聞かれるので、「変わりなく、食欲もりもりで…」と言うと苦笑される。白血球数が1300と少ないのがちょっと気になるけれども、「レントゲンの結果もいいですよ」とのこと。合う人ごとに「太った」と言われると言うと、「コレステロールは低いですね…あ、でも中性脂肪が多いですね」と笑われる。
薬と吸入の処方、次回の採血と診察の予約を入れて貰って、次は処置室へ。
吸入のお願いをして廊下の椅子に座ったところで、血液内科からの呼び出しが鳴り「診察室前でお待ち下さい」。予約時間は10時20分、時計を見るとちょうど10時20分。一瞬迷うが、「今行けません」を押した。
数分後に吸入器の準備が出来たのでボックスに入る。
とにかく苦痛。加えてるとだらだらと涎が出るのも嫌だし、薬剤の何とも言えない苦みと肺に入る「重さ」が不快。スマホでスポーツニュースを見て気を紛らわしつつ、苦行を耐える。

吸入を終えて血液内科の受付に向かい、前の科で吸入をしていたので来られなかった旨伝えて、外待合で待つ。ここからはまた長くかかるかな、と思ってバッグを外し、ギャツビーボディタオルで顔や首を拭いていたら、十分ほどで「診察室へお入りください」。慌てて移動。

N先生も「お変わりありませんか」と聞かれる。I先生への返答と同様に答えると「今ね、夏風邪が流行ってきていますから」とのこと。採血の結果、やはり白血球数が少ないのが気になるが、その他は変化がないので、いいじゃないでしょうか、ということ。ここ5,6年こんな感じの上下はよくあることなので、こちらも気にしないことにする。
「太っちゃいまして…」と言うと、やはりコレステロール値が低いが中性脂肪が高い、ただ「コレステロール値は体質もありますからね…」と言われるので、「はい、実は発病前からそういう体質でした。ですが中性脂肪は完全に食生活のせいですすみません」と頭を垂れた。

首まわりや腋下などリンパ節の触診の後で、N先生に「そういえば…」と伺ってみる。
先日ニュースで知った、白血病の画期的な治療研究の話(T細胞の改変で末期の白血病患者が全快、米研究 国際ニュース : AFPBB News)。
「あれは凄いですね、移植ではなく自分のT細胞で癌を倒すわけですよね」と言うと「そうですね、世界中で今この病気の研究は進んでますからね」とのこと。
T細胞性で、慢性で、リンパ性という難治性の、まさしく俺のようなタイプの患者には光明なわけだが、俺が「ああいうのは日本でも研究されてるんですか」と聞くと、「はい、でもまた違うタイプや違う角度から色々ですね、白取さんの場合は本当にご病気が動かないので、こうしたタイプにもお薬が見つかるといいですね」とのこと。
まあまだ臨床結果としては寛解に至ったのは3人だし、これからアメリカ全土に拡大し、さらに日本へ…となるのはかなり先になるのか知らん。素人ながら、骨髄移植と抗癌剤投与という今「定番」の治療プロトコルだと、どうしても患者の免疫抑制は避けられず、また予後も宿主病や再発の不安がつきまとう。そもそも免疫抑制時、去年俺がかかった肺炎のような菌でコロッと死ぬ事も多いわけだから、言い方は悪いがギャンブル的な目で見てしまう。
ただこの度のペンシルベニア大の研究はそれらと違い、患者自身のT細胞の遺伝子を操作した「改変T細胞」で癌を殺すというもの。俺の場合はCD19ではなくCD4というたんぱく質が特異的に足らず、その結果カリニのような肺炎菌に弱いのだが、とにかく、患者自身の細胞だから拒否反応がない。ゆえに免疫を抑制せずとも良い。またT細胞が癌化した細胞を殺すので、抗癌剤という「猛毒」を入れる必要がない。もし実用レベルまで進むとしたら、本当にもの凄い事になる。
…と、素人ながら思った次第だが、研究の最先端におられるN先生は先ほどのように極めて冷静であった。まあ患者というものは、事程左様に「新薬」「画期的治療法」という情報に一喜一憂するものである。よく言われることでもあるが、病気が動いていない=大人しい場合は抗癌剤は効きにくいとか、色々と素人情報があって自分も耳にした事があるが、結局そうした事も全て「個々の患者さんの個々の症例・病状次第」だし、特に血液腫瘍の場合はもの凄く細かくタイプも別れわけで、ひと言で「これはこう」とは言えない。もちろん、その事ももう充分知っている。
N先生はこちらがあれこれ伺っても、基本的には必ず回答してくださるので、こちらもついつい聞いてしまう。

病院前から大文字山チラさて診察室を出て、一階ロビーの会計受付へ行くと誰も並んでいなかった。こんな事は滅多にない。その分係員も3人しかおらず、それぞれ対応していたのでそれを待つ。すぐにそれも終わり、十分ほど座って金額が出るのを待ち、会計も終了。何とまだ12時前、奇跡のような早さ!
病院を出ると陽射しが出て来て眩しい。熊の前のスーパーで夜のビールと送り火なのでお刺身、後はここ二、三日のものを買ってタクシーで帰宅。うちの隣の薬局に処方箋をお願いして、荷物を置いてコンビニへ行き、アイスを買って再び薬局で薬を受け取って帰宅12時ちょい。
マンションのエントランスでちょうどI内科のI先生とお会いし「お元気ですか?…ちょっと肥えはりました?」と言われる。はい、もう…ほんますんませんです。

今月もとりあえず「低値安定」変わらず。良かった、まだ生きてる。
夜は送り火、故人を思い乾杯を。
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コメント

冷静な目

お医者様の冷静な目、ってやっぱりありがたいですね。それにしても、丁寧に答えてくださる先生は、患者にしてみればとても嬉しい。血液検査も低値ながら安定ということで、よかったです。
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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