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2011-11-28(Mon)

生きることは苦行である

11月28日(月)
ここ一週間ほど尋常じゃないほど忙しい。
どれくらい忙しいかというと、先週火曜日に病院へ行ってから一度も外出してないくらい忙しい。
そして、一銭にもならない。
(同じ一銭にならないような事でも、自ら進んでオモシロがるクリスマス恒例企画=いつものアレなんかは楽しくてしょうがないのだが)

この不景気、どんどん仕事が減っていて、自分の場合は健康ならそれこそいざ福島、本気で肉体労働でご奉仕してお金になるならば喜んでやろうと心から思っているのに、何しろすでに白血病。そこら辺のカビやチンピラウィルスに殺されないよう、薬を飲んでるという始末。

人間イザとなれば土方(差別用語に非ず)でもマグロ漁船でも何でも、本気になれば、体の言う事さえきけば稼ぐ事は出来る、絶対に。これは経験論で言っている。
自分も青林堂時代、今なら誰でも知ってるようにもの凄い薄給で経費はほとんどゼロ&持ち出しという頃、てめえの能力でイラストやレイアウトや似顔絵、漫画などを描いて、内職で穴を埋めていた。もうポリシーなんか何も無かった。言われるがまま、お金に尻尾を振ってこなしてきた。もちろん肉体労働もさんざんやった。日銭でくれるから一番ありがたかった。俺より年下の「親方」もいたけど、みんないい奴だった。そういう事は、長井さんには言わなかった。でも知ってたと思う。
そんなの歴代のガロ編集者の諸先輩がたは皆やってきた事で、逆に会社黙認のおかげでずいぶん助かったという、何だかちょっと意味不明な関係。
つまり俺は好きな事は漫画であって、漫画家になれない半端者でも、せめて編集として漫画の傍で飯を食えるんだから、そのために何かを犠牲にしたり、汗水垂らすのは別段苦痛でも何でもなかった。綺麗事じゃなくて本気である。綺麗事を言うのは簡単だが性に合わない。
そりゃあ当時も「ちょっとは給料あげてくれよ」「せめて改札での原稿受け渡しは勘弁してくれ」とは思ったし、実際、後年色々現実の内情を知って呆れたこともあったけれども、それでも、概ねあの時代は自分にとって極めて高度な大学教育…それ以上の経験と知識を与えてくれ、さらにそれと社会勉強を両立させてくれた、勉強と修行と、人間としての成長にこの上無く貴重な場だったと思い、今では感謝しかない。

今、東京を離れて人脈も寸断され、病身でそこらでホイホイとバイトすら出来ない体になり、かといって公的な扶助は一切、ない。
全くない。

この国では働けるくせに働かない連中に手厚い補助が出て、身を削って必死で働く人らが這い上がれないシステムに変わってしまった。
「そうか、あかんか」のセリフが身近になりつつある恐怖。

白血病は難病指定されていない。
「ちゃんと治療すれば治る」病気だと。
ちゃんと治療するのに家族や職業の犠牲、サポートがどれくらいあって、どれくらいのプラマイがあるか解ってんのか。大金持ちの芸能人が治療するのとワケが違うのだ。
それよりその前に、「血液腫瘍」がどれだけ細分化され、患者ごとにどれだけタイプも症状も異なり、ということはつまり対応も治療法も薬剤も予後も異なるという事に、何で想像が働かないのかと心から疑問に思う。
白血病というのは血を造る幹細胞が癌でやられてまともな血球を作れなくなり、役立たずの白血球を大量に作る、ゆえに血が白っぽく薄くなるから「白血病」なのだ、と言うという説がある。
自分の場合は脾臓が巨大に腫脹する、汎血球減少という症状はあるが、白血球数が異常に上がるのではなく、むしろ減少して免疫抑制状態だ。こういうの、どうするの?
実際東京でも京都もではっきりとした分類、病名ではなく「一番近いもの」強いて言えばこれ、というところだ。
そんな曖昧なところにビシッと効く治療法など無い事くらい、俺のようなバカでもよく解る。

現実、傍目から見れば物理的に腹がぽっこり出てるただのメタボなおっさんだろうし、まあそこに暴走自転車が激突したら普通と違うのは脾臓破裂で即死かも知らんけど、見た目は普通に生きてはいる。
でも実際は、クイーンのフレディはじめ、ちょっと前なら免疫抑制によるカリニ肺炎やカポシ肉腫などで簡単に人が死んでいたわけだ。俺はHIV=エイズ感染者じゃないが、免疫抑制状況は同じようなもんで、実際カリニ肺炎にもかかった(健康な人なら症状など出ない)。

一見普通なのに、そこらの赤ん坊より弱い人間がいる。
で、現実に不特定多数が集まる閉鎖空間、感染リスクの高い場所には防疫上行けない。
だから映画も、癌宣告されてから一度も映画館で見ていない。
少人数・短時間の電車地下鉄、飲み屋へ行くくらいがせいぜいだ。
これでも「働け、働いて税金を納めろ」という。
だったら俺みたいな状態でも働ける働き口を世話しろよ。こっちは働く気満々だから、と思う。仕事寄越せよ、と思う人は多いはずだ。

細くなった糸を切らさないようにするために、自分を犠牲にしてタダ働きをし、命をすり減らさないと生きていけない。タダでこれだけの作業やってられんわといえば、その細い糸が途切れる。それよりはタダでやった方がマシ。つながるから。

生きるとは是苦行なり。
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シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

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