--------(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2012-01-20(Fri)

高取英さんと飲んだ

2012年01月20日(金)

年末から正月を挟んで、三週間ほど続いた殺人的な「作業」がほぼ一段落。
なぜ「仕事」と言わずあえて「作業」と言うかといえば、「仕事」というにはあまりに対価が見合わない・割に合わない事だからである。
〜である、キリッ)みたいな感じで言ってますが要するにただただ何も面白がれる要素さえない、単純で、凡庸で、でも誰か(そう、俺のような病人で通勤が出来ない、でも仕事しなきゃ食っていけない)がやらないといかんというバカみたいな仕事だ。いやもうはっきり言って仕事に貴賤はないというし、そう思うけど、面白い・面白くないは確実にある。面白いと思うことと仕事が同じ、あるいはほぼ両立出来ていれば人生それなりに楽しく、俺の場合は幸福にもそうやってこられたので、帳尻的に死ぬ間際になってツケを払わされていると思うしかない。

じゃなきゃやってられねえよ実際問題。

一日12時間以上、トイレと食事以外はほぼPCモニタの前。他にやることは休憩でぐったりすること、あとは日課の風呂とかそんな程度で、あとはひたすら単純作業&つまらないしゴミみたいな金額を積み重ねていくという仕事です。こういう作業って内職とかで、そのうち刑務所内でPC教えてるみたいだしそっちへタダみたいな人件費で廻されていくのかも知らん。
そういうまあ「生きることコレ即ち苦行也」的な日々を送っておるわけですが、幸いにして体調は今のところ何とか持っている。
こんなことまっとうな、健康な若い人でも一月続けたら確実にどっかに弊害が出る、出なくても見えないところで癌細胞が増殖するはずだ。俺のような癌患者にいいわけがないのは知ってるし、やりたくもないし、そう思いつつやることが一番ストレスなのも重々承知しつつ、それでもやらねばならぬ。

というわけでそんな荒行(繰り返すが、その割に対価は子供の駄賃程度である。はっきり言う)も一段落して、ようやくホッとしたところで高取英さんとお会いし、飲むことになった。

もともと年度が終わったら一回会いましょう、という話になっていて、その時は大阪にいる劇画バカ(なめくじ長屋奇考録)も呼びましょう、という予定でいたのだけど、高取さんは今年度で京都精華大学の教授を辞すると同時に京都のお住まいも引き払うこととなり、つまりは荷造りやら引越なわけで、スケジュールも慌ただしく、日程的に結局この日は翌日が引越という晩であった。
前の晩はひさうちみちおさんと飲んだというお話で、あー、高取さんもう京都ひんぱんには来られないんだなー、と思って寂しくなった。

高取英と聞いて知らない人はどうでもいいので勝手にググれということで、とにかく、マンガ自体、マンガそのものがひとくくりで「サブカル」と言われた時代を含め、学生運動華やかなりし頃から、寺山修司、竹中労はじめ、いわゆる日本の戦後サブも含めたカルチャー界にずっと身を置いてきた人だ。ガロ周辺・エロ劇画含めたマンガ編集と、同じくアングラ・サブカルであった「演劇」という世界で『月蝕歌劇団』を率いて来られた希有な方でもある。
今の若い人はポカンとするかも知れないし、ググってwikiでも見て「そういう人はもちろんいくらでもいる」というかも知れん、けれどもそんなん現場にいてあれこれ見聞してきた四半世紀以上と、0コンマ数秒ではじき出される「情報」と一緒にされても困る。
全く畑の違うところに居ながらマンガをメジャー・マイナー含めてずっと見て来られ、しかも「編集者」という立場もちゃんと知っているという人はあまり多くはいない。
エセ編集者なら(俺自身も含めて)いくらでも知っているが。

ガロは今では当たり前だがマンガからイラスト、写真や詩、演劇や映画や音楽といったあらゆる「表現」にクロスオーバーする場だったので、やっぱりガロが元気だった頃の方たちは本当に面白い人ばかりである。
そしてガロだけではなく、それぞれにマンガ以外の表現の足場をしっかり持って居る。
表現の足場は違うけれども、マンガというもので皆つながっている、そういう「つながり」がいかに大事かを、俺はずっと四半世紀以上身をもって体験してきた。

漫画家になろうって奴が漫画ばっかり読んでちゃダメ。

漫画の技法・テクニックだけ小賢しくうまくなろうとしてもダメ。

それより、むしろ漫画以外の小説や詩や映画や演劇や、絵画やイラストや、色々な「別の表現」にたくさん触れること、そこから常に何かを吸収しようとすること、そういう事がいかに「何も知らない若造」にとって血となり肉となるかを、他ならぬ自分が体験してきた。体現は出来てないが。

そんなこと含め、自分も一年だけどお世話になった精華大からプロデュース学科が消えてマンガ学部内に統合されるというお話も聞き、だったら余計にこういう先生には土下座してでも残っていただくべきだろうに、と思った。
精華大、京都だし教えたことあるし、何よりやまだが教授に奉職したのをきっかけに京都へ来たわけで、頑張って欲しいと思うのだが…。

それより、お体の関係でずっとお酒を控えておられたはずの高取さんが、一杯だけ生ビールをご一緒して下さった。ていうか高取さんが酒飲むのはじめて見た!
 これはおおいなる自慢である。
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

広告
アフィリエイト・SEO対策
検索フォーム
プロフィール

シラトリチカオ

Author:シラトリチカオ
白取千夏雄/編集者。1965年函館市宝来町生まれ。元青林堂「ガロ」副編集長、97年よりフリー編集者・ライター・Web構築・管理他なんでも屋と、専門学校・大学講師など。
2005年夏、白血病告知・余命宣告を受けるが「慢性リンパ性白血病」に近いタイプと判明、無治療・対処療法、2014年より抗癌剤治療、巨脾へ放射線など治療開始。2015年夏左上眼瞼にメルケル細胞癌発症、眼瞼切除、再建手術、16年にかけて放射線も耳下腺に転移、郭清術、放射線治療中に再発、左眼球ごと摘出・皮膚移植。転移再発治療中ながらまだ生涯一編集者として生息中。
二十余年の東京在住ののち、07年から京都在住。09年5月、愛妻=漫画家・やまだ紫を脳出血で失った。
やまだ紫クロニクル

シンプルアーカイブ
リンク
RSSリンクの表示
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。